「コンビニの成人向け『類似図書』販売中止相次ぐ」「ダウンロード違法範囲拡大案に異論噴出」など、出版業界気になるニュースまとめ(2019年1月21日~27日)

出版業界気になるニュースまとめ
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 2019年1月21日~27日は「コンビニの成人向け『類似図書』販売中止相次ぐ」「ダウンロード違法範囲拡大案に異論噴出」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

国内

セブンとローソン、成人誌販売中止へ 8月までに〈日本経済新聞(2019年1月21日)〉

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40261340R20C19A1TJ2000/

ファミマとセイコーマートも 成人誌販売終了広がる〈日本経済新聞(2019年1月22日)〉

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40321710S9A120C1TJ2000/

(ニュースQ3)コンビニ「成人向け雑誌」販売中止、なぜ今〈朝日新聞デジタル(2019年1月23日)〉

https://www.asahi.com/articles/DA3S13860380.html
 日経には「女性や子どもが来店しやすく」「インバウンド(訪日外国人)のイメージ低下を防ぐ」とありますが、素直に「売れてないから販売をやめます」と言えばいいと思うのですが。

 本件、マスコミ各社が「成人誌」という表記を用いているのが、あちこちで誤解を招いているように感じます。そんな中、朝日新聞のこの記事は、条例で指定された「有害図書」や、出版社が自主規制で指定する「成年向け雑誌」などとは別ものである点を、ちゃんと解説しています。そもそも「有害図書」や「成年向け雑誌」は、現時点でもコンビニの棚には並んでいないのです。今回焦点になっているのは、コンビニ業界団体が独自基準で決めている「類似図書」です。立ち読みができないよう、シール留めもされています。

 さて、うぐいすリボンの荻野氏も言うように、本件は私も「時代の流れ」だと思うのですが、今後、一般誌にも飛び火しそうな予感が……「an・an」のセックス特集あたりはわかりやすいですが、写真週刊誌やマンガ誌などのグラビア写真もターゲットになりそう。くわばらくわばら。

海賊版利用、「一刀両断」に批判 ネット上のすべて違法化、「議論拙速」〈朝日新聞デジタル(2019年1月22日)〉

https://www.asahi.com/articles/DA3S13858849.html

画像や文書も…ダウンロード違法化、対象拡大?〈読売新聞(2019年1月23日)〉

https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20190122-OYT8T50033.html

海賊版「リーチサイト」に刑事罰 有識者会議で最終報告〈日本経済新聞(2019年1月25日)〉

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4045153025012019MM0000/

日本マンガ学会、私的ダウンロード違法範囲拡大に反対の声明を発表〈HON.jp News Blog(2019年1月24日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/15139

「スクショ」違法に? DL違法化の拡大方針まとまらず〈朝日新聞デジタル(2019年1月25日)〉

https://www.asahi.com/articles/ASM1S67BPM1SUCVL011.html
 1月25日に行われた文化審議会著作権分科会の法制・基本問題小委員会で、意見がまとまりませんでした。クリエイターの団体である日本マンガ学会が反対声明を出しているというのが、事態を象徴しているように思います。昨年の海賊版サイト対策のタスクフォースが思い起こされますが、こちらはどうも文化庁が結論ありきで動いているようで、改正案が今回の通常国会へ提出されることになりそうです。「刑事罰の対象範囲を絞るべき」だという意見が優勢だったようで、非親告罪化と同様、かなり限定的なものになりそう。

2018年の紙+電子出版市場は前年比3.2%減の1兆5400億円 ~ 出版科学研究所調べ〈HON.jp News Blog(2019年1月25日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/15154
 最新の統計が出ました。相変わらず「紙の出版市場がピークの半分に」といった報道が目に付きますが、雑誌が3分の1、書籍は3分の2と、かなり状況が違うという点は改めて強調しておきます。

海外

カナダの小説投稿サイト「Wattpad」が出版部門を設立〈HON.jp News Blog(2019年1月25日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/15157
 Wattpadはこれまで、自社で書籍化することを前提とした投稿サイトではなかったので、ちょっと驚きました。日本で言えば、「小説家になろう」のような立ち位置だったはずなのですが。ちなみに「小説家になろう」は、あくまで「場」の提供に徹し、投稿作品の出版には関与しない方針を貫いています(↓参照)。もちろん、もし社長が替わったり買収されたりしたら、どうなるかわかりませんが。
https://magazine-k.jp/2017/06/03/contemporary-web-fiction-03/

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著者について

鷹野凌
About 鷹野凌 517 Articles
HON.jp News Blog 編集長。NPO法人HON.jp 理事長。明星大学/二松學舍大学/実践女子短期大学の非常勤講師で、デジタル編集論/表象メディア演習/デジタル出版論/デジタル出版演習を担当。出版学会員/デジタルアーカイブ学会員。主な著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)。アイコンは©鈴木みそ氏
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