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2020年4月20日~26日は「TRCの電子図書館3月の貸出前年比255%と急増」「全国の図書館休館率88%に」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。
【目次】
ポッドキャスト
国内
新型コロナによる出版社の営業対応公開 出版アナリスト・湯浅氏が独自に収集〈ほんのひきだし(2020年4月20日)〉
本稿執筆時点で、出版社情報448社がまとまっています。すごい!
TRCの電子図書館サービス 3月の貸出実績が前年比255%に増加〈文化通信デジタル(2020年4月22日)〉
利用急増、普及促進という意味で喜ばしいです。まだ「こういう図書館サービスもある」ことが認知されていないのが現状ですもんね。
ネット購入で休業書店を支援 ポプラ社が「e-hon」加盟店向けに施策開始〈文化通信デジタル(2020年4月24日)〉
トーハン「e-hon」の「My書店」システムを利用し、休業している書店にも報奨金で還元する試み。なるほど、そういうやり方もアリですね。
COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/04/23)について〈saveMLAK(2020年4月24日)〉
緊急事態宣言が全国に拡大したことで、図書館の休館も全国へ波及。4月23日時点で休館率は88%という状況になっているそうです。
新型コロナウィルス感染症に係る図書館活動についての協力依頼〈公益社団法人日本図書館協会(2020年4月24日)〉
日本図書館協会が日本書籍出版協会ほか9団体に、一般ユーザーによる読み聞かせ動画の公開や、図書館利用者に対する複写サービスの公衆送信について、緊急事態宣言が明けて図書館が通常業務に戻るまでの時限措置として認めて欲しい、という要望を出しています。権利者側がこれを受け、今後どのような対応をするか、注目です。
全国の書店を支えるため、Bookstore AID基金を開設します。参加書店・賛同人を大募集!〈BookstoreAID|note(2020年4月24日)〉
有志によるプロジェクトが始動。3日で1億円を集めた「ミニシアター・エイド基金」(↓)に影響を受けているそうです。私もいちライターとして個人的に、賛同人になりました。
令和2年度における授業目的公衆送信補償金の無償認可について〈文化庁(2020年4月24日)〉
一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS:サートラス)が4月20日に、2020年度に限り補償金額を無償とする申請を行い、文化審議会で審議され、文化庁長官に認可されたことが4月24日に発表。なんというスピード感。4月28日に施行です。本制度の解説記事は4月10日に配信してます(↓)ので、ぜひご覧ください。
海外
豪、グーグルとFBに国内メディアとの広告収入共有を義務づけへ〈ロイター(2020年4月20日)〉
欧州を中心に「分配すべき」論は出ていたと思いますが、実際に義務づけする法律が成立したのはオーストラリアが初めてのことのようです。両社が自発的に分配する動きもあったはずなのですが、正直、あまり機能していないようにも思えるので、これを機に他国が追随するかどうか。
米有力地方紙のトリビューン社が給料カットのうえさらなる一時解雇を発表〈HON.jp News Blog(2020年4月22日)〉
同社は2月にベテラン新聞人のCEOが解任されたばかり(↓)。「新聞の破壊者」と呼ばれるヘッジファンドが筆頭株主になって以降、コロナ禍以前からリストラが進められていたという経緯があります。その流れが加速している、ということになるのでしょう。
グーグル、全ての広告主に身元の証明を義務付け〈CNET Japan(2020年4月24日)〉
これまで「誰でも広告が出稿できる」状態だったのが、大きく舵を切ることに。まずアメリカからということで海外ニュース側に入れましたが、今後世界中に拡大していく予定とのことです。広告を掲載する側のメディアとして、変な広告は載せたくないと思っているので、こういう動きは大歓迎です。
武漢の作家が封鎖された都市での体験を綴った本の海外版が標的に〈HON.jp News Blog(2020年4月24日)〉
ウェブでの公開当初は中国でも好意的に受け止められていたのに、それが翻訳出版される際に評価が逆転、批判殺到で炎上案件になってしまったという話。本件、元岩波書店・現北京大教授の馬場公彦氏に詳しい解説コラムを寄稿いただきました(↓)。このメルマガ配信と同時に公開していますので、ぜひお読みください。
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