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アメリカを含む世界英語圏の小説に贈られるイギリスの文学賞、ブッカー賞候補作(ロングリストと呼ばれる一次通過作品)に、初のグラフィック・ノベル「Sabrina」がノミネートされたことから、このジャンルに注目が集まっているとウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
7月に発表されたノミネート13作品に含まれていたのだが、増刷が間に合わなかったこともあり、今月半ばまで出荷予定がずれ込んでいる。ニック・ドゥナソによる「サブリナ」は殺された女性と、彼女の死を否定するメディア・キャンペーンというあらすじ。版権担当者は既に海外の出版社からの問い合わせが200件を超えていると言い、特に韓国では20社が翻訳版を争っているという。
他にも「ダンジョンズ&ドラゴンズ」というゲームをプレイする親子を描いたグラフィック・ノベル「The Adventure Zone」がニューヨーク・タイムズのベストセラー入りを果たすなど、このところグラフィック・ノベルの話題作に事欠かない。
ランダムハウス・グラフィックという児童書/YA向けのグラフィック・ノベルのインプリントで出版ディレクターを務めるジーナ・ガリアーノは「これまでにないほど今注目されているジャンルで、大人向けグラフィック・ノベル市場が一変しそう」と語る。
NPDブックスキャンによると、昨年は大きなヒット作が出なかったこともあって2017年の総売り上げ部数は113万部とやや落ち込んだが、児童書/YAのカテゴリーでは2016年の580万部から720万部と伸びているという。この秋も「アンネ・フランクの日記」やハーパー・リーの『アラバマ物語』のグラフィック・ノベル版の刊行が予定されている。
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ウォール・ストリート・ジャーナルの記事(有料)