「JEPA電子出版アワード2019大賞はnote」「楽天がOverDriveを売却」など、出版業界気になるニュースまとめ(2019年12月23日~2020年1月5日)

出版業界気になるニュースまとめ
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 2019年12月23日~2020年1月5日は「JEPA電子出版アワード2019大賞はnote」「楽天がOverDriveを売却」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

ポッドキャスト

国内

JEPA電子出版アワード2019、大賞はピースオブケイク「note」〈HON.jp News Blog(2019年12月24日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27462
 大賞はnote。おめでとうございます。2019年1月末に月間1000万アクティブユーザー(MAU)を突破したばかりだったのに、9月には倍増の2000万人を突破。パブリッシャー向けサービス「note pro」の提供も始めるなど、ただのブログではなく、広告以外でマネタイズできる手段としての地位をとうとう確立した感があります。

岩波・ポプラら出版5社、書籍の海賊版対策に向け実証実験開始 ~電子書店「マンガ図書館Z」で正規品示す電子署名を表示〈仮想通貨 Watch(2019年12月24日)〉

https://crypto.watch.impress.co.jp/docs/news/1226086.html
 これは気になる。JEPAの忘年会で関係者に立ち話の中で尋ねてみたのですが、メディアドゥが自社で開発しているものとは別物で、目的や用途も異なるとのことでした。

連載開始から間もない作品を世に広める「マンガ新聞大賞」は『裸一貫! つづ井さん』に決定 ~ 1月27日に銀座蔦屋書店にて授賞式〈HON.jp News Blog(2019年12月26日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27496
 当メディアでは、ランキング系のニュースはあまり積極的に取り上げていないのですが、こちらは「連載開始から間もない作品を世に広めるため」というコンセプトで読者参加型であることと、特定の書店や出版社に偏っていない中立的な企画なので取り上げることにしました。

海賊版が出回る前に…人気漫画、動画サイト先行で最新話〈朝日新聞デジタル(2019年12月26日)〉

https://www.asahi.com/articles/ASMDT62ZXMDTUCVL02C.html
 講談社が「カードキャプターさくら クリアカード編」を、雑誌発売前にYouTubeで動画として配信する、という海賊版対策を試みるそうです。良質な正規版をより早く出すことで海賊版を叩くという正攻法のテスト。うまくいくといいのですが。

 ちなみにJEPAアワードのエクセレント・サービス賞を受賞した集英社「MANGA Plus by SHUEISHA」も、YouTubeにマンガが違法アップロードされている現状に苦慮していることがIMARTの特別講演で語られていました(↓)。すんごい件数の削除依頼しているそうですよ。
https://mapdate.net/post-0045/

Amazon、コミケにひっそり初出展「Kindleを利用したつくり手や読み手を発掘したい」〈KAI-YOU.net(2019年12月29日)〉

https://kai-you.net/article/70597
 コミティアには前から出ていましたが、コミケは初出展でしたか。「Kindleマンガストア」や「Kindleインディーズマンガ大賞」(↓参照)のアピールなどをしていたそうです。
https://hon.jp/news/1.0/0/26701

「2018年度電子出版市場は3122億円で前年度比12.2%増と推計」が1位 ~ HON.jp News Blog 国内ニュースランキング(2019年下半期)〈HON.jp News Blog(2019年12月30日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27519
 2019年の下半期国内ニュースでは、7月23日配信のインプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2019』についての記事が1位でした。出版科学研究所の統計と半年ほど発表時期がズレているのがちょうどいい感じではあります。

「違法ダウンロード範囲拡大を考える院内集会レポートと考察」が1位 ~ HON.jp News Blog 特集記事ランキング(2019年下半期)〈HON.jp News Blog(2019年12月30日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27517
 2019年の下半期特集記事では、2月9日配信の「違法ダウンロード範囲拡大を考える院内集会レポートと考察」が1位でした。特集/コラムは海外国内を分けていないのですが、アクセス上位は国内のことが中心となりました。もう少し予算に余裕があれば、海外のことももっと掘り下げられるのですが。

2019年出版関連動向回顧と年初予想の検証〈HON.jp News Blog(2019年12月31日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27538
 年末最後の記事はギリギリまで書いていて、23時59分の更新でした。今年はもう少し前倒しで書いて、準備しておくようにします……。

熊本県高森町「タブレット図書館」 熊日連携、記事を配信 20年度構築〈熊本日日新聞(2020年1月4日)〉

https://this.kiji.is/586012629744993377?c=491375730748638305
 図書館のない町での、興味深い動き。入り口は新聞紙面のデジタル配信で、電子書籍貸出にも展開していく予定。図書館整備を望む声に対し、建築費や人件費を考慮した結果、デジタル配信とタブレット貸与という形に着地したとのこと。構築費を予算計上するようですが、新聞配信にも対応する必要があるわけで、まさかスクラッチ開発ではあるまいし、どこの仕組みを使うのかが気になります。

海外

米IT広告収入、日本で計上へ グーグルとフェイスブック〈共同通信(2019年12月23日)〉

https://this.kiji.is/581815869684548705?c=491375730748638305
 年末最後のメルマガで、アマゾンが2017年から法人税を日本に収めていたという記事(↓)をピックアップしましたが、グーグルやフェイスブックも日本で計上する方針とのこと。
https://this.kiji.is/581407306962224225?c=524350289572054113

 少し気になって調べてみたところ、2016年にアイルランドで米アップルが受けていた優遇税制が公正な競争を妨げる違法な国家補助にあたると欧州委員会に認定されたり、2017年10月にはルクセンブルク政府が米アマゾンに違法な税優遇を与えていたと認定されたり、といった動きがあったのですね(↓)。見落としてました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29812820V20C18A4MM0000/

 巨額な追徴課税を命じられていたりもするようで、いわゆる「タックスヘイブン」を利用して税逃れをすることのリスクが高まっている、ということが今回の動きの背景にあるようです。なるほど。

英米ではオーディオブックがEブックの次なるブームを牽引〈HON.jp News Blog(2019年12月23日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27459
 Eブックの次はオーディオブックだ! と、出版社がこぞって取り組んでいるとのこと。そういえば、日本でも最近「Podcast」が再び盛り上がっているようで、音声メディア市場はこれからもっと伸びてくるのではないかと思われます。HON.jpでも今年から始めてみることにしました

楽天が図書館向けEブック配信「オーバードライブ」を売却〈HON.jp News Blog(2019年12月27日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27504

楽天からオーバードライブを買ったKKRのリチャード・サーノフ氏は何者でどういう意図なのか?〈HON.jp News Blog(2019年12月27日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27506
 年末にびっくりニュース。楽天が買収したのは2015年4月でしたので、5年足らずで手放すことに。楽天のリリースにある Aragorn Parent とは何者なのか? という観点での報道が日本では見当たらなかったため、大原ケイさんに解説をしてもらいました。KKRはただの投資会社ではなく、リチャード・サーノフ氏も出版に縁が深い方だったのですね。

「アマゾンのオンライン書店では著作権無視のフェイク本が横行」が1位 ~ HON.jp News Blog 海外ニュースランキング(2019年下半期)〈HON.jp News Blog(2019年12月30日)〉

https://hon.jp/news/1.0/0/27520
 2019年の下半期海外ニュースでは、8月20日配信の「アマゾンのオンライン書店では著作権無視のフェイク本が横行」が1位でした。アメリカでは偽本や海賊版に関する相談が急増しているとのこと。ほぼ同時期に、CDの25%が偽物という報道もありましたが、その後どうなったか。残念ながら、私は続報を見ていません。

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CC BY-NC-SA 4.0
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※本稿はクリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際(CC BY-NC-SA 4.0)ライセンスのもとに提供されています。
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著者について

鷹野凌
About 鷹野凌 517 Articles
HON.jp News Blog 編集長。NPO法人HON.jp 理事長。明星大学/二松學舍大学/実践女子短期大学の非常勤講師で、デジタル編集論/表象メディア演習/デジタル出版論/デジタル出版演習を担当。出版学会員/デジタルアーカイブ学会員。主な著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)。アイコンは©鈴木みそ氏
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