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先週は「マンガ図書館Zが出版社と提携して電子書籍版YouTube進化版をリリース」「日経新聞社がピースオブケイクに3億円出資」などが話題に。毎週月曜恒例の、出版業界関連気になるニュースまとめ、2018年7月29日~8月5日分です。
勢いが続く「LINE」「Instagram」「YouTube」「Twitter」、勢いが陰る「Facebook」〈メディア・パブ(2018年7月28日)〉
総務省調査。日本の話です。Facebookだけ、20代~30代で減少傾向が見られます。40代と60代はほぼ横ばい。50代と、なぜか10代は少し伸びています。なんだろう? このいびつな傾向は。
出版状況クロニクル123(2018年7月1日~7月31日)〈出版・読書メモランダム(2018年8月1日)〉
毎月楽しみな、小田光雄氏の出版状況クロニクル。おや? と思ったのが「11. 出版社における経営者の交代が目に見えて増えている」。岩崎書店の岩﨑夏海氏(通称ハックルさん)が社長を退任していたこと。文化通信によると、6月25日付けだったそうです。
出版社横断の「STOP! 海賊版」キャンペーン開始〈hon.jp DayWatch(2018年8月1日)〉
「STOP! 海賊版」特設サイトのオープンより、出版広報センター公式サイトの「深刻な海賊版の被害」のページがようやく復活&更新されたことを伝えたかった記事。「出版ニュース」2018年5月上旬号へ寄稿した「海賊版対策でのブロッキングは是か非か?」で「2013年4月以降本稿執筆時点まで5年間更新されていない」と指摘したら、「只今、メンテナンス中です」に変わって2カ月以上経過してようやく、というのは改めて指摘しておかねばならないでしょう。今後は、マメに更新されていくことを願います。
「マンガ図書館Z」が実業之日本社と協力し海賊版サイト対抗の実証実験を開始〈hon.jp DayWatch(2018年8月1日)〉
赤松健氏が以前から言っていた「電子書籍版YouTube」の進化版です。大きく異なるのは、いきなり公開されない点。アップロードされた作品は、出版社が作家との窓口になって、公開の可否を確認する流れになります。なるほど、これならいままでのようなトラブルは起こらなさそうです。端的に言うと「現状では出版社が負えない電子化コストをユーザーに委ねる代わりに対価も少し払う」システムです。面白い。
スマートニュース、「メディア研究所」を設立 元『現代ビジネス』編集長の瀬尾傑氏が所長に就任〈MarkeZine(2018年8月1日)〉
講談社を退社されて次はどうするのか注目していたのですが、スマートニュースでメディア研究所の所長に就任されるとのこと。Facebookで“ジャーナリズムやニュースの世界に変化を起こす荒くれたちがあつまる「梁山泊」にしたい”と意気込みを語っていました。「hon.jp DayWatch」も頑張ります。
いまどきの書評はティーンエイジャーの「ブックチューバー」によるレビュー動画〈hon.jp DayWatch(2018年8月2日)〉
この記事、Twitterで「日本にもブックチューバー来るか?」と話題になっていました。“BookTuber”で検索すると英語圏の動画がたくさん出てきますが、本稿執筆時点で引用符囲み完全一致検索の“ブックチューバー”はゼロ。書評YouTuberはすでに何人もいるようなので、ブックチューバーという単語が日本ではまだ認知されていなかったということなのかもしれません。
JEPA 30年の歴史がわかる『電子出版クロニクル 増補改訂版』のPDFが無料公開〈hon.jp DayWatch(2018年8月2日)〉
たいへんありがたい、PDF版無料公開。さっそく授業で活用したいと思います。
日経新聞社が「note」のピースオブケイクに3億円出資、新サービスほか共同開発へ〈BUSINESS INSIDER JAPAN(2018年8月3日)〉
4億円の第三者割当増資のうち、3億円が日本経済新聞の、資本業務提携。主に「note」関連の開発やシナジーが期待されているようです。大きく飛躍するきっかけになるといいですね。
楽天、法人向けの電子雑誌定額読み放題サービス「楽天マガジン法人プラン」を提供開始〈hon.jp DayWatch(2018年8月3日)〉
「dマガジン for Biz」が設定していない10台未満のニーズを獲りにいった形ですが、うまくいくかどうか。中小企業が規約違反の個人契約で利用してしまうのをどれだけ防げるか、という話になると思うのですが、果たして。