一般社団法人版元ドットコム 代表理事 沢辺均氏(ポット出版)
コラム

版元ドットコムとopenBDプロジェクトは“だれもが自由に使える書誌・書影”を再び提供するためホワイトリスト作成という正攻法に出た

 一般社団法人版元ドットコムとopenBDプロジェクト(版元ドットコムと株式会社カーリル)は3月29日、版元ドットコム会員社以外の出版社に対し、書誌・書影の読者(第三者)などへの利用承諾を求める取り組みの開始を発表しました。そもそもなぜそのような取り組みが必要なのでしょうか? 本稿ではその背景や経緯などについて、関係者への取材などを踏まえた上で詳しく解説します。

角川武蔵野ミュージアム マンガ・ラノベ図書館(photo by TAKANO Ryou)
コラム

続・ライトノベル市場とはなにか? 規模はどうなっているのか?

 前回の記事では、2022年の電子書籍ライトノベル市場を65.1億円と試算しました。他方、出版社へのヒアリングをもとに「多めに見積もっても20億円台」と推測する声もあります。実際のところ、紙と電子のライトノベル市場はいまどうなっているのか? さらに調査・試算・考察してみました。少々長い記事なので、結論だけ見たい方は末尾の「紙と電子のラノベ市場を足すと?」をご覧ください。

日本新聞協会が「AI時代の知的財産権検討会(第3回)」で提供した資料のp8
コラム

日本新聞協会が「有料会員限定のコンテンツをもとに、回答を生成」と主張している生成AIの事例は適切か?

 日本新聞協会は、文化審議会著作権分科会法制度小委員会(第3回)とAI時代の知的財産権検討会(第3回)のヒアリングで、Google SGE(Search Generative Experience)が「有料会員限定のコンテンツをもとに、回答を生成」と主張しました。これは本当なのでしょうか?

photo by Ryou Takano
コラム

2022年出版関連の動向予想

 少し遅くなってしまいましたが改めて、新年あけましておめでとうございます。  2022年も HON.jp News Blog をどうぞよろしくお願いいたします。  毎年恒例、編集長 鷹野凌による出版関連の動向予想です。

BOOK☆WALKER
コラム

デジタルでも本棚を眺めてニヤニヤしたい! BOOK☆WALKERの本棚リニューアルについて開発担当者に話を伺った

 株式会社ブックウォーカーは2月1日、運営する電子書店「BOOK☆WALKER」の Android / iOS アプリ内の[本棚]機能を大幅リニューアルしました。収納冊数大幅アップや表紙サイズ調整機能以外に、驚きの新機能も登場しています。どういう意図なのか? 開発担当者に話を伺いました。

YourEyes記者発表会の様子
コラム

著作権法第37条を使わない視覚障害者等向け読書支援サービス「YourEyes(ユアアイズ)」の衝撃【追記有】

 株式会社ポニーキャニオンは11月26日、視覚障害者や学習障害者(ディスクレシア)向けの読書支援サービス「YourEyes(ユアアイズ)」を来年2月から開始することを発表しました。これはどういうサービスで、著作権の問題をどうクリアしたのでしょうか?

国立国会図書館
コラム

「図書館の本、スマホで閲覧可能に」とは? ―― 図書館等での権利制限規定のデジタル化・ネットワーク化への対応が検討中

 コロナ禍による図書館休館問題を受け、文化庁はいま著作権法第31条 図書館等での権利制限規定を見直す検討を進めています。「図書館の本、スマホで閲覧可能に」という報道に喜ぶ声や、出版関係者が「民業圧迫だ」と反発している報道もあります。実際のところ、いまどのような制度になっていて、どのように改正されようとしているのでしょうか? まだ報告書が確定していない段階ではありますが、現時点での状況について解説し […]

「著作権法第35条の一部改正に関するブリーフィングセッション」(一般社団法人日本著作権教育研究会)
コラム

遠隔授業を阻む著作権の問題をクリアにする「授業目的公衆送信補償金制度」とは?

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、学校で遠隔授業のニーズが急速に高まっている。その際の障壁とされていた著作権の問題をクリアにすべく、「授業目的公衆送信補償金制度」が前倒し施行される見通しだ。そこで本稿では、この新制度がどのようなものなのか、筆者の理解の範囲で解説する。

文科省の入り口
コラム

侵害コンテンツのダウンロード違法範囲拡大は、どういう目的で導入されようとし、どういう制度になろうとしているのか?

 共同通信や産経新聞などによると、自民党文部科学部会などの合同会議が2月25日に開催され、海賊版対策の「ダウンロード規制法案」を了承したという。本稿では、そもそもこの「ダウンロード規制」はどういう目的で導入されようとしているのか? 現行はどういう制度なのか? それがどう変わろうとしているのか? などについて、改めて、なるべくかみ砕いて解説する。

第21回図書館総合展のメディアドゥブース
コラム

楽天の株式譲渡で日本の電子図書館事業「OverDrive Japan」はどうなるか?

 楽天株式会社は昨年12月25日、子会社で電子図書館プラットフォーム世界最大手である OverDrive Holdings, Inc. の全株式を、アメリカ最大手のプライベートエクイティ投資会社のKKR(コールバーグ・クラヴィス・ロバーツ)に譲渡する契約を締結したことを発表した。KKR側の意図については、すでに大原ケイ氏が解説しているが、では、日本で展開されている電子図書館事業「OverDrive […]

トークイベント「ニューヨーク公共図書館から考える、パブリックな情報社会とは」
コラム

ニューヨーク公共図書館の映画、本、トークイベントなどを通じ、パブリックの意味について考える

 映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」(監督:フレデリック・ワイズマン、原題:Ex Libris – The New York Public Library)のヒットに伴い、2003年に岩波新書から出版された『未来をつくる図書館』が再評価されているという。  この本の著者で在米ジャーナリストの菅谷明子氏と、「マガジン航」編集発行人の仲俣暁生氏によるトークイベント「ニューヨーク公共図書館 […]

2月8日開催「違法ダウンロード範囲拡大を考える院内集会」後のブリーフィングで、自身のパソコンに保存されている画像のサムネイル表示を示すマンガ家の赤松健氏
コラム

「スクショ違法化」にしないための落としどころはどこか? ~ 著作権法は権利保護と権利制限のバランスが重要だ

 海賊版サイト対策を目的とし「スクショ違法化」などが盛り込まれた著作権法改正案は、権利を守られる側のマンガ家や出版社などからも反対の声が挙がったことにより、3月時点では国会への提出が見送られた。  しかし、9月30日に文化庁からの意見募集(パブリックコメント)が始まるなど、法整備へ向けての動きが再び活発になっている。本稿では、そもそもなぜ法改正が行われようとしているのか? そして、どこが落としどこ […]

月尾嘉男氏(東京大学名誉教授)
コラム

情報の洪水と捏造の時代におけるデジタルアーカイブの意義

 デジタルアーカイブ推進コンソーシアム(DAPCON)は7月18日、2019年デジタルアーカイブ産業賞授賞式典を開催した。1990年代半ばに世界で初めて「デジタルアーカイブ」という言葉を提唱した月尾嘉男氏(東京大学名誉教授)に特別功労賞が授与され、「デジタルアーカイブの危機」と題した記念講演会が行われた。本稿では、その講演の模様を私見を交えつつレポートする。

国立国会図書館
コラム

美術館、図書館、公文書館、博物館などのデジタルアーカイブを分野横断で検索できる「ジャパンサーチ」を使い倒せ!

 国立国会図書館と内閣府知的財産戦略推進事務局は7月17日、分野横断型のデジタルアーカイブ検索ポータル「ジャパンサーチ」試験版の説明会を開催した。本稿では、まだ発展途上ではあるが、現時点でもいろいろ“楽しむ”ことが可能なジャパンサーチについて紹介する。

弁護士・福井健策氏(左)と東洋大学准教授・生貝直人氏(右)
コラム

著作権法改正がデジタルアーカイブに与える影響と今後の課題 ~ アーカイブサミット2018-2019第1分科会レポート

 アーカイブサミット組織委員会は6月11日、千代田区立日比谷図書文化館で「アーカイブサミット2018-2019」を開催した。私が参加した第1分科会「近年の一連の著作権法改正の動きの背景とその本質、これからの影響」で行われた議論を中心に、デジタルアーカイブ整備推進法(仮称)成立へ向けた課題について考察してみたい。

日本出版学会 2019年 春季研究発表会の様子
コラム

誰もが読書できるアクセシブルな環境という理想と、データ流出への根強い懸念という現実

 5月11日に都内で行われた日本出版学会 2019年 春季研究発表会で、私は「学術書のアクセシビリティ ―― 手話翻訳動画、テキストデータ提供の実践から」を聴講した。先駆的で興味深い取り組みだと思うのと同時に、データ流出への懸念などがさまざまな形で障壁となっている現状に、少し頭が痛くなった。今回のコラムでは、このことについて考えてみたい。

出版月報より
コラム

出版月報の数字は「出版」の統計ではなく、「取次ルート」の統計である

 2019年3月期の書籍雑誌推定販売金額は1521億円で、前年比6.4%減 ―― この数字は、公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所から毎月発行されている「出版月報」の、本稿執筆時点で最新号である2019年4月号に掲載されている。本稿では、この数字がなにを示しているのかを、再確認しよう。

ダウンロード違法化
コラム

「スクショ違法化」ってどういうこと? マンガ家などクリエイターが反対しているのはなぜ? 法学者や弁護士などの緊急声明「海賊版対策に必要な範囲に限定すべき」なのはなぜ?

 いま、海賊版サイト対策を目的とした、著作権法の改正が検討されています。そんな中、「スクショもNG」などといった報道もあり、不安になっている方も多いようです。日本マンガ学会など、クリエイター側からも反対の声が上がっています。さらに、法学者や弁護士などが「海賊版対策に必要な範囲に限定すべき」と緊急声明を出しています。  本稿では、そもそも現行の「ダウンロード違法」とはどういう制度なのか? それがどう […]

文化庁
コラム

著作権の保護と制限の規定がもうすぐ変わる ~ 保護期間延長、非親告罪化、柔軟な権利制限、教育の情報化対応など、まとめて解説

 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11)が発効することにより、「保護期間の延長」「一部非親告罪化」などの権利保護強化を伴う改正著作権法が、12月30日に施行されます。また、今年の5月に成立した改正著作権法には、「柔軟な権利制限規定」「教育の情報化対応」「障害者対応」「アーカイブ利活用」などの権利制限規定が盛り込まれており、一部を除き2019年1月1日に施行されます。本 […]

DAYS NEO
コラム

編集者への評価が可視化された講談社の新マンガ投稿サイト「DAYS NEO」

 講談社の新しいマンガ投稿サイト「DAYS NEO(https://daysneo.com/)」の仕組みを知ったとき、筆者は「やられた!」と思うのと同時に、同社のマンガ編集者たちのことが、ひとごとながら心配になった。どれだけの人が、この仕組みの意味に気づいているか。そして、そのことがもたらす未来が、どのようなものなのか。これはある意味、編集者にとって非常に残酷な仕組みなのだ。

漫画村
コラム

海賊版対策でのブロッキングは是か非か? ── “できうる限りの対策を施してまいりました”と主張する根拠を示せ

 本稿は「出版ニュース」2018年5月上旬号へ寄稿した原稿の転載です。転載にあたって少しタイトルを変えたのと、文字数制限の関係で削った注記を戻してあります。以下、縦書き原稿を横書きに変換してあるのと改行を少し増やしてありますが、3カ所の追記以外の内容・文体は掲載時のまま(常体)です。