「ブログでメシが食えるか? 最終回」「2018年回顧、2019年動向予想」など、出版業界気になるニュースまとめ(2018年12月24日~2019年1月6日)

出版業界気になるニュースまとめ
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 2018年12月24日~2019年1月6日は「ブログでメシが食えるか? 最終回」「2018年回顧、2019年動向予想」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

国内

ブログでメシが食えるか? Publickeyの2018年[たぶん最終回]〈Publickey(2018年12月25日)〉

https://www.publickey1.jp/blog/18/_publickey2018.html
 ITジャーナリスト新野淳一氏の「Publickey」は、個人が運営するメディアの実態を毎年明らかにしていて、ベンチマークにしていた方も多かったのではないかと思います。クリック数に売上が連動するAdSenseやアフィリエイトに依存せず、バナー広告を1カ月30万円、タイアップ広告を1本30万円で直接販売していること。目安は月間35万インプレッションであること。2018年の売上は約1451万円だったことなど、非常に参考になります。アドブロックの普及が影響しているのか、PVとインプレッションの乖離が大きくなってきているというのは気がかりです。こういう形での報告は最後にする予定とのこと。いままでありがとうございました。

出版市場、ピークの半分以下 18年約1兆2800億円台に〈日本経済新聞(2018年12月25日)〉

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39340810V21C18A2X35000/
 紙の書籍と雑誌を合計するとピークの半分以下ですが、雑誌が3分の1、書籍が3分の2と、別々で考えるべきでしょう。書籍の売上はまだ底堅いのですが、雑誌がヤバイ=雑誌をベースとした物流基盤がヤバイのです。また、いつものことですが、電子出版市場はこの数字に含まれていません(2月25日の発表)。

少年ジャンプ+編集長に聞く「マンガ編集者がAIを使う」可能性 ── 中国には100万人の漫画家志望がいる〈BUSINESS INSIDER JAPAN(2018年12月28日)〉

https://www.businessinsider.jp/post-182499
 AIというか「データをちゃんと活用しよう」という話だと読みました。物理メディアでは把握できず想像するしかなかった読者の行動が、可視化されているわけですもんね。サブタイトルの数字は、インパクトがあります。中国の人口は日本の10倍以上ですから、市場規模も文字通り桁が1つ違います。

【佐藤辰男×鳥嶋和彦対談】いかにしてKADOKAWAはいまの姿になったか──ライトノベルの定義は「思春期の少年少女がみずから手に取る、彼らの言葉で書かれたいちばん面白いと思えるもの」【「ゲームの企画書」特別編】〈電ファミゲーマー(2018年12月28日)〉

http://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/181228
 KADOKAWAが大手出版社になっていく過程を、ライトノベルの歴史を踏まえながらこってり語った、非常に濃い対談。なかなか作り手側から語られることのなかった歴史の裏側なので、非常に勉強になります。

【新サービスの実験】マンガを全自動でYouTubeの動画に変換し、セリフも100カ国語に自動翻訳して、海外でもどんどん読んでもらおう!〈(株)Jコミックテラスの中の人(2018年12月30日)〉

https://kenakamatsu.hatenablog.com/entry/2018/12/30/223548
 「マンガ図書館Z」赤松健氏による新しい仕掛け。YouTubeに違法な動画化マンガがアップロードされ続けていることから、そこにはニーズがあると判断、公式が合法的に、しかもセリフも自動翻訳で世界を対象として配信しよう、というものです。ひとまずテストなので、作品数は限定されています。また、チャンネル登録数が1000人を超えないと収益化できないのですが、本稿執筆時点ではすでに超えていますね。登録はこちら↓。
https://www.youtube.com/channel/UCkY_l1OlXGEiaz5FbafNjnw

キャンペーン · 日本国政府: 著作権保護期間の延長を乗り越えて、作品を死蔵から救うためのしくみを進めよう!〈Change.org(2018年12月30日)〉

https://www.change.org/p/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%9C%9F%E9%96%93%E3%81%AE%E5%BB%B6%E9%95%B7%E3%82%92%E4%B9%97%E3%82%8A%E8%B6%8A%E3%81%88%E3%81%A6-%E4%BD%9C%E5%93%81%E3%82%92%E6%AD%BB%E8%94%B5%E3%81%8B%E3%82%89%E6%95%91%E3%81%86%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%BF%E3%82%92%E9%80%B2%E3%82%81%E3%82%88%E3%81%86
 「絶版など市場で流通していない作品の保存と活用策」「権利者不明作品への対策」「権利者が自ら作品のオープンな利用ルールを宣言する仕組みの普及」「日本だけが一方的に保護期間の加算を義務づけられている『戦時加算』の解消努力」の5点を、ともに考えましょうという政府に対する呼びかけ。もう少しで目標賛同者数に達成します。

2018年出版関連動向回顧と年初予想の検証〈HON.jp News Blog(2018年12月31日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/14841
 昨年まで「DOTPLACE」へ寄稿していた、年次回顧と予想の検証です。2018年は海賊版サイト問題と、ブロッキングなどその対策についての話題が非常に目立つ1年でした。

20年先の種を蒔く――真実は時の娘〈そらもよう(2019年1月1日)〉

https://www.aozora.gr.jp/soramoyou/soramoyou2019.html#000507
 青空文庫では、毎年1月1日の恒例だった“Happy Public Domain Day”ではなく、「リメンバー・パブリック・ドメイン・デイ!」が呼びかけられています。「パブリック・ドメインの意義に想いを馳せることや、社会全体で文化を共有する大切さを伝えていくためのお祝いの日を萎縮する必要はないのです」という大久保ゆう氏の文章を、かみしめたい。

2019年出版関連の動向予想〈HON.jp News Blog(2019年1月4日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/14857
 昨年まで鷹野の個人ブログに書いていた、今年1年の予想です。当たるも八卦当たらぬも八卦。さて、どんな年になるでしょうか?

海外

Ringing in the New Year with new public domain content〈TELEREAD(2018年12月31日)〉

https://teleread.org/2018/12/31/ringing-in-the-new-year-with-new-public-domain-content/
 アメリカでは20年ぶりの“Public Domain Day”が言祝がれています。20年前に著作権保護期間が死後50年間から70年間(法人著作物は発行年から95年間)へ延長されたため、これまで20年間、新たにパブリックドメインになる作家が現れなかったのです。ミッキーマウスが初登場するディズニーの映画“Steamboat Willie”(蒸気船ウィリー)の発行は1928年なので、まだアメリカでは5年間の保護期間が残っていますが、再延長の働きかけが行われるかも、なんて予想がががが。

速報も広告もやらない「新メディア」のジャーナリズム哲学を読み解く(奥村 信幸)〈現代ビジネス(2019年1月4日)〉

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59153
 オランダ発の注目メディア「The Correspondent」がアメリカでの支援者を募るクラウドファンディングに成功、4万人以上から250万ドル以上の資金を集めています。速報なし、広告なしで、理想のジャーナリズムに正面から挑むという姿勢に敬意を表したいです。なお、少し古いデータ(↓)ですが、世界各国における新聞・雑誌への「信頼度」調査で、アメリカがマイナス52.8%、オランダがマイナス28.0%なのに対し、日本はプラス45.5%と非常に大きなギャップがあり、残念ながら同じモデルを日本で展開するのは難しいかも……?
http://www.garbagenews.net/archives/1102258.html

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著者について

鷹野凌
About 鷹野凌 513 Articles
HON.jp News Blog 編集長。NPO法人HON.jp 理事長。明星大学/二松學舍大学/実践女子短期大学の非常勤講師で、デジタル編集論/表象メディア演習/デジタル出版論/デジタル出版演習を担当。出版学会員/デジタルアーカイブ学会員。主な著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)。アイコンは©鈴木みそ氏
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