「学術系の無料公開も次々」「補償金1年免除で遠隔授業早期実現へ」など、出版業界気になるニュースまとめ #418(2020年3月30日~4月5日)

出版業界気になるニュースまとめ

《この記事は約 12 分で読めます》

 2020年3月30日~4月5日は「学術系の無料公開も次々」「補償金1年免除で遠隔授業早期実現へ」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

【目次】

ポッドキャスト

国内(コロナ在宅対応の無料公開系)

 先週末は忙しくて「無料まとめ」の更新ができなかったため、今回は先週更新した全件を紹介します。傾向として、これまでは小中高校の臨時休校対応が中心でしたが、事態が「大学の授業が開講できない」方向にも広がりつつあり、学術系のものも目立つようになってきています。

碩学舎、大学生向けテキスト「1からシリーズ」電子版を期間限定で無料配信 〜 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(2020年3月30日)〉

 株式会社碩学舎は3月30日、同社の発行する大学生向けテキスト「1からシリーズ」の電子版を期間限定で無料配信することを発表した。新型コロナウイルス感染拡大への対応。 無料配信されるのは、『1からの経営学 第2版』『1からのマーケティング 第4版』など。発行所は碩学舎で、発売元は中央経済社。電子書籍へのマーカーやコメント機能と、ビデオ会議システムなどを併用した、遠隔授業での利用が想定されている。 利用には...

 利用には、碩学舎への教員会員登録が必要です。5月10日までの予定。

皓星社、雑誌記事索引データベース「ざっさくプラス」を期間限定で無料公開 〜 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(2020年3月31日)〉

 株式会社皓星社は3月31日、同社の雑誌記事索引データベース「ざっさくプラス」を期間限定で無料公開することを発表した。新型コロナウイルス感染拡大を受けての対応。 「ざっさくプラス」は、明治期から現在までの雑誌記事索引をデータベース化し、検索、所蔵情報の確認、コピー申込みまでをワンストップで利用できるサービス。通常は、契約図書館を通じて利用する。今回の措置は、臨時休館で図書館を利用できない学生、研究...

 通常は、契約図書館を通じて利用するサービス。図書館、臨時休館だらけになってますから、ありがたいことです。5月31日まで。

【更新】増進堂・受験研究社、参考書「自由自在」シリーズなどを期間限定で無料公開 〜 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(2020年3月12日配信/31日更新)〉

 株式会社増進堂・受験研究社は3月12日、同社の発行する参考書「自由自在」シリーズや問題集「全科の復習テスト」シリーズなど、約40点の電子版を期間限定で無料公開した。新型コロナウイルス感染拡大による臨時休校への対応。 無料公開されたのは「自由自在」「全科の復習テスト」のほか、「新辞典」シリーズ、用語集、復習ワーク、クロスワードなど。公開期間は3月31日までの予定。利用には、申し込みページからの登録が必...

 無料公開期間が4月17日まで延長されされたため、アップデートしました。

学研、4月30日まで「Gakken家庭学習応援サイト」の無料公開を延長 〜 新型コロナウイルス感染拡大で保護者からの継続要望を受け〈HON.jp News Blog(2020年4月1日)〉

 株式会社学研ホールディングスは3月31日、終了予定だった「Gakken家庭学習応援サイト」での電子書籍など学習コンテンツ無料公開を、一部を除き4月30日まで延長することを発表した。新型コロナウイルス感染拡大が収まらず、保護者から「今後も継続して欲しい」という要望が多かったことを受けての対応。 Gakken家庭学習応援サイトの「学研2020年春の応援ライブラリー」では、「NEW日本の歴史」「学研の図鑑LIVE」「10分で読め...

 ベネッセ「電子図書館まなびライブラリー」の無料開放は予定通り終了しましたが、学研の「学研2020年春の応援ライブラリー」は4月30日までに延長されました。

三栄、アウトドアファッション雑誌「GO OUT」の特別編集ムック60点を期間限定で無料公開 ~ 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(2020年4月2日)〉

 株式会社三栄は4月2日、アウトドアファッション雑誌「GO OUT」の特別編集ムック60点を期間限定で無料公開した。新型コロナウイルス感染拡大を受けての対応。 無料公開されているのは、アウトドア好きのためのインテリア「GO OUT Livin'」や、おしゃれキャンパーのスナップが掲載された「THE CAMP STYLE BOOK」、キャンプのための道具カタログ「CAMP GEAR BOOK」など。 無料公開は同社が運営する「ASB電子雑誌書店/デ...

 無料公開期間は4月30日まで。「ASB電子雑誌書店/デジタルライブラリ」の定期配信システムを使っており、会員登録(無料)が必要です。

丸善雄松堂、J-DACで「都道府県統計書データベース」を期間限定で無料公開 ~ 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(2020年4月3日)〉

 丸善雄松堂株式会社は4月2日、同社の運営する人文社会科学系貴重史資料のオンライン配信プラットフォーム「ジャパン・デジタル・アーカイブズ・センター」(J-DAC)で、「都道府県統計書データベース」を期間限定で無料公開した。新型コロナウイルス感染拡大を受け、図書館を利用できない方の研究支援が目的。 J-DACは学術機関向けの有料サービスだが、今回の無料公開は申込み不要で、だれでもアクセスでき、検索、画像の閲...

 学術機関向けの有料サービスですが、5月6日までは誰でも無料でアクセス可能。明治初年から昭和47年までの都道府県統計書約8000冊、統計表約150万件のデジタルアーカイブが利用できます。

JTBパブリッシング、旅行情報誌「るるぶ情報版」200点を期間限定で無料公開 ~ 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(2020年4月3日)〉

 株式会社JTBパブリッシングは4月3日、旅行情報誌「るるぶ情報版」国内・海外版約200点の電子書籍を、期間限定で無料公開した。新型コロナウイルス感染拡大を受け、自宅で“エア旅行”を楽しんでもらうことが目的。 無料公開は、JTBパブリッシングの出版情報サイト「旅の本棚」に掲載されている「るるぶ情報版」の、「試し読み」機能で全ページを公開する形で行われている。会員登録不要で、ブラウザ上からそのまま閲覧できる。...

 無料公開期間は4月26日まで。これは、ゴールデンウィーク前までに、旅に出たい気持ちを醸成しましょう! ということでしょうか。それまでに沈静化するといいのですが。

KADOKAWA、公式サイトの試し読みページを期間限定で増量 ~ 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(2020年4月3日)〉

 株式会社KADOKAWAは4月3日、公式サイトの書籍試し読みページを期間限定で増量することを発表した。新型コロナウイルス感染拡大を受けての対応で、合言葉は「週末はウチで読書しよう!」。 対象は、KADOKAWA刊行の新作や人気タイトルが中心。試し読み可能なページは、30%から100%までタイトルにより異なる。期間は4月4日0時から5月6日まで。参考リンク「週末はウチで読書しよう! 期間限定試し読み30%タイトル!」まとめペ...

 試し読みページを増量。タイトルによって異なりますが、ミニマムでも30%まで読めるようになっています。5月6日まで。

【更新】主婦の友社育児・絵本ユニット編集部、TwitterとInstagramで『頭のいい子を育てる366』シリーズから毎日1コンテンツを配信 ~ 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(2020年3月3日配信/4月3日更新)〉

 株式会社主婦の友社の育児・絵本ユニット編集部は3月3日、TwitterとInstagramの公式アカウントで『頭のいい子を育てる366』シリーズから毎日1コンテンツを配信していくことを発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「コロナ休校」を受けての対応。 主婦の友社 育児・絵本ユニット編集部内の子供の小学校は、最長4月5日まで休校との連絡があったそうだ。夏休みに匹敵する長さの休みをどう過ごすか、4月3日まで毎日1つ...

 配信期間が5月6日まで延長されたため、アップデートしました。

【更新】誠文堂新光社、科学雑誌「子供の科学」バックナンバー1年分などを特設サイトで期間限定無償提供 ~ 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(3月5日配信/4月3日更新)〉

 株式会社誠文堂新光社は3月5日、子供向け科学雑誌「子供の科学」のバックナンバー1年分や「ウイルスについての正しい知識を身につけるための記事」などを、特設サイトで期間限定無料公開した。新型コロナウイルス感染拡大を受けた臨時休校への対応。 無料公開されるのは「子供の科学」2019年1月号から12月号まで1年分の電子版バックナンバーと、特集「ミクロの世界の脅威をあばくウイルスの正体」が掲載された2016年12月号で...

 無料公開期間が5月6日まで延長されたため、アップデートしました。

国内(その他)

カカオジャパン、独占配信していたウェブトゥーン作品を横読み形式に変更して国内電子書店への提供を開始〈HON.jp News Blog(2020年3月30日)〉

 株式会社カカオジャパンは3月30日、これまで同社の「ピッコマ」で独占配信してきた縦スクロールウェブトゥーン作品の一部を、ページめくり横読み形式の電子コミック版に変更し、国内電子書店への提供を開始した。 配信を開始した作品は『俺だけレベルアップな件』(D&C MEDIA)の1巻、2巻。原作はChugong、漫画はDUBU(REDICE STUDIO)、レーベルはpiccomics、電子書籍発行元はカカオジャパン。ウェブトゥーン版はピッコ...

 縦スクロールのウェブトゥーンを横読み変換して展開というのは、同じく韓国系の「comico」が先にやってるやり方です。で、記事を書く際に調べ損ねていたのですが、提供開始された作品『俺だけレベルアップな件』はすでに紙版がKADOKAWAから昨年末に出ており、その電子版をマルチストア配信、ということになるようです。なるほど、出版権の1号2号が別なのか。

HIKKY、VR空間での同人誌即売会「ComicVket 0」を4月10日から12日まで開催 ~ スマホやパソコンからも参加可能〈HON.jp News Blog(2020年3月31日)〉

 バーチャル・リアリティ(VR:virtual reality)表現の企画・制作・プロモーションなどを手がける株式会社HIKKYは3月30日、同人誌即売会「ComicVket 0」を4月10日から12日までVR空間で開催することを発表した。 開催されるのは、ソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」「cluster」「STYLY」内の特設ワールド。ヘッドマウントディスプレイなどのVR機器だけでなく、スマートフォンやパソコンからの参加も可能。来場者は、ワー...

 VR空間でのイベント、2018年からすでに行われていたんですね。知りませんでした。直近のイベントではユーザーの7割が海外からの参加だったそうで、海外でのVRの普及具合と、日本文化への関心の高さが伺えます。

小学館「マンガワン」と白泉社「マンガPark」の相互出張掲載企画「ワン・パーク」4月1日より開始 ~『ベルセルク』などがマンガワンに、『闇金ウシジマくん』などがマンガParkに〈HON.jp News Blog(2020年3月31日)〉

 株式会社小学館と株式会社白泉社は3月31日、それぞれが運営するマンガアプリ「マンガワン」と「マンガPark」のコラボ企画「ワン・パーク」を4月1日から開始し、相互の作品を出張掲載することを発表した。『ベルセルク』など白泉社の作品が小学館のマンガワンに、『闇金ウシジマくん』など小学館の作品が白泉社のマンガParkに掲載される。 掲載スケジュールと掲載作品は以下のとおり。なお、だれでも全話無料で閲覧できるわけ...

 たとえば「LINEマンガ」みたいな複数出版社のコンテンツを載せるのが普通のアプリとは異なり、出版社自身が運営しているアプリで相互出張掲載のコラボというのは珍しいと思い、記事にしました。まあ、一ツ橋グループ内でのコラボと言ってしまえばそうなのですけど。

出版社横断型の定額制サービス「BOOK☆WALKER マンガ・雑誌 読み放題」開始 ~ マンガ誌約60誌、マンガ単行本5000冊以上が対象で月額税別760円〈HON.jp News Blog(2020年4月1日)〉

 株式会社ブックウォーカーは4月1日、出版社横断型の定額制マンガ読み放題サービス「BOOK☆WALKER マンガ・雑誌 読み放題」を開始した。月額760円(税別)で、約60誌のマンガ誌と、ゲーム・アニメ・声優誌10誌、マンガ単行本5000冊以上が読み放題となる。 読み放題の対象雑誌は、KADOKAWAのマンガ誌「少年エース」「コンプエース」「電撃大王」などのほか、芳文社「まんがタイムきらら」、双葉社「月刊アクション」、少年画報...

 別の会員制サービスとして展開されていた「マガジン☆WALKER」を終了、「BOOK☆WALKER」内での読み放題へと切り替わりました。基本は角川文庫・ラノベ読み放題と同じ。「マガジン☆WALKER」とは異なり、読み終わったときSNSなどへシェアできるのが個人的には嬉しいところです。

文化庁、遠隔授業を早期に実現するためのパブリックコメントを実施 ~ 新型コロナウイルス感染拡大を受け通常より短期間の意見募集に〈HON.jp News Blog(2020年4月1日)〉

 文化庁著作権課は4月1日、授業目的公衆送信補償金制度を早期に施行するため「著作権法施行規則の一部を改正する省令案」に関する意見募集(パブリックコメント)の実施を開始した。新型コロナウイルス感染拡大にともなう遠隔教育などのニーズに緊急対応するため、実施期間は4月10日までと通常より短縮されている。 この省令案は、2018年に改正された著作権法で創設された授業目的公衆送信補償金制度において、補償金の徴収・...

 先週のメルマガでも解説した、遠隔授業のための改正著作権法第35条を前倒しで施行するための、省令案へのパブコメです。共通目的事業への支出割合は、2割で良いか? という話。私的録音録画補償金の共通目的事業への支出割合と同じですが、教育目的がそれでいいかどうか。

 で、どうやら危惧していたとおり、施行から1年間は補償金を免除する方向で検討しているようで(↓)、このまま「補填無き格別なご配慮」へと突き進んでしまうのかどうか。教育機関側は大喜びでしょうけどねぇ……。

[メルマガからの転載時に追記:4月28日から制度施行で閣議決定されました。これまでの経緯や新旧制度の違いなどについては、こちらの記事にまとめてあります。]

KADOKAWA、「魔法のiらんど」を小説投稿に特化したサイトへリニューアル〈HON.jp News Blog(2020年4月2日)〉

 株式会社KADOKAWAは4月1日、運営する「魔法のiらんど」を小説投稿に特化したサイトへリニューアルした。ホームページサービス、ブログ、フィーチャーフォン向けサービスなどは同日に終了した。 「魔法のiらんど」は、誰でも簡単に携帯電話対応のホームページを無料で作成できるサービスとして、株式会社ティー・オー・エス(当時)が1999年12月にサービス開始。2006年4月に法人名を株式会社魔法のiらんどへ変更。2005年12月...

 1999年12月にサービスを開始した老舗の大幅リニューアル。当メディアの過去記事に、ケータイ小説時代の記録が意外と少なくて、事実確認をしながらこれまでの経緯をまとめるのは、結構大変でした。Internet Archiveさまさまです。なお、記事に書きそびれた(リリースが後から届いた)のですが、このリニューアルは「カクヨム」でもタッグを組んでいる、はてなが支援しているそうです。

一般文芸特化型の小説投稿サイト「ステキブンゲイ」がオープン〈HON.jp News Blog(2020年4月2日)〉

 小説家の中村航が代表をつとめるステキコンテンツ合同会社は3月30日、一般文芸特化型の小説投稿サイト「ステキブンゲイ」をオープンした。 ステキブンゲイは「ファンタジー系のライトノベルではなく、いわゆる“一般文芸作品”がメインです」としている。一般文芸作品の投稿を募り、プロやアマチュアなど関係なく活躍できる舞台を提供していくとのこと。 オープンと同時に、ステキコンテンツの代表であり小説家の中村航、河邉...

 小説家の中村航さんが代表の投稿サイトです。ラノベではなく一般文芸がメインであること、プロが連載を開始していること、出版社ともすでに提携していることなどが特徴になっています。

名古屋COMITIA実行委員会・メンバーズ、「名古屋コミティア56」開催中止を発表 〜 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(2020年3月30日)〉

 名古屋COMITIA実行委員会・メンバーズは3月28日、名古屋国際会議場イベントホールで4月12日に開催予定だった「名古屋コミティア56」の中止を発表した。新型コロナウイルス感染拡大を受けての対応。 次回は「名古屋コミティア57W」として11月29日に開催予定。名古屋コミティア56にスペースを得ていたサークルは、スライドで名古屋コミティア57Wにスペースが確保できている状態となり、優先的に参加できる。 そのまま名古屋コ...

コミティア実行委員会、「COMITIA132extra」開催中止を発表 〜 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(2020年4月2日)〉

 コミティア実行委員会は4月1日、東京ビッグサイト青海展示棟で5月17日に開催予定だった「COMITIA132extra」の中止を発表した。新型コロナウイルス感染拡大を受けての対応。 サークル参加費は、別の回への振替や返金などを選択できるようにする予定。詳細は、4月17日を目処に、申込時に記入したメールアドレスへ通知される。サークル参加の当落発表前に中止が確定したため、申込をした全てのサークルに一律の対応となるが、申...

関西コミティア実行委員会、「関西コミティア58」開催中止を発表 〜 新型コロナウイルス感染拡大を受け〈HON.jp News Blog(2020年4月3日)〉

 関西コミティア実行委員会は4月2日、インテックス大阪2号館で5月24日に開催予定だった「関西コミティア58」の中止を発表した。新型コロナウイルス感染拡大を受けての対応。 サークル参加費は、今後開催される関西コミティアへの振替、もしくは返金を予定している。詳細は、4月26日までに、申込時に記入したメールアドレスへ通知される。なお、申込締切の3月2日までにキャンセルの手続きを行ったサークルは除かれる。 5月上...

 先週の文フリ中止、コミケ中止に続き、コミティアも三大都市すべてが中止に。リアルイベント系は、ほんと厳しい状況になってしまっています。ああ……。

ビューン、正規版の無料マンガを紹介するサービス「無料マンガまとめ速報 フリービューン」を開始 ~ ebookjapan、コミックシーモア、BookLive!と連携〈HON.jp News Blog(2020年4月3日)〉

 株式会社ビューンは4月3日、正規に無料で閲覧できる電子マンガを自動収集・紹介するサービス「無料マンガまとめ速報 フリービューン」を開始した。 このサービスは、連携電子書店から1日2回作品情報を取得し、朝夕に配信する仕組み。フリービューンは会員登録不要で利用できるが、閲覧ページは連携電子書店内となる。現在は「ebookjapan」「コミックシーモア」「BookLive!」の3店と連携している。連携書店は今後増やしていく...

 ビューンが「まとめサイト」のようなことをするのかと少し驚いたのですが、要するに提携電子書店の無料情報を自動取得して配信しますよ、という話。なるほど。たとえば「ABJマーク貼ってるところだけ紹介します」という形にすれば、正規版の訴求にもなりますね。連携先をもっと増やして欲しいところ。ただ、アプリのみで展開しているところは、連携できないという課題も見えます。

海外

インターネット・アーカイブの無料電子書籍貸し出しに著者団体が抗議〈HON.jp News Blog(2020年4月2日)〉

 世界中の各都市で、新型コロナウイルス(COVID-19)によるロックダウンが実施され、学校や図書館が閉鎖する中、サンフランシスコを拠点とするインターネット・アーカイブ(Internet Archive)は先月24日、140万冊のEブックが読める「National Emergency Library」(国立緊急図書館)をオープンし、6月末までをめどに、ユーザーが1人10冊まで借りて読むことができるようにした。だが、著者を代表する団体が反対の声を上げてい...

 第一報を見たときは「おお! すごい」と思いましたが、ユーザーは喜ぶけど、著者は怒るパターン。「Google Printの時を思い出す」という声も。なるほど、確かに。ちなみにGoogle PrintのちのGoogle Book Search、現在のGoogle Booksは、著者団体から訴えられ裁判になりましたが、最終的にはフェアユースだと認められています。今回は、どうなるでしょうね?

メルマガについて

 本稿は、HON.jpメールマガジンに掲載された内容を、1週間遅れで掲載しております。最新情報を入手したい場合は、ぜひメルマガに登録してください。無料です。

CC BY-NC-SA 4.0
CC BY-NC-SA 4.0

※本稿はクリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際(CC BY-NC-SA 4.0)ライセンスのもとに提供されています。

広告

著者について

About 鷹野凌 736 Articles
HON.jp News Blog 編集長 / NPO法人HON.jp 理事長 / 明星大学デジタル編集論非常勤講師 / 二松學舍大学エディティング・リテラシー演習非常勤講師 / 日本出版学会理事 / デジタルアーカイブ学会会員 / 著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)など。
タグ: / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / /