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2020年1月20日~26日は「本屋大賞とマンガ大賞、ノミネート作を発表」「2019年の紙+電子出版市場は初のプラス成長」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。
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国内
LINEノベル、公式アプリをアップデート 〜 投稿作品TOPページと作品詳細ページのデザインをリニューアル〈HON.jp News Blog(2020年1月20日)〉
LINEノベルのアプリが最初にリリースされたのは、去年の夏。そこから半年足らずで大幅なアップデートです。こういうやりかた、アジャイル開発って言うんでしたっけ。
2020年本屋大賞ノミネート作決定!『熱源』『ムゲンのi』『流浪の月』『ライオンのおやつ』など〈ほんのひきだし(2020年1月21日)〉
マンガ大賞2020ノミネート作に『あした死ぬには、』『チェンソーマン』『スキップとローファー』など12作〈ほんのひきだし(2020年1月21日)〉
毎年この時期恒例の、本屋大賞とマンガ大賞、ノミネート作の発表です。そういえば以前、本屋大賞とマンガ大賞の電子化率を調べて個人ブログで公開したのを思い出しました(↓)。2013年のことです。見返して、7年前はマンガでさえこの有様だったのかと、改めて驚愕しました。さて、いまは?
「マガジン☆WALKER」が3月31日でサービス終了、4月1日から「BOOK☆WALKER」で「マンガ・雑誌読み放題」サービスが開始〈HON.jp News Blog(2020年1月22日)〉
サービス終了と同時にサービス開始。つまり、仕切り直しです。「マガジン☆WALKER」は、複数出版社のマンガ誌40誌以上、一般誌やアニメ・ゲーム・声優誌を合わせると80誌以上が、月額500円(税別)の定額読み放題で提供されるという、他にはないサービスだったのですが。それでも仕切り直しを余儀なくされるわけで、サブスクリプションのサービス運営って、ほんと難しいものなのですね。ところで、私はマンガ誌しか読んでませんでしたが、新サービスの案内では触れられていない一般誌やアニメ・ゲーム・声優誌はどうなるのか、若干気になるところです。
電通と朝日新聞社ら7社、ニュースやマンガ等「n次流通」収益化の研究に着手 ~スタートバーンのアート用ブロックチェーン×シビラの分散型ID〈仮想通貨 Watch(2020年1月23日)〉
二次創作以降のコンテンツ流通から、原著作者や関与したユーザーにも正当なインセンティブが発生するような流通基盤の研究に着手です。スタートバーンが開発している「アートブロックチェーンネットワーク」(ABN)と、角川アスキー総合研究所の「ePub Viewer for Twitter」を活用するとのこと。
この記事では触れられていませんが、以前、経済産業省が「ブロックチェーン技術を活用したコンテンツビジネスに関する検討会」を開催、そこでこの「n次創作」について検討が行われていました(報告書はこちら↓)。
その流れで、コンテンツグローバル需要創出等促進事業費補助金(J-LOD)のブロックチェーン技術を活用したコンテンツの流通に関するシステムの開発・実証に関する間接補助事業が公募され、スタートバーンのABNも採択事業に選ばれています。
つまり、国が推進している流れに、電通、VOYAGE GROUP、角川アスキー総合研究所、朝日新聞社などが乗った、ということになるのでしょう。今後も要注目です。
2019年の紙+電子出版市場は初のプラス成長で1兆5432億円 ~ 出版科学研究所調べ〈HON.jp News Blog(2020年1月24日)〉
ついにプラス成長へ。電子の市場占有率は約2割になりました。ただし、あくまでこれはパッケージ販売(読み放題含む)の市場規模で、広告は含まれないことに留意する必要があります。電通によると、日本のインターネット広告媒体費は2018年時点で1兆4480億円。2019年の数字はまだ出ていませんが、もしかしたら販売の市場を上回るのではないでしょうか。
海外
米最大手出版社が定額聴き放題サービスからオーディオブックを引き上げる〈HON.jp News Blog(2020年1月23日)〉
ペンギン・ランダムハウスのアクションです。独自にやる計画はない、とのことですが、果たしてどうなるか。大原ケイさんのコラム(2)「大きくなって交渉力をつける」の、「そんな条件じゃ売らないよ」をガチで実行した例、と言えるでしょう。
自社でコンテンツを生み出せないディストリビューター(販売代理店)は、こうやってコンテンツを引き上げられたら命脈を絶たれてしまうわけです。ニュースアグリゲーターも同様でしょう。出版社も、編プロに丸投げしていたようなところは……?
『ベストセラーはもういらない』のジョン・オークス氏が共同編集人を引退〈HON.jp News Blog(2020年1月23日)〉〉
お疲れ様でした。来日公演が、ちょうど1年前でした。当時、電子専門出版社の成功事例としてコラムで取り上げさせていただきました。
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