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公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は1月25日、2023年の出版市場(推定販売金額)を発表した。紙+電子は前年比2.1%減の1兆5963億円で、2年連続の前年割れとなったが、コロナ禍前の2019年比では3.4%増となる。
【目次】
紙
紙の出版物推定販売金額は、前年比6.0%減の1兆0612億円。うち、書籍は同4.7%減の6194億円、雑誌は同7.9%減の4418億円。コロナ禍前の2019年比では、書籍は7.9%減、雑誌は21.6%減となる。なお、出版科学研究所による紙の推定販売金額は取次ルートのみであり、近年増加している出版社と書店の直接取引や出版社による直接販売は含まれていない。
紙の書籍
紙の書籍は、全体では減少傾向だが「文芸・学参ジャンルは健闘」とのこと。
紙の雑誌
紙の雑誌は、月刊誌(コミックス・ムックを含む)が前年比7.2%減の3728億円、週刊誌が同11.3%減の690億円。月刊誌の内訳は、定期誌約5%減、ムック約7%減、コミックス(単行本)約10%減。なお、コミック市場の詳細は、今年から「季刊 出版指標」2024年春号(4月25日発売)での発表予定とのこと(例年は「出版月報」2月号特集での発表だった)。
電子
電子出版市場は前年比6.7%増の5351億円で、市場占有率は33.5%と3分の1を超えた。うち、電子コミックは同7.8%増の4830億円、電子書籍(文字もの)は同1.3%減の440億円、電子雑誌は同8.0%減の81億円。電子出版市場における電子コミックの市場占有率は90.3%となった。
なお、この電子の推定販売金額は「読者(一般ユーザー)が支払った金額の推計」のみであり、定額読み放題(いわゆるサブスク)は含まれるが、広告収入・電子図書館サービス・電子ジャーナルなどは含まれていない。
電子コミック
電子コミックは、「各ストアの広告出稿や活発な施策で堅調を維持」とのこと。縦スクロールコミックも「好調」とされているが、数値は公表されていない。
電子書籍
電子書籍(文字ものなど)は、「ライトノベルや写真集は比較的好調」だが「文芸やビジネス書、実用書などは不振」とのこと。
電子雑誌
電子雑誌は、減少幅はゆるやかになったが、市場占有率の高い定額読み放題サービス「dマガジン」の会員数減少がいまだに続いているとのこと。
参考リンク
「季刊 出版月報」2024年冬号〈出版科学研究所(2024年1月25日)〉