鷹野凌がここ数年、大学の非常勤講師として講義している内容を、テキスト化して連載形式で公開。デジタル出版の歴史、現状、課題、生産・流通・利用といった過程について、解説を試みます。
【目次】
第1部 デジタル出版とは?
第1章 デジタル出版の定義
- 両手の指10本を使うと、いくつまで数えられるか?(同じ組み合わせは不可)
- 技術の進歩はコンテンツとメディアを分離した
- 本の複製は長年、手で書き写すことだった
- 広義の出版には、講演、音楽、映像、ブログ、Twitterのつぶやきも含まれる
- 表現と伝達のプロセスは、デジタル化とネットワーク化によって激変した
第2章 メディアとビジネスモデル
- リフロー形式のデジタル出版物はページ数がカウントできない
- 本を作るときはどのように頒布するか? まで考える必要がある(紙でも電子でも)
- 複雑なレイアウトには、文字と図版の配置そのものにも意味が込められている
- 多品種少量生産な本や雑誌には、流通合理化や保存利用のためのコードが存在する
- 梅棹忠夫「情報産業論」は60年経っても古びていない
- ユーザー生成コンテンツはいきなり世に出てユーザーから直接評価を受ける
- プラットフォームでマスコミ4媒体とウェブ発メディアは同じ土俵で競う
第3章 出版ビジネスの現状と課題
- 枕詞のように「出版不況」と言われるが、実態は「雑誌不況」である
- 電子出版物は有体物ではないため著作物再販適用除外制度の対象外