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2019年12月2日~8日は「角川文庫・ラノベ読み放題サービス開始」「英でオーディオブックがEブックを追い抜く予想」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。
国内
ショッピングサイト決済時だけ偽画面 クレジット情報を盗む〈NHKニュース(2019年12月2日)〉
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191202/k10012198271000.html
記事を読んだら「被害は東京の電子書籍販売会社(略)など主に中小企業のサイトで起きています」という記述があり「げっ」と思ったのですが、「去年半ばから被害が相次いでいる手口」とあるので、恐らく昨年10月に発生した「DLmarket」の件だと思われます(今年の6月にサービス終了↓)。
サイバーセキュリティー団体日本サイバー犯罪対策センターの注意喚起はこちら(↓)の「4. ECサイト改ざんによる手口」でしょう。サイト改ざんなので、消費者側では防ぎようがありません。
EC-CUBEの2系バージョンという古い決済システムを利用し続けているECサイトが改ざんされ、クレジットカード情報が窃取されている、というものです。古い決済システムを使い続けているECサイトの運営会社は早急に対策を。
ボイジャー、学校向け電子出版物制作・共有サービス「Romancerクラスルーム」を工学院大学附属中学校・高等学校に提供〈HON.jp News Blog(2019年12月2日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/27168
記事公開後、ボイジャーへ行ってデモを見せてもらいました。私もデジタル出版系の授業で「Romancer」を使っているので、興味津々でした。私の授業では現状、学生が制作したEPUBファイルの完成版は、LMSで提出させて共有するスタイルなのですが、学生間での共有や、過去年度の制作物をアーカイブを考えると、追加された共有機能や学内公開機能はなかなか使えるかも、という感じがしました。問題は、半期だけの授業のために、大学が導入してくれるかどうか。中学高校の授業だと毎年安定した人数で継続利用することになると思うのですが、大学は選択科目だと履修人数が安定しないのがネックかも。
インプレスR&D、賞金総額200万円の「ネクパブPODアワード2020」応募受付を開始 ~ 3回目は著者向けPOD出版サービスを利用しAmazon PODで出版した「人」が対象〈HON.jp News Blog(2019年12月2日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/27182
過去2回は、開催前1年間に出版している作品が対象だったのですが、今回は過去にAmazon PODで出版した「人」すべてが対象になります。
デジタルより紙派は書籍で7割以上、マンガ・雑誌は6割以上 ~ 日本製紙連合会調査〈HON.jp News Blog(2019年12月2日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/27174
リリース初見時、日本製紙連合会の調査ということで、サンプルが紙派に偏っているのではないかという疑念がありました。問い合わせたところ、ランダムサンプリングですとの回答だったので、問題なさそうだと判断、記事化しました。調査概要に「インターネット調査」とだけ書いてあると、正直、警戒します。
KADOKAWAとブックウォーカー、小説やライトノベルの読み放題サービス「角川文庫・ラノベ読み放題」提供開始〈HON.jp News Blog(2019年12月4日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/27232
1万点以上が読み放題で、月額760円(税別)。1月31日までは無料で試せます。人気シリーズは1巻だけ、というパターンも多いようですが。KADOKAWA以外の出版社や、KADOKAWAでも各編集部はもちろん、著者の許諾を改めてとる必要があるのが大変な労力だろう、というのは想像がつきます。交渉しながらだんだん広げていくのでしょうね。
ジャストシステム、連想変換と推測変換を強化した「ATOK for Windows」を2月1日公開、「一太郎2020」は2月7日から販売、スマホメモアプリ「一太郎Pad」は2月7日から配信〈HON.jp News Blog(2019年12月4日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/27221
取材&現地から更新しました。新登場のスマホアプリ「一太郎Pad」は、写真内のテキストを自動抽出してWi-Fi経由で一太郎へ転送できるそうです。「Office Lens」のジャストシステム版、といったところでしょうか。ATOKの推測変換・連想変換のデモも見ましたが、なかなか使えそうで、アップデートが楽しみです(ATOK Passportユーザー)。
アイヒマンであってはならない〈マガジン航(2019年12月6日)〉
https://magazine-k.jp/2019/12/06/editors-note-49/
書店員に限らず、与えられた仕事をただ単にこなすだけの「作業員」に陥ることは、ままあるように思います。私も20代のころ、月2回刊のちに週刊化した雑誌の制作をやっていましたが、ただひたすら目の前の業務を回す「作業員」に堕していたなあ、と。
熊本市電子図書館を開設 児童書、文学…5000点 スマホで手軽〈熊本日日新聞(2019年12月6日)〉
https://this.kiji.is/575490579935872097?c=491375730748638305
TRCのサイトに導入事例が載っていました。つまり、TRC-DLの採用です。本の購入費とシステム構築費などで、初期費用が1250万円とのこと。なるほど、首長が積極的じゃないと、難しそう。
海外
【更新】ノーベル文学賞の外部審査員が2人辞任〈HON.jp News Blog(2019年12月3日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/27189
ペーター・ハントケ氏のノーベル文学賞受賞が波紋を呼んでいるようです。1人は無関係との見解ですが、もう1人は「文学は政治と関係ない」としたアカデミーの見解に賛成できなかった、という辞任理由を述べているとのこと。大原ケイ氏がnoteに、なぜペーター・ハントケ氏の受賞が批判されているのか? の解説記事を書いていますのでこちらも参考に(↓)。
カナダの書籍チェーン店CEOがアマゾンを批判、米進出は保留〈HON.jp News Blog(2019年12月4日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/27218
競合他社に対する苛烈な戦略も、サプライヤーに対する冷酷かつ厳しい締め付けも、アマゾンが掲げている「地球上で最も顧客第一主義の会社」というビジョンで説明できる……のですが、最近の偽レビューの氾濫ぶりやマーケットプレイスの偽商品の跋扈ぶりを見ていると、とうとうそのビジョンすらどこかに置き忘れたか、という気がしてなりません。
イギリスでオーディオブックがEブックを追い抜く予想〈HON.jp News Blog(2019年12月5日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/27248
これはすごい。いずれ日本もそうなるのでしょうか?
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