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公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は1月25日、2022年の出版市場(推定販売金額)を発表した。紙+電子は前年比2.6%減の1兆6305億円で、紙は6.5%減、電子は7.5%増。コロナ禍前の2019年比では、紙+電子は5.7%増、紙は8.6%減、電子は63.2%増となった。
【目次】
紙
紙の出版物推定販売金額は、前年比6.5%減の1兆1292億円。うち、書籍が同4.5%減の6497億円、雑誌が9.1%減の4795億円。コロナ禍前の2019年比では、紙全体は8.6%減、書籍は3.4%減、雑誌は14.9%減となっている。
書籍は、これまで好調だった文芸書、児童書、学参、資格試験などの売れ行きが鈍化している。また、2022年ベストセラー1位の『80歳の壁』(幻冬舎)も発行部数が60万部弱と、小規模になっている。ヒットする本がシニア頼みになっているのも懸念される点とのこと。
雑誌は、月刊誌(コミックス・ムックを含む)が前年比9.7%減の4017億円、週刊誌が同5.7%減の778億円。月刊誌の減少は、コミックス(単行本)が2桁減と大きく落ち込んだのが大きな要因(コミック市場の詳細は例年2月25日の発表)。なお、この紙の推定販売金額は取次ルートのみで、近年増加している出版社による直接販売や出版社と書店の直接取引は含まれない。
電子
電子出版市場は前年比7.5%増の5013億円で、出版市場全体における市場占有率は30.7%となった。うち、電子コミックが8.9%増の4479億円、電子書籍(文字もの)が0.7%減の446億円、電子雑誌が11.1%減の88億円。電子出版市場における電子コミックの市場占有率は89.3%となった。
なお、この電子の推定販売金額は「読者(一般ユーザー)が支払った金額の推計」で、雑誌には定額読み放題が含まれるが、広告収入や電子図書館サービス・電子ジャーナルなどは含まれない。
参考リンク
「出版月報」2023年1月号〈出版科学研究所(2023年1月25日)〉