「コンビニの成人向け『類似図書』販売中止相次ぐ」「ダウンロード違法範囲拡大案に異論噴出」など、出版業界気になるニュースまとめ(2019年1月21日~27日)

出版業界気になるニュースまとめ

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 2019年1月21日~27日は「コンビニの成人向け『類似図書』販売中止相次ぐ」「ダウンロード違法範囲拡大案に異論噴出」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

国内

セブンとローソン、成人誌販売中止へ 8月までに〈日本経済新聞(2019年1月21日)〉

セブン―イレブン・ジャパンが成人向け雑誌の販売を中止する方針を決めたことが21日、わかった。8月末までに全国の2万店超の全店で原則、販売をやめる。ローソンも同日、8月末までに成人誌販売をやめると発表した。女性や子どもが来店しやすくするほか、2020年の東京五輪・パラリンピックなどを控え、インバウンド(訪日外国人)のイメージ低下を防ぐ。【関連記事】ファミマとセイコーマートも 成人誌販売終了広がる

ファミマとセイコーマートも 成人誌販売終了広がる〈日本経済新聞(2019年1月22日)〉

ファミリーマートは22日、成人向け雑誌の販売を8月末で終了すると発表した。女性や子どものほか、増加が続く訪日外国人が来店しやすくする。北海道などで「セイコーマート」を展開するセコマも年内に成人誌の取扱店舗をゼロにする考えだ。成人誌の販売を巡っては、すでにセブン―イレブン・ジャパンなどが販売を中止する方針を打ち出していた。【関連記事】セブンとローソン、成人誌販売中止へ 8月までに国内コンビニエン

(ニュースQ3)コンビニ「成人向け雑誌」販売中止、なぜ今〈朝日新聞デジタル(2019年1月23日)〉

https://www.asahi.com/articles/DA3S13860380.html
 日経には「女性や子どもが来店しやすく」「インバウンド(訪日外国人)のイメージ低下を防ぐ」とありますが、素直に「売れてないから販売をやめます」と言えばいいと思うのですが。

 本件、マスコミ各社が「成人誌」という表記を用いているのが、あちこちで誤解を招いているように感じます。そんな中、朝日新聞のこの記事は、条例で指定された「有害図書」や、出版社が自主規制で指定する「成年向け雑誌」などとは別ものである点を、ちゃんと解説しています。そもそも「有害図書」や「成年向け雑誌」は、現時点でもコンビニの棚には並んでいないのです。今回焦点になっているのは、コンビニ業界団体が独自基準で決めている「類似図書」です。立ち読みができないよう、シール留めもされています。

 さて、うぐいすリボンの荻野氏も言うように、本件は私も「時代の流れ」だと思うのですが、今後、一般誌にも飛び火しそうな予感が……「an・an」のセックス特集あたりはわかりやすいですが、写真週刊誌やマンガ誌などのグラビア写真もターゲットになりそう。くわばらくわばら。

海賊版利用、「一刀両断」に批判 ネット上のすべて違法化、「議論拙速」〈朝日新聞デジタル(2019年1月22日)〉

 海賊版だと知りながらインターネット上にある漫画や写真、論文などあらゆるコンテンツをダウンロードする行為を違法化しようと、文化庁が異例の急ピッチで作業を進めている。わずか5回の審議で週内にも議論を終え…

画像や文書も…ダウンロード違法化、対象拡大?〈読売新聞(2019年1月23日)〉

インターネット上で違法著作物をダウンロードしたユーザーに刑事罰を科す――。こんな内容の著作権法改正案が文化庁で検討されている。「漫画村」などの海賊版サイト対策として検討されたブロッキング法制化が昨秋、暗礁に乗り上げた後

海賊版「リーチサイト」に刑事罰 有識者会議で最終報告〈日本経済新聞(2019年1月25日)〉

文化庁の有識者会議は25日、著作権を侵害する海賊版サイトへの対策の最終報告を取りまとめた。インターネット上で海賊版が投稿されているサイトへ誘導する「リーチサイト」を規制するための刑事罰の新設や、無断投稿された漫画や小説などのダウンロードの違法化を求める内容。海賊版サイトが海外のサーバーを経由するなど摘発が困難ななか、入り口となるリーチサイトの規制により海賊版の拡散を防ぐ狙いがある。最終報告を踏

日本マンガ学会、私的ダウンロード違法範囲拡大に反対の声明を発表〈HON.jp News Blog(2019年1月24日)〉

 日本マンガ学会(会長 竹宮惠子)は1月23日、今月末に召集される通常国会で審議される予定の私的ダウンロード違法範囲拡大について、反対声明を発表した。 日本マンガ学会は、文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会による中間まとめでは、以下のような問題が見逃されていると指摘している。合法とは言い切れない二次創作のダウンロードまで禁止することで、海賊版研究だけでなく、二次創作研究をも明確に阻害するこ...

「スクショ」違法に? DL違法化の拡大方針まとまらず〈朝日新聞デジタル(2019年1月25日)〉

https://www.asahi.com/articles/ASM1S67BPM1SUCVL011.html
 1月25日に行われた文化審議会著作権分科会の法制・基本問題小委員会で、意見がまとまりませんでした。クリエイターの団体である日本マンガ学会が反対声明を出しているというのが、事態を象徴しているように思います。昨年の海賊版サイト対策のタスクフォースが思い起こされますが、こちらはどうも文化庁が結論ありきで動いているようで、改正案が今回の通常国会へ提出されることになりそうです。「刑事罰の対象範囲を絞るべき」だという意見が優勢だったようで、非親告罪化と同様、かなり限定的なものになりそう。

2018年の紙+電子出版市場は前年比3.2%減の1兆5400億円 ~ 出版科学研究所調べ〈HON.jp News Blog(2019年1月25日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/15154
 最新の統計が出ました。相変わらず「紙の出版市場がピークの半分に」といった報道が目に付きますが、雑誌が3分の1、書籍は3分の2と、かなり状況が違うという点は改めて強調しておきます。

海外

カナダの小説投稿サイト「Wattpad」が出版部門を設立〈HON.jp News Blog(2019年1月25日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/15157
 Wattpadはこれまで、自社で書籍化することを前提とした投稿サイトではなかったので、ちょっと驚きました。日本で言えば、「小説家になろう」のような立ち位置だったはずなのですが。ちなみに「小説家になろう」は、あくまで「場」の提供に徹し、投稿作品の出版には関与しない方針を貫いています(↓参照)。もちろん、もし社長が替わったり買収されたりしたら、どうなるかわかりませんが。

ネット投稿小説を語る時に絶対に外せないのが「小説家になろう」だ。2004年スタートと、ネット投稿小説サイトとし…

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著者について

About 鷹野凌 596 Articles
HON.jp News Blog 編集長 / NPO法人HON.jp 理事長 / 明星大学でデジタル編集論・二松學舍大学でエディティング・リテラシー演習担当の非常勤講師 / 日本出版学会員 / デジタルアーカイブ学会員 / 主な著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)/ プロフィール画像は©鈴木みそ氏
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