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公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は1月24日、2024年の出版市場(推定販売金額)を発表した。紙+電子は前年比1.5%減の1兆5716億円で、3年連続の前年割れとなったが、落ち幅は縮小した。なお、コロナ禍前の2019年比では1.8%増となる。
紙
紙の出版物推定販売金額は、前年比5.2%減の1兆0056億円。うち、書籍は同4.2%減の5937億円、雑誌は同6.8%減の4119億円。コロナ禍前の2019年比では、書籍は11.7%減、雑誌は26.9%減となる。なお、出版科学研究所による紙の推定販売金額は取次ルートのみであり、近年増加している出版社と書店の直接取引や出版社による直接販売は含まれていない。
紙の書籍
紙の書籍は、店頭売上は前年を上回るなど、既存店では回復傾向が見られる模様。文芸・学参・ビジネス書が好調とのこと。
紙の雑誌
紙の雑誌は、月刊誌(コミックス・ムックを含む)が前年比6.3%減の3494億円、週刊誌が同9.3減の625億円。月刊誌の内訳は、定期誌約5%減、ムック約2%減、コミックス(単行本)約10%減。
電子
電子出版市場は前年比5.8%増の5660億円で、市場占有率は36.0%。うち、電子コミックは同6.0%増の5122億円、電子書籍(文字もの)は同2.7%増の452億円、電子雑誌は同6.2%増の86億円で、電子出版市場における電子コミックの市場占有率は90.5%となった。
なお、この電子の推定販売金額は「読者(一般ユーザー)が支払った金額の推計」であり、定額読み放題(いわゆるサブスク)は含まれるが、広告収入・電子図書館サービス・電子ジャーナルなどは含まれていない。
電子コミック
電子コミックは、コロナ禍前の2019年からほぼ倍増となった。「各ストアは出版社との協業による独占・先行配信やオリジナル作品の強化、割引・ポイントバックなど様々な施策を積極的に展開」しているとのこと。縦スクロールコミックについては言及がなかった。
電子書籍
3年ぶりの増加となった。ライトノベルや写真集が牽引しているとのこと。
電子雑誌
7年ぶりの増加となった。要因は「dマガジン」「楽天マガジン」の値上げによるものとのこと。
参考リンク
プレスリリース(PDF)〈出版科学研究所(2025年1月24日)〉