JPRO 出版情報登録センター「電子出版物の登録に関する説明会」レポート

神保町の出版クラブビル
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 一般社団法人日本出版インフラセンターは11月1日、JPRO「電子出版物の登録に関する説明会」を開催した。以下、ダイジェストでレポートする。

出版物の総合カタログ

出版情報登録センター管理委員長/集英社 柳本重民氏
出版情報登録センター 管理委員長/集英社 柳本重民氏
 まず、出版情報登録センター管理委員長で集英社の柳本重民氏から、開会挨拶が行われた。9月17日に一橋講堂ホールで開催されたJPROの説明会(記事)でも述べられたが、JPROは紙と電子の一元管理を目指している。その目的は、「Books Pro」の充実と、出版物登録数の増加だ。

 紙でも電子でも、メディアが異なるだけで、本が与えてくれる感動は同じ。未来へ向けて、出版物の総合カタログが必要だ、と柳本氏。現在、約250万点が登録されているうち、電子は20数万点。今回の施策で、電子の登録数を一気に増やして欲しいと挨拶した。

概要説明

電子出版物登録WGリーダー/講談社 佐野洋氏
電子出版物登録WGリーダー/講談社 佐野洋氏
 続いて、電子出版物登録WGリーダーで講談社の佐野洋氏から、「電子出版物の新方式による登録について」の説明が行われた。まず電子出版物を登録するメリットについて。

 1つ目は、電子書籍の出版権の公示利用。出版行為が継続されていることを公示することによるブローカー対策と、海賊版対策への援用が期待されるとのこと。2つ目は「Pub DB」での表示利用。名称はユーザー向けの「Books」と書店向けの「Books Pro」に変わる。そこで「電子版あり」と表示されるようになる。将来的には、電子版のページを用意し紙版へリンクしたり、POD版やオーディオブック版へリンクしたりといった追加改良も予定されている。

 従来はメディアドゥの共通書誌情報システム経由での登録だったが、今後は電子取次の書誌情報から必要な項目がJPROに自動送信される。メディアドゥとモバイルブック・ジェーピーの2社は、協力を約束している。また、出版社がJPROへ直接登録することもできるようになる。

 書誌情報の項目は、提供ルートが異なっても、同じ項目が登録される。JPROフォーマットでは16項目、出版権では7項目。JPROでは1件ずつ登録するか、所定フォーマットによりまとめて登録することも可能だ。
これからの電子出版物登録方法
 入稿フローは、必須項目となるJP-eコードの有無によって異なる。電子取次経由でJP-eコードが無い場合、JPRO側で自動付番することも可能になっている。JP-eコードは、2〜7桁のISBN出版社記号が必要。また、JPROに登録された出版権情報は、JPROのサイト上で公開される。 

 登録方法の変更に伴い、1月1日から登録料の値下げが行われる。従来は登録1件あたり500円(税別・以下同様)だったのが、ISBN1件あたり200円となる。分冊版などでも、ISBNが1つなら1件として扱われる。

 底本のISBNと紐付けられた場合のみ課金され、電子のみの場合は無料。出版権を登録する場合は、電子のみでも200円。ただし、現時点では「Pub DB」に電子書籍のページが無いため、登録してもどこにも表示されない。

底本の有無、出版権の有無による料金の違い
底本の有無、出版権の有無による料金の違い

 なお、10月1日から12月31日までは、電子出版物登録キャンペーンで、登録料が無料になっている。過去の出版物も、キャンペーン期間内の登録なら無料だ。登録数が増えれば増えるほど、インフラとしての利用価値が高まるため、ぜひとも登録いただきたいと、説明を締めくくった。

画面説明

JPRO管理画面のトップページに「電子書籍」のボックスが追加される
JPRO管理画面のトップページに「電子書籍」のボックスが追加される

新規登録画面の構成は、基本的に紙と同じ
新規登録画面の構成は、基本的に紙と同じ

検索には紙と電子が選択できるチェックボックスが追加される
検索には紙と電子が選択できるチェックボックスが追加される

電子取次から取得したデータであることを示す「取」が付いていない場合は、右上に[修正]ボタンがある
電子取次から取得したデータであることを示す「取」が付いていない場合は、右上に[修正]ボタンがある

電子はコンテンツ公開日と公開終了日が設定できる
電子はコンテンツ公開日と公開終了日が設定できる

所定フォーマットのExcelファイルによるアップロード登録も可能
所定フォーマットのExcelファイルによるアップロード登録も可能

(※登録画面は11月中旬にリリース予定とのこと)

質疑応答

Q. 電子取次経由で登録できるのはありがたいが、現状、分冊版にISBNを入れてないし、JP-eコードも入れていないが、どうなる?

A. 取次でデータを加工するわけではなく、出版社が入稿したデータがそのままJPROに送信されるので、底本ISBNが空欄の場合はそのまま。自動紐付けは行われない。

Q. 出版社記号を持っていない出版社の出版物を扱っているが、課金はどうなる?

A. データをいただいた出版社へ請求する。

Q. 同じJP-eコードの場合、電子取次経由が優先されるとのことだが、書誌情報だけ先に出したいときはどうする?

A. JPROから登録可能だが、取次経由情報が入ってきたら上書きされる。

Q. 書影はどうなる?

A. 電子取次からデータをいただく合意はできているが、現状では電子版のページがないため、まだ取得しない。将来、電子のページが作られるとき、まとめて取得することになる。

Q. ISBNが電子にも使えるのは世界標準だが、JP-eコードが必須とのこと。ISBNで管理している出版社はどうすれば?

A. 電子取次経由の場合は、JP-eコード。ISBNで登録したい出版社は、JPROからの登録をお願いする形に。

Q. ISBNとJP-eコードが並列になる?

A. もちろんISBNが世界標準だが、 JPROに関してはハウスコードとしての管理で並列になる。

Q. ISBNで管理している出版社のデメリットは?

A. とくにありません。

Q. つまるところ、モバイルブック・ジェーピーに送っているデータが自動登録される?

A. 事前に、モバイルブック・ジェーピーに承諾書を送る必要がある。取得したデータにJP-eコードが入っていない場合、JPRO側から問い合わせする。底本ISBNが入力されている場合は、紐付け対象となり、課金される。

Q. 予約時と、修正があった場合は発売時にも電子取次へ書誌情報を入稿しているが、JPROのデータはどうなる?

A. 電子取次のデータが更新されるたび、JPRO側も更新される。

参考リンク

JPO出版情報登録センター
https://jpro2.jpo.or.jp/

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About 鷹野凌 304 Articles
HON.jp News Blog 編集長。NPO法人HON.jp 理事長。明星大学/二松學舍大学/実践女子短期大学の講師で、デジタル編集論/表象メディア演習/デジタル出版論/デジタル出版演習を担当。出版学会員/デジタルアーカイブ学会員。主な著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)

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