楽天が図書館向けEブック配信「オーバードライブ」を売却

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 楽天USAが2015年4月に買収した図書館向けEブック配信会社の「オーバードライブ」を、米投資会社に売却したと業界誌パブリッシャーズ・ウィークリーなどが伝えている。

 もっとも北米でのニュースは主語が逆転し、米最大手プライベートエクイティ投資会社のKKR(コールバーグ・クラヴィス・ロバーツ)が楽天からオーバードライブを買った、となっている。

 楽天は当初、2012年に買収したカナダのEブック会社Koboとのコラボレーションで「新市場を開拓し、デジタルコンテンツ・ビジネスを拡大する」ためにオーバードライブを掌中にしたが、そうならず手放して利益を上げたことになる。

 オーバードライブCEOのスティーブ・ポタッシュは「世界規模のKKRと協力し、そのネットワークを活かせば、Eブックの読者とそのコミュニティーが恩恵にあずかれる」とコメントしている。オーバードライブは現在76カ国で4万3000の図書館や学校にサービスを提供している。

 KKRは昨年オーディオブック配信の最大手RBメディアを買収している。

参考リンク

パブリッシャー・ウィークリーの記事
https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/industry-deals/article/82066-equity-firm-agrees-to-buy-overdrive.html

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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