「TRCの電子図書館3月の貸出前年比255%と急増」「全国の図書館休館率88%に」など、出版業界気になるニュースまとめ #421(2020年4月20日~26日)

出版業界気になるニュースまとめ

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 2020年4月20日~26日は「TRCの電子図書館3月の貸出前年比255%と急増」「全国の図書館休館率88%に」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

【目次】

ポッドキャスト

国内

新型コロナによる出版社の営業対応公開 出版アナリスト・湯浅氏が独自に収集〈ほんのひきだし(2020年4月20日)〉

17日現在で出版社68社の営業概況をまとめており、それによると、確認できなかった6社を除く62社で、全従業員もしくは一部従業員を対象に在宅勤務を導入していることが分かった。「原則全従業員を在宅勤務」としている社は半数近い32社。希望者や編集部のみ在宅勤務とする社や、輪番制・交代制で出社人数を制限している社などが28社。

 本稿執筆時点で、出版社情報448社がまとまっています。すごい!

TRCの電子図書館サービス 3月の貸出実績が前年比255%に増加〈文化通信デジタル(2020年4月22日)〉

 図書館流通センター(TRC)は4月20日、公共図書館などに提供している電子図書館サービスの3月貸出実績が前年比255%と大きく増加したと発表した。新型コロナウイルスの影響により2月中旬以降、臨時休館…続き

 利用急増、普及促進という意味で喜ばしいです。まだ「こういう図書館サービスもある」ことが認知されていないのが現状ですもんね。

ネット購入で休業書店を支援 ポプラ社が「e-hon」加盟店向けに施策開始〈文化通信デジタル(2020年4月24日)〉

   ポプラ社は緊急事態宣言下で休業に追い込まれている書店への支援策として、4月22日からトーハンのECサービス「e-hon」の加盟書店を対象に、ネットで販売した同社商品の売り上げの20%を…続き

 トーハン「e-hon」の「My書店」システムを利用し、休業している書店にも報奨金で還元する試み。なるほど、そういうやり方もアリですね。

COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/04/23)について〈saveMLAK(2020年4月24日)〉

saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。4月22日から4月23日にかけて実施した第3回目の調査結果を発表します。今回の調査では、新しい形態でサービスを継続する取り組みが広がっていることを受けて、継続するサービスに関する統計を拡充したほか、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の各都道府県での図書館への適用状況についても調査しました。

 緊急事態宣言が全国に拡大したことで、図書館の休館も全国へ波及。4月23日時点で休館率は88%という状況になっているそうです。

新型コロナウィルス感染症に係る図書館活動についての協力依頼〈公益社団法人日本図書館協会(2020年4月24日)〉

 日本図書館協会が日本書籍出版協会ほか9団体に、一般ユーザーによる読み聞かせ動画の公開や、図書館利用者に対する複写サービスの公衆送信について、緊急事態宣言が明けて図書館が通常業務に戻るまでの時限措置として認めて欲しい、という要望を出しています。権利者側がこれを受け、今後どのような対応をするか、注目です。

全国の書店を支えるため、Bookstore AID基金を開設します。参加書店・賛同人を大募集!〈BookstoreAID|note(2020年4月24日)〉

※プロジェクトが開始しました!以下は開始前の告知テキストです。(4月30日18時追記) 本屋さんを支えよう!!ブックストア・エイド(Bookstore AID)基金 | MOTION GALLERY新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言が全国に発令され、出口のみえない外出自粛要請と休業要請の日々の中で、全国のmotion-gallery.net このプロジェクトについて 新型コロナウイルスの感染拡大、そし全国に発令された緊急事態宣言...

 有志によるプロジェクトが始動。3日で1億円を集めた「ミニシアター・エイド基金」(↓)に影響を受けているそうです。私もいちライターとして個人的に、賛同人になりました。

※プロジェクトが開始しました!以下は開始前の告知テキストです。(4月30日18時追記) 本屋さんを支えよう!!ブックストア・エイド(Bookstore AID)基金 | MOTION GALLERY新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言が全国に発令され、出口のみえない外出自粛要請と休業要請の日々の中で、全国のmotion-gallery.net このプロジェクトについて 新型コロナウイルスの感染拡大、そし全国に発令された緊急事態宣言...

令和2年度における授業目的公衆送信補償金の無償認可について〈文化庁(2020年4月24日)〉

 一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS:サートラス)が4月20日に、2020年度に限り補償金額を無償とする申請を行い、文化審議会で審議され、文化庁長官に認可されたことが4月24日に発表。なんというスピード感。4月28日に施行です。本制度の解説記事は4月10日に配信してます(↓)ので、ぜひご覧ください。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、学校で遠隔授業のニーズが急速に高まっている。その際の障壁とされていた著作権の問題をクリアにすべく、「授業目的公衆送信補償金制度」が前倒し施行される見通しだ。そこで本稿では、この新制度がどのようなものなのか、筆者の理解の範囲で解説する。注意点 筆者は2015年に著作権などの入門書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知り...

海外

豪、グーグルとFBに国内メディアとの広告収入共有を義務づけへ〈ロイター(2020年4月20日)〉

 欧州を中心に「分配すべき」論は出ていたと思いますが、実際に義務づけする法律が成立したのはオーストラリアが初めてのことのようです。両社が自発的に分配する動きもあったはずなのですが、正直、あまり機能していないようにも思えるので、これを機に他国が追随するかどうか。

米有力地方紙のトリビューン社が給料カットのうえさらなる一時解雇を発表〈HON.jp News Blog(2020年4月22日)〉

 シカゴを拠点とする新聞チェーンであるトリビューン・パブリッシング(Tribune Publishing)は、全社に及ぶ3週間の一時休暇(furlough)を発表したとシカゴ・トリビューン紙など複数のメディアが伝えている。 新型コロナウイルスの影響による広告収入の激減を理由としてあげ、5月〜7月にかけ一定の枠内の給与の社員に対して行われる。この間、健康保険は支払われるが給与はなし。一時休暇の代わりに自主退職で退職金を受け取...

 同社は2月にベテラン新聞人のCEOが解任されたばかり(↓)。「新聞の破壊者」と呼ばれるヘッジファンドが筆頭株主になって以降、コロナ禍以前からリストラが進められていたという経緯があります。その流れが加速している、ということになるのでしょう。

 シカゴ・トリビューン紙やニューヨーク・デイリー・ニュース紙などを傘下に抱える新聞社のトリビューン・パブリッシングは、ベテラン新聞人であるティモシー・ナイト社長を1年で解任、テリー・ジミーネズCFOが引き継ぐと発表した。 かつて「新聞の破壊者」の異名をとったヘッジファンド、アルデン・グローバル・キャピタルが筆頭株主となり、取締役会8席のうち2席を取得して2カ月、既に100人以上をリストラし、早期退職者を...

グーグル、全ての広告主に身元の証明を義務付け〈CNET Japan(2020年4月24日)〉

グーグルは、同社のプラットフォーム上で広告枠の購入を希望するすべての広告主について、今後「認証プログラム」の完了を求めると発表した。

 これまで「誰でも広告が出稿できる」状態だったのが、大きく舵を切ることに。まずアメリカからということで海外ニュース側に入れましたが、今後世界中に拡大していく予定とのことです。広告を掲載する側のメディアとして、変な広告は載せたくないと思っているので、こういう動きは大歓迎です。

武漢の作家が封鎖された都市での体験を綴った本の海外版が標的に〈HON.jp News Blog(2020年4月24日)〉

 中国・武漢在住の小説家、方方(Fang Fang:ファンファン)が60日間に渡る都市封鎖の体験をブログに綴ったものが英訳され、出版される運びとなった。だがそれを知った中国の人々から様々な脅迫を受けていると、英デイリー・メール紙が伝えている。 方方(本名:汪芳)は2010年に魯迅文学賞を受賞、「風景」「琴断口」、映画「風水」の原作となった「万箭穿心」などの作品がある。(日本語では『コレクション中国同時代小説』...

 ウェブでの公開当初は中国でも好意的に受け止められていたのに、それが翻訳出版される際に評価が逆転、批判殺到で炎上案件になってしまったという話。本件、元岩波書店・現北京大教授の馬場公彦氏に詳しい解説コラムを寄稿いただきました(↓)。このメルマガ配信と同時に公開していますので、ぜひお読みください。

 出版社を定年退職したのち北京大学で教鞭を執る馬場公彦氏に、中文圏の出版事情についてコラムを連載いただくことになりました。1回目は、新型コロナウイルス感染症のため都市封鎖された中華人民共和国湖北省の武漢市の様子を綴った『武漢日記』出版をめぐる騒動についてです。方方『武漢日記』がもたらした波紋 4月8日、新型コロナウイルス最初の感染者が出た武漢市で、2カ月半にわたるロックダウン(封城)がようやく解除...

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CC BY-NC-SA 4.0
CC BY-NC-SA 4.0

※本稿はクリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際(CC BY-NC-SA 4.0)ライセンスのもとに提供されています。

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著者について

About 鷹野凌 613 Articles
HON.jp News Blog 編集長 / NPO法人HON.jp 理事長 / 明星大学でデジタル編集論・二松學舍大学でエディティング・リテラシー演習担当の非常勤講師 / 日本出版学会員 / デジタルアーカイブ学会員 / 主な著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)
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