《この記事は約 3 分で読めます(1分で600字計算)》
アメリカではコミックのマーベル・コミックス社とDCコミックスの寡占市場が続くなか、インディペンデントと呼ばれる中小コミック出版社は統合するなどして新しい生き残り策を探っていると、ニューヨーク・タイムズが伝えた。(2019年6月27日:末尾に更新情報)
ライオン・フォージとオニ・プレスはアニメや映画など、他のメディアに取り上げられる機会を増やそうと、両社のオリジナルキャラクターを強化できるとしている。他の出版社も、読者への直販や、次々に読めるストーリー展開、雑誌型のフォーマットなどで実験しており、クリエーターへの報酬が多くなるオファーも試され始めた。
コミックはそのキャラクター次第でスマホのゲームから大型予算の映画まで、様々なプラットフォームで広がるコンテンツとされている。興行2週間で20億ドルのチケットを売り上げたマーベルの22作目の映画『アベンジャーズ:エンドゲーム』や、AMCからドラマ化された『ウォーキング・デッド』などメジャーなものから、ダークホース・コミックスが崩壊した家族がヒーローになる『The Umbrella Academy』や、アーチー・コミックスの魔法使いのティーンエイジャーが活躍する『The Chilling Adventures of Sabrina』などがある。
こういった他メディアへの進出で、2018年のコミック産業の総売上は8000万ドル上昇した。合弁会社はオニ・プレスのあるオレゴン州ポートランドを本拠地とし、映画やテレビのコンテンツを作るべく早速アニメーション・スタジオを結成したと発表した。
もっとも、こういった合併はリストラを伴うので、人員削減対策でしかないという批判もある。
参考リンク
ニューヨーク・タイムズの記事
https://www.nytimes.com/2019/05/08/business/lion-forge-oni-merger.html
フォーブス誌の記事
https://www.forbes.com/sites/adamrowe1/2019/05/09/what-the-oni-presslion-forge-merger-says-about-the-shifting-comic-book-industry/#6139cf44e630
コミックニュースサイトTHE BEATの記事
2019年6月27日更新情報
生き残り策として合併を選んだアメコミ出版社のオニ・プレスとライオン・フォージだったが、ダブついたとされる部署で解雇された従業員に、女性や、LGBTやマイノリティーの編集者、身体障害者らが含まれていたことから、批判が高まっている。ライオン・フォージは2011年に2人の黒人男性が始めた出版社でダイバーシティーを謳っていたが、今回の合併ではオニ・プレスが経営の主導を握る形となった。
参考リンク
デイリー・ビースト(政治やポップカルチャーに強いオピニオンニュースサイト)の記事