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公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は1月25日、2020年の出版市場規模を発表した。紙+電子出版市場(推定販売金額)は、前年比4.8%増の1兆6168億円。紙が1.0%減と小幅なマイナスだったのに対し、電子が28.0%増と大きく伸長した結果、2年連続のプラス成長となった。
紙の出版物推定販売金額は1兆2237億円で、書籍が0.9%減の6661億円、雑誌が1.1%減の5576億円となった。書籍は3月の臨時休校を受け、学参・児童書が大幅に伸長、年間を通じて好調に推移している。また、文芸書、ビジネス書、コンピュータ書、ゲーム攻略本など、前年を上回ったジャンルが目立つという。
雑誌は、統計に含まれるコミックス(単行本)が『鬼滅の刃』の爆発的ヒットなどで約24%の大幅増。これによりコミックス・ムックを含む月刊誌は1997年以来の前年超えとなった。ただ、月刊誌のうち定期誌は約9%減、ムックは約14%減。週刊誌も8.5%減と苦戦している。なお、この紙の推定販売金額は取次ルートのみで、直販・直取引は含まれない。
電子出版市場は前年比28.0%増の3931億円で、出版市場全体における市場占有率は24.3%となった。うち、電子コミックが31.9%増の3420億円、電子書籍(文字もの)が14.9%増の401億円、電子雑誌が15.4%減の110億円。電子出版市場における電子コミックの市場占有率は87.0%となった。
電子書籍は東野圭吾など人気作家の電子化解禁により順調に成長、電子雑誌はシェアの大きい「dマガジン」の会員数減が大きく響いた。なお、電子出版市場は定額読み放題を含む「読者が支払った金額の推計」で、広告収入は含まれない。
参考リンク
全国出版協会・出版科学研究所