「電子図書館TRC-DLの4月貸出実績前年同月比423%」「書店向けBooksPROスマホ版と出版社向けBooksPRO Compact」など、出版関連気になるニュースまとめ #424(2020年5月18日~24日)

出版関連気になるニュースまとめ
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 2020年5月18日~24日は「電子図書館TRC-DLの4月貸出実績前年同月比423%」「書店向けBooksPROスマホ版と出版社向けBooksPRO Compact」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版関連ニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

国内

遠隔複写サービス受付再開〈国立国会図書館(2020年5月18日)〉

https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2020/200518_01.html
 遠隔複写サービスを5月20日から再開。私の周囲で、再開を待っていた方が何人もいました。ありがたい。なお、来館サービスの休止は、6月10日まで延長です。

オンライン朗読、著作権の壁 図書館には許可する動きも〈朝日新聞デジタル(2020年5月18日)〉

https://www.asahi.com/articles/ASN5L662VN5LUTIL020.html
 非営利無償の口述は権利が制限されるけど、公衆送信権には及ばないという境界線の話。私は以前も書いたとおり、ニーズがあるんだから「オフィシャルでやるのが吉」という意見です。フレーベル館は、すでに公式配信に取り組んでいるのですね(↓)。

公共図書館「電子書籍貸出サービス」実施図書館は91館に〈電流協(2020年5月18日)〉

https://aebs.or.jp/Electronic_library_introduction_record.html
 4月1日時点。まだ、じわじわと増えている、くらいな感じ。でも、コロナ禍でニーズに気付いた首長も多そうだから、今年は一気に増えるのでは。

「図書館の本をアルコールや日光で消毒しないで」投稿が話題…利用者がするべき感染予防を協会に聞いた〈FNNプライムオンライン(2020年5月19日)〉

https://this.kiji.is/635308814461240417?c=491375730748638305
 不特定多数が触れるもの……とはいえ、口に入れるものではないので、本に触る前後でちゃんと手を洗えば大丈夫そうではあります。

Amazon、電子書籍リーダー「Kindle」を容量倍の8GBにリニューアル。旧モデルは3,000円オフ〈PHILE WEB(2020年5月19日)〉

https://this.kiji.is/635367393695515745?c=491375730748638305
 昨年は最廉価モデルにもフロントライト搭載という大きな変化がありましたが、今年は容量増のみ。しかし価格据え置きはすごい。旧モデル3000円オフもすごい。

TRC電子図書館サービス 4月貸出実績が前年同月比423%、貸出数は6万7000件に〈文化通信デジタル(2020年5月19日)〉

https://www.bunkanews.jp/article/217570/
 巣ごもりによって需要が喚起されました。凄まじい伸び。もっとも、導入先図書館281館で割ると、1館あたり月間238件ということに。日本図書館協会の統計(↓)によると、2019年の公共図書館での個人貸出総数は6億8421万5000件なので、3303館12カ月で割ると、1館あたり月間1万7262件。比べてしまうと……ろいう感じです。まあ、まだまだこれからですね。もっともっと認知広がれー!

スマホ版「BooksPRO」が6月5日にスタート、出版社向け「BooksPRO Compact」もリリース〈文化通信デジタル(2020年5月21日)〉

https://www.bunkanews.jp/article/217703/
 スマホ版の開始で書店員が情報を受け取りやすくなるのと同時に、出版社側でも自社で入力した情報が「BooksPRO」でどのように配信されているかを確認できるようになります。いろいろ整ってきた感。

3団体から読み聞かせ等の許諾回答が寄せられました〈日本図書館協会(2020年5月21日)〉

http://www.jla.or.jp/home/news_list/tabid/83/Default.aspx?itemid=5312
 日本文藝家協会など3団体が、読み聞かせ等の時限許諾回答。4月24日に要望が出た際、私は「権利者側がこれを受け、今後どのような対応をするか、注目です」と書いたのですが(↓)、正直、期待はしてませんでした。まさか許諾回答が出るとは。おみそれしました。

COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/05/21)について〈saveMLAK(2020年5月21日)〉

https://savemlak.jp/wiki/saveMLAK:%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9/20200523
 休館率は、カーリル調査の46%(4月9日)から、saveMLAK調査の57%(4月17日)、88%(4月24日)、92%(5月7日)、69%(5月16日)、そして今回の47%と推移しています(日付はいずれも発表日)。

「重版を書店に伝達するよりも先にSNSで告知するのはやめて」という書店員に同意多数! 「ファクスやメールで連絡して」「客に迷惑になるしクレームにつながる」〈ガジェット通信(2020年5月23日)〉

https://getnews.jp/archives/2552322
 この発言や対応の是非はさておき、今年の3月に始まったばかりの「BooksPRO」にはちゃんと出版社から書店へ重版情報を伝達する機能がある(↓)ので、ちゃんと活用されるようになるといいな、と思いピックアップしました。書誌情報がISBNベースなので、雑誌はまだこれからという課題は残っているようですが。

海外

グーグル独占禁止違反問題、テキサス州などが年内に提訴も=関係者〈ロイター(2020年5月18日)〉

https://this.kiji.is/634893006370309217?c=491375730748638305&
 夏には司法省も訴追に動くようです。マイクロソフトが司法省に訴えられ、一審でOS会社とアプリ会社に分割する命令が出た(上訴しのちに和解)のを思い出します。Googleを分割するとしたら、出稿側(Ads)と媒体側(AdSense)? さてどうなるか。

中国で広がる「インターネット朗読」 オーディションに2万人、35万人が契約〈AFPBB News〉

https://www.afpbb.com/articles/-/3283488
 HON.jpでも何度か取り上げた、喜馬拉雅=Ximalaya(シマラヤ)の話。ちゃんと出版社や権利者団体とパートナーシップを結んで進めているそうです。いいですね。

ポッドキャスト

 運営体制変更に伴い、しばらくお休みし、企画を練り直します。

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CC BY-NC-SA 4.0
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※本稿はクリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際(CC BY-NC-SA 4.0)ライセンスのもとに提供されています。
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著者について

About 鷹野凌 829 Articles
NPO法人HON.jp 理事長 / HON.jp News Blog 編集長 / 日本電子出版協会 理事 / 日本出版学会理事 / 明星大学 デジタル編集論 非常勤講師 / 二松学舍大学 編集デザイン特殊研究・ITリテラシー 非常勤講師 / デジタルアーカイブ学会 会員 / 著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)など。
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