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公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所が発表した2024年のコミック市場推計詳細を元に、コミックを除く書籍・雑誌(いずれも紙+電子)市場を算出した。コミック7043億円に対し、書籍(コミックを除く)が6130億円、雑誌(コミックを除く)が2544億円。市場占有率はコミック44.8%、書籍(コミックを除く)39.9%、雑誌(コミックを除く)16.2%となった。
各市場の推移
出版科学研究所は1月24日に2024年の出版市場を発表している1 2024年出版市場(紙+電子)は1兆5716億円で前年比1.5%減、コロナ前の2019年比では1.8%増 ~ 出版科学研究所調べ【追記有】〈HON.jp News Blog(2025年1月24日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/53725。しかし、この時点での紙の出版市場は「書籍」と「雑誌」の2カテゴリーで、「コミック」は不明だった。紙の書籍市場5937億円には「書籍扱いコミックス」が、紙の雑誌市場4119億円には「雑誌扱いコミックス」と「コミック誌」がそれぞれ含まれている。
つまり、電子出版市場と同じ「書籍」「雑誌」「コミック」の3カテゴリーで紙の出版市場を把握するためには、今回発表されたコミック市場推計詳細を元に、紙の書籍と雑誌市場から「書籍扱いコミックス」「雑誌扱いコミックス」「コミック誌」を除く必要がある。
HON.jp News Blogでは例年、コミック市場の内訳が発表された時点でこの「書籍(コミックを除く)」と「雑誌(コミックを除く)」の実態を明らかにしてきた2 2023年出版市場(紙+電子)の占有率はコミック43.5%:書籍(コミックを除く)39.9%:雑誌(コミックを除く)16.6%に ~ 出版科学研究所調査より〈HON.jp News Blog(2024年4月30日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/39390。以下のグラフは、「書籍扱いコミックス」と「雑誌扱いコミックス」の推定販売金額が別々に公表されているのが確認できた2000年以降の推移だ。2014年からは電子出版市場の数字も合算している。
なお、紙の推定販売金額は取次ルートのみであり、近年増加している出版社と書店の直接取引や出版社による直接販売は含まれていない。また、電子の推定販売金額は「読者(一般ユーザー)が支払った金額の推計」のみであり、定額読み放題(いわゆるサブスク)は含まれるが、広告収入・電子図書館サービス・電子ジャーナルなどは含まれていない。
コミック
書籍(コミックを除く)
雑誌(コミックを除く)
全体
出典
出版科学研究所『季刊 出版指標2025年春号』など