アメコミ小出版社2社が合併で生き残り対策を模索

《この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です》

 アメリカではコミックのマーベル・コミックス社とDCコミックスの寡占市場が続くなか、インディペンデントと呼ばれる中小コミック出版社は統合するなどして新しい生き残り策を探っていると、ニューヨーク・タイムズが伝えた。

 ライオン・フォージとオニ・プレスはアニメや映画など、他のメディアに取り上げられる機会を増やそうと、両社のオリジナルキャラクターを強化できるとしている。他の出版社も、読者への直販や、次々に読めるストーリー展開、雑誌型のフォーマットなどで実験しており、クリエーターへの報酬が多くなるオファーも試され始めた。

 コミックはそのキャラクター次第でスマホのゲームから大型予算の映画まで、様々なプラットフォームで広がるコンテンツとされている。興行2週間で20億ドルのチケットを売り上げたマーベルの22作目の映画『アベンジャーズ:エンドゲーム』や、AMCからドラマ化された『ウォーキング・デッド』などメジャーなものから、ダークホース・コミックスが崩壊した家族がヒーローになる『The Umbrella Academy』や、アーチー・コミックスの魔法使いのティーンエイジャーが活躍する『The Chilling Adventures of Sabrina』などがある。

 こういった他メディアへの進出で、2018年のコミック産業の総売上は8000万ドル上昇した。合弁会社はオニ・プレスのあるオレゴン州ポートランドを本拠地とし、映画やテレビのコンテンツを作るべく早速アニメーション・スタジオを結成したと発表した。

 もっとも、こういった合併はリストラを伴うので、人員削減対策でしかないという批判もある。

参考リンク

ニューヨーク・タイムズの記事 
https://www.nytimes.com/2019/05/08/business/lion-forge-oni-merger.html
フォーブス誌の記事
https://www.forbes.com/sites/adamrowe1/2019/05/09/what-the-oni-presslion-forge-merger-says-about-the-shifting-comic-book-industry/#6139cf44e630
コミックニュースサイトTHE BEATの記事
https://www.comicsbeat.com/more-details-lion-forge-oni-press-merger/

HON.jp 個人協賛/企業協賛募集中! 特典など詳細はこちら

スポンサードリンク

About 大原ケイ 165 Articles
NPO法人HON.jp 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。

コメントする

avatar
400
タグ: /

関連記事