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2020年1月6日~12日は「2020年出版関連動向予想」「アメリカの書籍出版産業2020」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。
ポッドキャスト
国内
2020年出版関連の動向予想〈HON.jp News Blog(2020年1月6日)〉
毎年恒例、今年の動向予想コラムです。昨年の振り返りとPEST分析を踏まえた上で、「出版社系ウェブメディアの逆襲」「書き手争奪競争の激化」「マンガの輸出入がより活発に」「児童生徒向けの電書供給が本格化」「音声コンテンツ市場の拡大」の5つを挙げました。8000字超ありますので、時間に余裕があるときにお読みください。
出版書誌データベース「Pub DB」が「Books」に名称変更〈HON.jp News Blog(2020年1月6日)〉
「Books」→「Pub DB」→「Books」と、名前だけ元に戻りました。
竹書房、CDN大手の米Cloudflare社を提訴〈HON.jp News Blog(2020年1月6日)〉
Cloudflare社に対し、違法アップロードされた著作物を削除するよう求めても対応しないため、提訴に至ったとのことです。昨年7月に開催された、竹書房の竹村さんがゲスト登壇した弁護士ドットコムの関連イベントレポートはこちら(↓)。
ダウンロード規制で線引き 文化庁、法改正へ方針決定〈日本経済新聞〉
海賊版漫画のダウンロード違法化、パロディーは対象から除外…文化庁案〈読売新聞オンライン(2020年1月7日)〉
海賊版ダウンロード違法化、対象絞り込みで一致せず 有識者検討会〈産経ニュース(2020年1月7日)〉
私的ダウンロード違法範囲拡大の議論が大詰めです。日経の見出しを見ると、もう確定したのかと勘違いしてしまいそうですが、実際には「著作権者の利益を不当に害する場合」についての意見が割れており、議論が紛糾、どうなるか予断を許さない状況になっています。
公聴者の投稿などを見るに、その辺りを正確に書いていると思われるのが、産経の記事です。「座長預り」ではなく、座長がとりまとめ案を作成したうえで委員に示し、了承を得られれば報告書として公表するという、ちょっと難易度が高そうな状態。もしかしたらもう1回、検討会が開かれることになるかもしれません。
ちなみに検討会で合意できているのは、当初案の「海賊版と知りながら(主観要件)」は残したまま、「軽微なもの」と「二次創作(第28条)」の除外を追加すること、リーチサイト規制を親告罪とするところまで。また、同時に検討が進められている「写り込み」要件によってスクリーンショットを除外するのもほぼ決まりっぽいです。
問題は「著作権者の利益を不当に害する場合」要件が入るなら、という条件付きで追加しなくてもよいとされた要件が複数あるのをどうするか。「著作権者の利益を不当に害する場合」要件を入れないなら、他の要件を入れないとまずい、ということに。どうやって着地させるつもりなのか、次の動きが非常に気になります。
また、ちょっと気になるのが、1年前に「スクショ違法化」を問題視する記事を連発していた朝日新聞のスタンス。検討会の1回目開始と同時に「方針転換」という記事(↓)を出して以降、完全にトーンダウンしています。朝日新聞のサイトで検索してみましたが、今回の検討会3回目については記事が出ていないようです。なにがあったのか。
果たして、1月20日召集予定の通常国会で法案が提出できるかどうか?
新春講演会 2020年の電子出版はどうなる?──JEPAセミナー資料を公開します〈HON.jp News Blog(2020年1月8日)〉
こちらも毎年恒例になってきた、新春のJEPAセミナー。動画もYouTubeのJEPAアカウントで公開されています。内容的にはほぼ、大晦日の2019年回顧記事と、1月6日の2020年予想記事の内容をギュッと圧縮した感じです。スライドは CC BY-NC-SA 4.0 で公開しています。
次の10年に向け,持続する電子出版ビジネスを~2020年の先の電子出版ビジネスを考える:新春特別企画〈gihyo.jp … 技術評論社(2020年1月9日)〉
毎年恒例、技術評論社 クロスメディア事業室室長 馮富久氏による、2020年の電子出版ビジネスの展望コラムです。テクノロジー関係の話が中心になっています。必読です。
オーディオブック市場は2024年度260億円市場に ~ MDB Digital Search 有望市場予測レポート〈HON.jp News Blog(2020年1月10日)〉
音声コンテンツ市場が拡大するという予想を出した直後に、このレポートです。2020年度から2021年度にかけての伸び率がすごい予測になっています。さてどうなるか。
「タブレット図書館」構築へ連携協定 高森町と町教委、熊日〈熊本日日新聞(2020年1月11日)〉
先週もピックアップした、熊本県高森町のタブレット図書館の続報です。システムは、熊本日日新聞のものを使うとのこと。新聞紙面はともかく、リフローの電子書籍ビューアは開発するのが大変なので、恐らくどこかのビューアを使うと思うのですが。
海外
台湾で公共貸与権の試行導入が開始〈カレントアウェアネス・ポータル(2020年1月6日)〉
公共貸与権は、図書館での資料貸出しに対する補償を、著者及び出版者に行う制度。欧州では以前から複数の国が導入していますが、東アジアでの試行導入はこれが初めてとのことです。カレントアウェアネス・ポータルは、さすが国立国会図書館のサイトだけあって、本件も、各国の状況も、詳しく伝えられています。
アメリカの書籍出版産業2020:これまでの10年と、これからの10年について(1)~ Eブックで起こったディスラプション/米司法省対アップルと大手出版5社の談合の結末〈HON.jp News Blog(2020年1月8日)〉
アメリカの書籍出版産業2020:これまでの10年と、これからの10年について(2)~ 大きくなって交渉力をつけるか、小さくやってニッチを突くか/アメリカ出版業界の海賊版対策〈HON.jp News Blog(2020年1月9日)〉
アメリカの書籍出版産業2020:これまでの10年と、これからの10年について(3)~ セルフ・パブリッシングから生まれた本のアマチュアリーグ/Eブック市場はこれからの10年でどうなるのか?〈HON.jp News Blog(2020年1月10日)〉
大原ケイ氏に、アメリカの書籍出版産業の過去10年と、これからの10年について解説いただきました。3日間連続更新。こちらも3本合わせて8000字超あります。重厚ですが、面白い!
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