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2019年10月28日~11月3日は「米で自己出版の有料書評サービス開始」「JPRO 電子出版物の登録に関する説明会」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。
国内
小説投稿サイト「カクヨム」で広告収益の分配が受けられるロイヤルティプログラムが開始〈HON.jp News Blog(2019年10月30日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/26822
広告が表示されるようになり、希望者には投稿者7対運営3の割合で分配されます。Google AdSense を利用しているようですが、投稿者はどういうジャンルの広告が表示されるかを選べないため、作品の雰囲気に合わないこともあるようです。ただ、広告掲載は拒否することも可能です。なお、開始記念キャンペーンで、11月末までの参加登録者上位500名に総額100万円分のボーナスリワードが提供されます。
スマホで本棚を撮影するとその場でまとめて買取価格がわかる ~ おためし査定の「VALUE BOOKS」から新サービス〈HON.jp News Blog(2019年10月30日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/26826
これは面白い。本をちゃんと立てて並んであれば、すぐ査定価格が出せます。
幅広いジャンルを読む子供ほど学力向上 ~ ベネッセ教育総合研究所が「電子図書館まなびライブラリー」利用データなどの調査結果を発表〈HON.jp News Blog(2019年10月31日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/26841
読書履歴の匿名化利用。前年は読書量、今年は読書の質に着目した調査です。幅広いジャンルを読んでいるほうが良いという、直感的に「そりゃそうだ」と思えることが、ちゃんとデータで実証されています。
ところざわサクラタウン、20年7月オープン 角川武蔵野ミュージアムも20年6月にプレオープン〈埼玉新聞(2019年11月1日)〉
https://this.kiji.is/562810036138476641?c=491375730748638305
KADOKAWAが事業発表会を開催、グランドオープンは2020年7月17日に決まったそうです。東京オリンピックの開催が7月24日からなので、海外からの観光客が増えるタイミングに合わせて、ということになるのでしょう。
海賊版誘導サイト、二審も有罪 運営者ら3人、大阪高裁〈共同通信(2019年11月1日)〉
https://this.kiji.is/562823857503913057?c=491375730748638305
リーチサイト「はるか夢の址」の続報です。控訴棄却。上告するかどうかは不明です。
NTTコム・ブロッキング訴訟、控訴審も「差し止め」棄却…「通信の秘密」侵害には言及〈弁護士ドットコムニュース(2019年11月1日)〉
https://this.kiji.is/562970586927563873?c=491375730748638305
こちらも控訴棄却、ですが、ブロッキングの是非については第一審よりかなり踏み込んだ判断が示されました。著作権侵害は財産権の問題であり、児童ポルノ事案とは異なると明言されています。ちょっと驚きました。NTTコミュニケーションズが上告するかどうかは不明です。
JPRO 出版情報登録センター「電子出版物の登録に関する説明会」レポート〈HON.jp News Blog(2019年11月1日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/26861
取材に行ってきました。メディア席、私しかいなかった……。9月17日の説明会との違いは、ウェブシステムの動いている画面が見られた点だったので、記事でもそこを中心にレポートしています。
海外
加Koboと仏フナックがPODサービスで提携〈HON.jp News Blog(2019年10月29日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/26789
Koboライティング・ライフにPODが追加。ただし現状はフランス語のみ。KDP Printへの対抗だと思われます。日本にも来るかな?
全米書店協会がオンライン書店サイトをアップグレード〈HON.jp News Blog(2019年10月29日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/26793
モバイル対応、ワンクリック対応(アマゾンの特許はもう切れているはず)。電子版を扱わないというのは、リアル書店への影響を配慮しているのでしょうか?
米業界誌がセルフ・パブリッシング本の有料書評サービス開始〈HON.jp News Blog(2019年10月31日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/26852
著者がお金を払って書評してもらうというサービスは、ニーズは確実にあるとは思います。ただ、事前にどれだけ「厳しい批評も覚悟しておいてくださいね」と念を押しても、怒り出す人がいるだろうなあ……という想像もできてしまいます。こちらのサービスは「定評ある書評家による判断を仰げるようにする」とのことなので、そのあたりはある程度クリアできそうですが。
米最大手雑誌出版社コンデ・ナストの内幕長編記事〈HON.jp News Blog(2019年11月1日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/26856
2017年には1億2000万ドルの赤字を出していました。それから2年。内幕を超長文で詳しく報じています。
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