「日経電子版有料会員は76万超」「#TikTokでニュース」「キャンセル・カルチャー問題」など、出版関連気になるニュースまとめ #435(2020年8月2日~8日)

出版関連気になるニュースまとめ
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 2020年8月2日~8日は「日経電子版有料会員は76万超」「#TikTokでニュース」「キャンセル・カルチャー問題」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版関連ニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

国内

角川武蔵野ミュージアムがプレオープン 美術館や図書館を融合「連想楽しむ見たことない組み合わせを」〈埼玉新聞(2020年8月2日)〉

https://this.kiji.is/662460760873190497?c=491375730748638305
 プレオープン。1階のマンガ・ラノベ図書館とギャラリー、2階のカフェが利用できますが、3階から上がまだ開いていないようです。自宅から電車とバスで1時間くらいなので、いちど物見遊山に行ってみようと思います。グランドオープンは11月6日の予定です。

日本経済新聞社 日経本紙・電子版購読数は283万、電子版有料会員は76万超〈文化通信デジタル(2020年8月3日)〉

https://www.bunkanews.jp/article/220666/
 日本のニュースメディアで有料会員数が(恐らく)最も多い日経電子版で76万人で、紙の3分の1といったところ。2月に70万人突破というリリースがあったので、コロナ禍以後順調に増えているのは間違いないようです。ただ、本紙とのバンドル契約であるWプランがどれくらいなのかが気になるところ。ちなみに、1年前の日経本紙・電子版購読数は298万8000、デジタル購読数(電子版有料会員数+専門紙ビューア契約数)は72万3000でした(↓)。本紙の減り方が、けっこうえげつない。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO47416390X10C19A7CR8000/

TikTok、国内外の大手メディアと協力して「#TikTokでニュース」を提供開始・・・正確で信頼できるニュースを配信〈Media Innovation(2020年8月3日)〉

https://media-innovation.jp/2020/08/03/tiktok-launches-news-with-tiktok/
 TikTokに朝日新聞、毎日新聞、共同通信、時事通信などの公式アカウントが登場。動画でのニュース配信を開始します。このニュース、アメリカでトランプ大統領がTikTok禁止うんぬんと騒ぎ始めた直後のことでした。日本でも7月末に、自由民主党が中国発のアプリ利用を制限するよう政府に提言する方針を固めたというニュースがあり(↓)、そういった政治的な動きとの対比が興味深い。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200728-OYT1T50078/

 TikTokは、日本の利用者数は950万人(2018年12月時点からアップデートされていない……)。若い女性に偏っているようです。2016年発売の小説『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(汐見夏衛/スターツ出版)が、TikTokの投稿動画がバズって急に売れたなんていう話題もあり(↓)、マーケティング的にも注視しておきたいところです。
https://hon-hikidashi.jp/more/110045/

小型決済端末「Square Reader」、Suicaなど主要電子マネーに対応〈マイナビニュース(2020年8月5日)〉

https://this.kiji.is/663629920145474657?c=491375730748638305
 Suicaを始めとする交通系の非接触式カードは、ユーザーの利用は非常にラクですが、小売店側の導入コストが高いという障壁がありました。Square Readerは7980円。HON.jpでは、以前行われていたキャンペーンで無料入手、イベント開催時に物販のレジとして活用してきました。同人誌即売会などでも活用できる良い端末と思うのですが、この状況下だと……ちょっとタイミングが悪い感。なお、電子マネーは無条件で利用できるわけではなく、有効化の申請と承認が必要です。

2019年度は約2億3千万件の広告素材が非承認に ヤフー「広告サービス品質に関する透明性レポート」を公開〈AdverTimes(2020年8月6日)〉

https://www.advertimes.com/20200806/article320819/
 1年間で2億3千万件が非承認という数字が凄まじい。広告素材って規制をかいくぐろうと、スレスレな表現を使ってくる場合も多いのです。広告プラットフォーム側でこれだけしっかり対処してくれていると、メディア側としてもそれなりに安心して利用できるでしょう。この透明性レポートは今回が初めての公開とのことですが、継続的に出して欲しいし、他のプラットフォームも見習って欲しいところ。広告主の価値を棄損するメディアに載ってしまう問題というのもありますが、メディアの価値を棄損する広告についても、もっと問題視されて欲しいところです。

海外

ニューヨーク・タイムズ、歴史上初めてデジタル売上が印刷を上回る…サブスクリプションは650万件に到達〈Media Innovation(2020年8月5日)〉

https://media-innovation.jp/2020/08/05/nytc-q2-result/
 ニューヨーク・タイムズはついに、売上額でプリントとデジタルが逆転。デジタルのみで570万件、プリント版とのバンドルで650万件。つまり、バンドル契約は80万件程度です。前述の日経電子版76万人と比べると、9倍近い数字になっています。とくにコロナ禍以降の伸びが凄まじいことになっているようです。

キャンセル・カルチャーは言論の自由を損なう脅威か、過剰なポリティカル・コレクトネスか〈HON.jp News Blog(2020年8月5日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/29704
 大原ケイさんのコラム。キャンセル・カルチャーは、ネットで攻撃対象となった作家などの、作品をも攻撃とすることによって、キャリアを傷つけ生活の糧を奪う現象のこと。これに対し、ハーパーズ・マガジンで公開され多くの著名人も署名している手紙が話題になっているそうです。

 日本では数年前、『二度目の人生を異世界で』の作者が過去の差別発言が掘り出されて炎上、アニメ化が決まっていたのが中止されたり、作品も出荷停止になったり、という事件がありました(↓)。
https://www.sankei.com/entertainments/news/180626/ent1806260001-n1.html

 2年経ってますが、紙はいまだ出荷停止のまま(電子版・コミカライズ版は売ってる)、続刊も出ていない状態です。「小説家になろう」で作者が「お察しください」とコメントしていました。消費者がボイコットするカルチャーと、パブリッシャーが流通を止めてしまうのとは、ちょっと状況が異なるかもしれませんが。

ブロードキャスティング

 毎週日曜日21時から配信する、30分間のライブ映像番組。上記のニュース紹介や解説をゲストとともに、より掘り下げた形でお届けしています。8月10日のゲストはライターの古田靖さんでした。

 次回、8月23日のゲストは編集者の西野由季子さんです。配信終了後はZoom交流会もあります。詳細や申込みは、Peatixのイベントページから。

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CC BY-NC-SA 4.0
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著者について

鷹野凌
About 鷹野凌 524 Articles
HON.jp News Blog 編集長。NPO法人HON.jp 理事長。明星大学/二松學舍大学/実践女子短期大学の非常勤講師で、デジタル編集論/表象メディア演習/デジタル出版論/デジタル出版演習を担当。出版学会員/デジタルアーカイブ学会員。主な著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)。アイコンは©鈴木みそ氏
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