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「ニューヨーク」誌が、米最大手雑誌社コンデ・ナストの内情を詳しく報じた記事を載せている。
1億2000万ドルの赤字を出した2017年から2年、オーナーのサイ・ニューハウスが亡くなり、長年「ヴァニティ・フェア」誌を牽引してきたグレイドン・カーター氏が退任し、代わりに「ヴォーグ」誌の名物編集長、アナ・ウィンターが全誌のアートディレクターに就任し、どう変わったのかを詳細に伝えている。
社内の収益トップは「ニューヨーカー」「GQ」「ヴァニティ・フェア」の3誌で全利益の60%を上げ、海外版も合わせると「ヴォーグ」が世界での利益全体の28%を占めている。
初めて社外から招いたCEO、ロジャー・リンチは音楽ストリーミングサービス「Pandora」の出身で、2011年にコンデ・ナスト・エンターテインメントを立ち上げ、今では年間4000本の映像を作りだす。中でも、グルメ誌「ボナペティート」はセレブを起用した料理ビデオがユーチューブで人気だ。ライセンシングでも、GQは男性向け靴下セットを50ドルで販売し、女性誌「アルア」は定期購買のメイクセットを売り出している。
全盛期とも言える2000年代に29誌あった雑誌で今も紙で発行しているものは9誌にまで減った。デジタル定期購読では万年赤字雑誌だった「ニューヨーカー」が130万の購読者を獲得し、利益の70%は定期購読によるもの。
2008年のリーマン・ショックが起きるまで、エグゼクティブはファーストクラスで飛び、取材費は上限なし、社員用カフェテリアは1000万ドルをかけてフランク・ゲリーにデザインさせるほどだったが、レイオフを繰り返し、経費を引き締める一方で、写真デザイン部、ファクトチェック部など、バックオフィスと呼ばれる部署を統合した。
リーダーシップの要となっているウィンターも高齢で、オーナー一族のニューハウス家が今後も雑誌を維持したいと思うかが今後のカギを握るとしている。
参考リンク
ニューヨークの記事