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主にティーンエイジャーからミレニアル世代の20代に本をアピールするには、動画投稿サイトユーチューブで多くのファンを獲得した「ブックチューバー」だとニューヨーク・タイムズ紙が報じている。
ブックチューバーの代表格は例えばクリスティーン・リッキオで、27歳、40万人のサブスクライバー(チャンネル登録者)がいる。元々ティーンエイジャーの頃から姉妹でブリットニー・スピアーズのものまねやバック転に挑戦する映像をユーチューブにアップロードして楽しんでいた。きっかきはスーザン・コリンズの『ハンガー・ゲーム』を読み、感想を語り合うつもりでレビューをアップ。500人も観てくれればいいと思っていたものが、続けているうちにそれが今や40万人のサブスクライバーがいる PolandBananasBooks という「チャンネル」として定着した。
彼女のような、多くの若者が集うチャンネルを持っているレビュアーを出版社が放っておくわけがない。ブルームズベリー社の児童向け(YAも含む)インプリントのマーケティング担当者は彼女の協力を得ていくつもキャンペーンを仕掛けてきた。リッキオの動画はユーモア溢れるのが特徴で、映画化された原作を人形と自分が演じて、アレクサンドラ・ブラッケン著『Darkest Minds』3部作のあらすじを説明した動画は1万5000回再生され、コメントも多かった。
全米のブックチューバーが集まるVidConというコンファレンスで、彼らは「クリエーター」としてのバッジをもらい、ユーチューブにアップする動画を撮るため、仮装やビデオゲームのダンスを披露しながらブースを回っていた。トップ人気のユーチューバーに比べると、ブックチューバーは規模も地味だが、この5月にニューヨークで開かれたBookConには700人ほどが集まった。
ブックチューバーとして認められると、出版社がスポンサーになったり、ARCというゲラ刷り見本を刊行前に送ってもらえたりする。レビュー対象の本もYAに限らず、一般書、古典、純文学を読み解くものまで様々。こういったインフルエンサーと出版社をつなげるマーケティング会社のブリッタニー・カバックは「ブックチューバーだと、仲のいい友だちが、この本おもしろいよ」と薦めているように感じられるのだという。
関連リンク
ニューヨーク・タイムズの記事