2022年出版市場(紙+電子)はコミックが書籍を逆転、占有率はコミック41.52%:書籍40.97%:雑誌17.51%に ~ 出版科学研究所調査より

コミック・書籍・雑誌(紙+電子)市場推移
内側の細い(濃い)線は1月25日発表の数字で、外側の太い(薄い)線はコミックを分離した数字[オリジナルサイズの画像はこちら(ご自由にどうぞお使いください)
noteで書く

《この記事は約 2 分で読めます(1分で600字計算)》

 公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所が発表した2022年コミック市場推計を元に、コミックを除いた書籍・雑誌(いずれも紙+電子)市場を算出した。コミック6770億円に対し、書籍が6680億円、雑誌が2855億円となり、ついにコミックが書籍を逆転したことがわかった。市場占有率はコミック41.52%、書籍40.97%、雑誌17.51%となった。

各市場の推移

 出版科学研究所が1月25日の時点で紙の「雑誌」として公表している数字には、かなりの割合でコミック(「雑誌扱いコミックス」と「コミック誌」)が含まれている。そこで、コミック市場の内訳が発表された時点で、「書籍(コミックを除く)」や「雑誌(コミックを除く)」の実態を明らかにするのがこの記事の目的だ。

 以下のグラフは、『出版指標年報』で「書籍扱いコミックス」と「雑誌扱いコミックス」が別々に集計されているのが確認できた2002年以降の推移となる。なお、紙の市場は取次ルートのみで、出版社による直販や出版社と書店の直接取引は含まれない。また、電子出版市場1【追記】出版科学研究所が電子出版市場の推計を始めたのは2014年から。グラフで2013年と2014年に大きなギャップがあるのはそれが理由。は定額読み放題を含む「読者が支払った金額の推計」で、広告収入や電子図書館向けは含まれない。

コミック

書籍(コミックを除く)

雑誌(コミックを除く)

全体

参考リンク

『出版月報』2023年2月号

脚注

  • 1
    【追記】出版科学研究所が電子出版市場の推計を始めたのは2014年から。グラフで2013年と2014年に大きなギャップがあるのはそれが理由。
noteで書く

広告

著者について

About 鷹野凌 824 Articles
NPO法人HON.jp 理事長 / HON.jp News Blog 編集長 / 日本電子出版協会 理事 / 日本出版学会理事 / 明星大学 デジタル編集論 非常勤講師 / 二松学舍大学 編集デザイン特殊研究・ITリテラシー 非常勤講師 / デジタルアーカイブ学会 会員 / 著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)など。
タグ: /