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公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は1月24日、2019年の出版市場規模を発表した。紙+電子出版市場(推定販売金額)は1兆5432億円で、前年比0.2%増。出版科学研究所が電子出版市場推計を始めた2014年以降、紙+電子出版市場がプラスに転じるのは初めて。
紙の出版物推定販売金額は1兆2360億円(同4.3%減)で、書籍が6723億円(同3.8%減)、雑誌が5637億円(同4.9%減)となった。書籍は、ビジネス書や新書が前年を上回り、児童書も健闘している。雑誌は、統計に含まれるコミックス(単行本)が約4%増と好調で、減少幅が縮小している。月刊誌(ムック・コミックスを含む)が同4.2%減、週刊誌が同8.1%減。月刊誌のうち、定期誌は約7%減、ムックは約8%減。なお、この紙の推定販売金額は取次ルートのみで、直販は含まれない。
電子出版市場では、電子コミックが2593億円(同29.5%増)と急増。電子書籍(文字もの)は349億円(同8.7%増)、電子雑誌は130億円(同16.7%減)。電子コミックは2018年4月の海賊版サイト「漫画村」閉鎖以降、順調に成長を続け、市場を大きく牽引している。電子書籍では、ライトノベル、ビジネス書、写真集が特に伸びている。電子雑誌は、読み放題サービス「dマガジン」のキャリアショップ契約手続き見直しによる会員数の減少が続き、2年連続で大幅なマイナス。なお、電子出版市場は定額読み放題を含む「読者が支払った金額の合計」で、広告収入は含まれない。
参考リンク
全国出版協会・出版科学研究所