《この記事は約 3 分で読めます(1分で600字計算)》
公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所が発表した2023年のコミック市場推計を元に、コミックを除く書籍・雑誌(いずれも紙+電子)市場を算出した。コミック6937億円に対し、書籍(コミックを除く)が6369億円、雑誌(コミックを除く)が2657億円。市場占有率はコミック43.5%、書籍(コミックを除く)39.9%、雑誌(コミックを除く)16.6%となった。
【目次】
各市場の推移
出版科学研究所は1月25日に、2023年の出版市場を発表している1 2023年出版市場(紙+電子)は1兆5963億円で前年比2.1%減、コロナ前の2019年比では3.4%増 ~ 出版科学研究所調べ〈HON.jp News Blog(2024年1月25日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/46198。しかし、この時点での紙の書籍市場6194億円には、「書籍扱いコミックス」が含まれている。同じように、紙の雑誌市場4418億円には、「雑誌扱いコミックス」と「コミック誌」が含まれている。
つまり、電子出版市場と同じ「書籍」「雑誌」「コミック」の3カテゴリーで紙の出版市場を把握するためには、紙の書籍と雑誌市場から「書籍扱いコミックス」「雑誌扱いコミックス」「コミック誌」を除く必要があるのだ。
HON.jp News Blogでは例年、コミック市場の内訳が発表された時点でこの「書籍(コミックを除く)」と「雑誌(コミックを除く)」の実態を明らかにしてきた2 2022年出版市場(紙+電子)はコミックが書籍を逆転、占有率はコミック41.52%:書籍40.97%:雑誌17.51%に ~ 出版科学研究所調査より〈HON.jp News Blog(2023年2月27日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/39390。今年からこの内訳は「季刊 出版指標」春号(4月25日発売)での発表となったため3 「季刊 出版指標」2024年春号
https://shuppankagaku.shop-pro.jp/?pid=180616970、本稿も昨年より2カ月遅れとなった。ご了承いただきたい。
以下のグラフは、「書籍扱いコミックス」と「雑誌扱いコミックス」の推定販売金額が別々に公表されているのが確認できた2000年以降の推移である4 「書籍扱いコミックス」と「雑誌扱いコミックス」の推定販売金額が別々に発表されるようになったのは「出版指標年報」2017年版以降で、それ以前は合計金額だけが発表されていたようだ(新刊点数だけ別々)。2014年からは電子出版市場の数字も合算されている。
なお、紙の推定販売金額は取次ルートのみであり、近年増加している出版社と書店の直接取引や出版社による直接販売は含まれていない。また、電子の推定販売金額は「読者(一般ユーザー)が支払った金額の推計」のみであり、定額読み放題(いわゆるサブスク)は含まれるが、広告収入・電子図書館サービス・電子ジャーナルなどは含まれていない5出版科学研究所が電子出版市場の推計を始めたのは2014年から。グラフで2013年と2014年に大きなギャップがあるのはそれが理由。。