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オリジナル小説やファンフィクションの投稿サイトとして若者に人気のあるワットパッド(Wattpad)が、「ワットパッド・ブックス」という出版部門をスタートさせると発表し、米国内の複数メディアがこれを伝えている。
同社の設立者であるアレン・ラウCEOは、ワットパッドのどの投稿を出版するかについて、これまで編集者などが判断してきた著作のポテンシャルをStory DNA Machine Learningという技術を使い「商業的成功度」を計測して補って判断するという。
「7000万人いるユーザーが何を読んでいて、どのストーリーに共感を持っているかがスタート地点となる」と出版部門を率いるアシュリー・ガードナーはいう。最初のラインアップは主に10代後半から30代半ばの著者の作品。既存の出版業界にいる編集者はみな大都市で働き、似たような経歴を持つ「モノカルチャー」的な基準ですべての読者が読むべき本を選んでいると、ガードナーは主張している。
ワットパッドはこれまでにも他の出版社などと協力して、投稿されたストーリーを本や映画として成功させている。例えば、イギリスのアイドルバンド、One Directionのハリー・スタイルズをモデルにした人物が登場するエロティカ小説『After』を投稿し、今では2500ページを超える人気シリーズとして10億回以上のアクセスがあったアナ・トッドは、サイモン&シュスターと複数冊の契約をし、パラマウント・ピクチャーズがすでに映画化権を獲得した。
他にも、8年前にイギリスのウェールズに住む15歳だったベス・リークルズが投稿した『The Kissing Booth』は口コミでアクセスが増え、動画ストリーミングサービスのネットフリックスが手がけるロマンティック・コメディー映画となった作品などがある。
参考リンク
Wattpad
https://www.wattpad.com/
カルチャーニュースサイトThe Vergeの記事
https://www.theverge.com/2019/1/24/18195753/wattpad-books-launching-publishing-imprint-self
ニューヨーク・タイムズの記事
https://www.nytimes.com/2019/01/24/books/wattpad-books-publishing-division.html
アナ・トッドの出版社デビューを取り上げたニューヨーク・タイムズの記事
https://www.nytimes.com/2014/10/22/business/media/harry-styles-of-one-direction-stars-in-anna-todds-novel.html
Kissing Boothネットフリックス映画化を伝えるニューヨーク・タイムズの記事