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2019年5月13日~19日は「カドカワがKADOKAWAに商号変更」「チャット小説アプリpeepリリース1年半でプレミアム会員1万人を突破」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。
国内
チャット小説アプリ「peep」がリリース1年半でプレミアム会員1万人を突破 ~ 運営会社taskeyは2.7億円を追加調達
https://hon.jp/news/1.0/0/24624
月額960円×1万人超。私が観測している限りで、日本でこのようにチャットノベルの実績数字が公表されたのは初めてではないかと。アメリカでは日本のコミック並みに売れていると数年前から話題になっていたわけですが、ついに日本でも軌道に乗り始めたようです。ケータイ小説と同様、ふつうの文字読みとは異なる層がターゲットになっているものと思われます。
講談社「コミックDAYS」アプリ版の開発担当がはてなに移行 ~ 1日1話無料で読めるチケット機能が導入
https://hon.jp/news/1.0/0/24668
グッドパッチがアプリ版、はてながウェブ版を担当していたのが、どちらもはてなが担当することに。そのいっぽうで、「ジャンマガ学園」はボイジャーが担当しており、ビューアの勢力争いが激しくなっている感があります。
Marie Kondo tidies up her Japanese publisher
https://hon.jp/news/1.0/0/24673
近藤麻理恵氏が版元を変更した件を、英語ニュースにしてもらいました。欧米圏では、人気著者が版元を変更するのはあまりない事例だそうです。
カドカワがKADOKAWAに商号変更、純粋持株会社から事業持株会社に
https://hon.jp/news/1.0/0/24690
先行他社の記事を読んで「つまりどういうことなんだよ!?」と困惑している人を何人も見かけたので、時系列で変遷をまとめる形の記事にしてみました。要するに、最初はドワンゴとKADOKAWAが対等な立場で経営統合するために持株会社を作ったのが、ドワンゴの業績悪化で体制変更(KADOKAWAの子会社化)する流れの中で、3カ月間だけ移行措置がとられた、と考えるとスムーズです。
インプレスR&D、「著者向けPOD出版サービス」をアップデート ~ ISBN利用書籍のアマゾン「なか見!検索」利用を選択可能に[訂正有]
https://hon.jp/news/1.0/0/24700
初出時、「なか見!検索」の利用が新たに可能となったような書き方をしてしまいましたが、今回追加されたのは「なか見!検索」を利用しない選択で、ISBN付き書籍は以前から「なか見!検索」に対応していました。申し訳ありません。[訂正有]といたしました。
弁護士ドットコム、GoogleやYouTubeでの著作権侵害調査と削除申請を簡単に行えるツールを提供開始
https://hon.jp/news/1.0/0/24709
リリースには「DMCAや国内法に準拠した手続きに従って」とあったので、アメリカ・日本以外はどうなっているのか? と問い合わせてみたら、現時点ではGoogleとYouTubeのみ対応でした。「国内法に準拠」というのは、プロバイダ責任制限法ではなく、弁護士法のことでした。もちろんそれでも、こういった取り組みが意義深いことは確かなのですが。
CAMPFIREと幻冬舎の共同出資会社が出版特化型クラウドファンディングサービス提供開始
https://hon.jp/news/1.0/0/24716
1号案件は記事を公開した時点ですでに達成していました。なお、出版特化型クラウドファンディングには先行事例として、2013年12月に「GREEN FUNDING」のワンモアと大日本印刷が始めた「ミライブックスファンド」があります。いまは「ミライメイカーズ」と名前を変え、出版に限らず、オリジナルコンテンツの制作開発や関連イベント開催なども受け付けています。また、ワンモアは2015年7月にCCCグループと資本業務提携し、「GREEN FUNDING by T-SITE」になっています。
ホビージャパンの新小説サイト「ノベルアップ+(プラス)」が事前登録開始、正式オープンは7月中旬
https://hon.jp/news/1.0/0/24743
また出版社系から、新しい小説投稿サイトが登場。やや乱立気味になってきましたが、新人賞レースや雑誌連載に代わる新人発掘手法と考えると、出版社としては自社でこういう手段を持っておきたいというのは理解できます。
Publisher cancels paperback re-issue of author critical of its bestseller
https://hon.jp/news/1.0/0/24752
津原泰水氏と幻冬舎の件、英語ニュースにしてもらいました。一般論として、出版社が「こんなに売れてないんだ」と、発行部数&実売部数を著者の同意なしで公知のものにするのは、守秘義務違反になりそうな気がします。また、それは業界慣習の問題でもないように思います。あと、売れてないのは著者というより、出版社の責任のような……?
海外
アメコミ小出版社2社が合併で生き残り対策を模索
https://hon.jp/news/1.0/0/24629
当たり前のようですが、アメコミも、ゲームや映画などメディアミックスで展開して収益拡大を図るモデルなのですね。日本で講談社の傘下に入った一迅社のように、大手の庇護下に入るという選択肢はないのでしょうか? 独自色が薄れちゃうのを危惧?
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