「集英社の新電子書店サービス開始」「CSS Writing Modes Level 3がW3C勧告に」など、出版業界気になるニュースまとめ(2019年12月9日~15日)

出版業界気になるニュースまとめ
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 2019年12月9日~15日は「集英社の新電子書店サービス開始」「CSS Writing Modes Level 3がW3C勧告に」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

国内

「漫画村」元運営者の男を再逮捕 犯罪収益隠匿の疑い〈西日本新聞(2019年12月9日)〉

https://this.kiji.is/576616375537828961?c=491375730748638305
 続報。組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)の疑いでの再逮捕。海賊版サイトなどの広告収入を犯罪収益として摘発したのは全国でも初とのことです。なお、12月16日からは公判も始まります。

集英社直営の新電子書店「ゼブラック」サービス開始 ~ 23時間待つともう1話無料で読める「話読み」サービスも〈HON.jp News Blog(2019年12月10日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27291
 最初は「いまからまた新たな電子書店!?」と思ったのですが、「ジャンプ」など個別の雑誌名ブランドではない、総合型の直営電子書店を展開したかったのかな? と考えると、なるほど、理解はできます。「待てば無料」などの仕掛けを、自分たちで試す意味もあるでしょう。マンガだけでなく、「JUMP j BOOKS」も入っているのは大きいのではないかと。

マンガアプリ「GANMA!」で作品にギフトを贈って応援できるサポート機能が提供開始〈HON.jp News Blog(2019年12月10日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27277
 収益の一部を作家に還元する、いわゆる投げ銭ができるサービス。7月に「ニコニコ漫画」が一足先に、同様の「スタンプギフト」サービスを提供しています(↓)。作家争奪競争がますます激しく。良いことです。
https://hon.jp/news/1.0/0/25483

朝読書に電子書籍活用 熱海市立図書館 県内初、学校と連携:静岡〈東京新聞(2019年12月10日)〉

https://www.tokyo-np.co.jp/article/shizuoka/list/201912/CK2019121002000183.html
 昨年12月にTRC-DLを導入した熱海市立図書館。英語版絵本など子供向けのラインアップを多く揃えたのに、思ったほど利用率が上がっていないため、学校と連携しテレビに絵本を写して読み聞かせる、という試みが始められているとのこと。「学校へのスマホの持ち込みが認められない『スマホの壁』が大きかった」という館長の談、日本は学校でのICT利用が遅れているという話もあり、なるほどな、と。政府はこれから1人1台体制を作る予算を組むようですが、そうなるといろいろ変わってきそうです。

ウェブの国際標準仕様に縦書きなどが追加 ~ CSS Writing Modes Level 3がW3C勧告に〈HON.jp News Blog(2019年12月11日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27306
 関係者のみなさま、本当にお疲れさまでした。モダンブラウザは既に実装されているはずなので、急になにか対応を迫られるというたぐいのものではありません。が、案が取れて「勧告」になったこと。つまり、正式な仕様になったことは喜ばしいことです。言祝ぎましょう!

法律専門書や官公庁の資料を横断検索・閲覧できる定額制サービス「LEGAL LIBRARY」正式版が提供開始〈HON.jp News Blog(2019年12月11日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27310
 有斐閣、中央経済社、日本加除出版、現代人文社、きんざい、民事法研究会が参画。こうなると、定額制で本を読むというより、データベースの利用料という感覚に近いのかもしれません。

大学入学共通テスト「記述式問題」見送りの方向で調整〈NHKニュース(201912月12日)〉

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191212/k10012212641000.html
 どうやら止まった模様。政府の方針に振り回された高校生や先生方の怨嗟の声を、あちこちで目にしました。また、受験対策の参考書などを手がけている出版社も、改訂作業をすでに進めていたこともあって、わりと強烈な被害が発生することになるようです。とほほ。

「BookLive!Reader Lideo」端末向けの全サービスが2020年9月30日に終了〈HON.jp News Blog(2019年12月13日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27343
 WiMAX通信サービス終了のお知らせが出たときから覚悟はしていましたが、残念。Lideoは出てほどなく母の日にプレゼントしたのですが、今年の夏に帰省したときもまだ普通に使ってたので、正月に帰省したら移行対応してあげないと。ちゃんとアカウント移行すれば、スマホやiPadなどでも読めるのは救い。

講談社国際ライツ事業部に聞いた「ぶっちゃけ日本の漫画は世界でどうなの?」〈マガポケベース(2019年12月13日)〉

https://pocket.shonenmagazine.com/article/entry/interview20191213
 講談社「マガポケ」公式サイトによる、社内の他部署に国際展開について尋ねた記事。IMARTの特別講演「ジャンプの世界戦略:MANGA Plus海外配信の狙い」では集英社の似たような話が聞けた(↓)ので、刺激されたのでしょうか? どちらも興味深いです。
https://mapdate.net/post-0045/

漫画海賊版サイト500超 日本のクリックが支える現実〈朝日新聞デジタル(2019年12月14日)〉

https://www.asahi.com/articles/ASMDF6THJMDFTIPE03L.html
 11月27日に開催された文化庁「侵害コンテンツのダウンロード違法化の制度設計等に関する検討会(第1回)」で、出版広報センターの方が報告した数字です。議事録や資料が公開されたのを受けての報道、ということなのでしょうか? 資料2-1に載っています(↓)。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kondankaito/shingaikontentsu/01/

1巻が発売されたばかりのマンガを盛り上げる「マンガ新聞大賞」が一般投票開始 ~ Twitterの「いいね&RT」で読者投票〈HON.jp News Blog(2019年12月14日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27347
 過去1年間に第1巻が発売されたばかりの作品を盛り上げることを目的とするコンセプトと、読者投票が「いいね&RT」なので、拡散にも寄与するという一石二鳥なところが良い取り組みだと思います。編集部公式アカウントなども、プッシュしている姿が見られます。投票期間が短いので、お早めに。

海外

米ネットギャリーとピューリッツァー賞がオーディオ対応へ〈HON.jp News Blog(2019年12月9日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27269
 先週、イギリスでオーディオブックがEブックを追い抜く予想という記事を配信していますが(↓)、アメリカでもオーディオを重視する動きが続いているようです。
https://hon.jp/news/1.0/0/27248

米自動車雑誌社が紙版のほとんどを廃刊に〈HON.jp News Blog(2019年12月9日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27274
 22誌あるうち19誌を年内廃刊。どひぇーっ! とはいえデジタル版は残るようですが。

ニューヨークのインディ書店従業員が労働組合設立へ〈HON.jp News Blog(2019年12月12日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27315
 アメリカの書店員が労組に属しているのは珍しいとのこと。日本だと、「出版情報関連ユニオン」(↓)などは書店員でも個人加盟できるみたいです。
http://syuppan.net/union/

ウェブ上の情報を記録・保存する「インターネット・アーカイブ」の存続をひっそりと脅かしているものとは?〈GIGAZINE(2019年12月12日)〉

https://gigazine.net/news/20191212-thread-internet-archives-silent-killer/
 ここ最近「Internet Archive」へアクセスすると寄付のお願いが画面上部にどーんと表示されますが、要するに記録しているデータがどんどん増えており、ディスク容量が逼迫している(ので寄付をお願いします)という話。よくお世話になっているので、寄付しておきました。それにしても、60ペタバイトって凄まじい。

中国で焚書令、文化大革命の再来か〈ニューズウィーク日本版(2019年12月12日)〉

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/12/post-13596.php
 本を燃やす、なかなか刺激的な写真。地元政府の声明は、図書館の職員が「規則に従って書物を処分せず、65冊の違法な書籍を図書館前の小さな広場で燃やした」ことを非難しているとのこと。それってつまり、図書館員のせめてもの抵抗だったのでしょうか? 燃やす姿を公にすることで、書物の処分が強制されていることを騒ぎにする、という。

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著者について

鷹野凌
About 鷹野凌 510 Articles
HON.jp News Blog 編集長。NPO法人HON.jp 理事長。明星大学/二松學舍大学/実践女子短期大学の非常勤講師で、デジタル編集論/表象メディア演習/デジタル出版論/デジタル出版演習を担当。出版学会員/デジタルアーカイブ学会員。主な著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)。アイコンは©鈴木みそ氏
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