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2026年3月8日~14日は「日本経済新聞社増収増益」「小学館マンガワン問題の被害者が全方位配慮のメッセージを公開」などが話題に。広い意味での出版に関連する最新ニュースから編集長 鷹野が気になるものをピックアップし、独自の視点でコメントしてあります。メルマガでもほぼ同じ内容を配信していますので、最新情報をプッシュ型で入手したい場合はぜひ登録してください。無料です。クリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際(CC BY-NC-SA 4.0)でライセンスしています(ISSN 2436-8237)。
【目次】
- お知らせ
- 政治
- 社会
- なぜ「文章より動画」なのか?長文読めぬ若者を取り巻く世界/『本を読めなくなった人たち』著者・稲田豊史氏に聞く | 話題の本 著者に聞く〈東洋経済オンライン(2026年3月8日)〉
- 出版界、アマの現場でプロ躍動 芥川賞作家が公募賞に・自ら軽出版…〈日本経済新聞(2026年3月9日)〉
- 小学館「マンガワン」問題、被害女性が声明「加害教員を本当に許せない」…漫画家らには「巻き込んでしまい申し訳ない気持ち」〈読売新聞(2026年3月9日)〉
- 韓国国立中央図書館(NLK)、ウェブトゥーンやウェブ小説などの不法流通を防止するため、韓国著作権委員会及び韓国著作権保護院と協力体制を構築〈カレントアウェアネス・ポータル(2026年3月10日)〉
- 経済
- 技術
- お知らせ
- 雑記
お知らせ
3月18日(水)に開催される「Media Innovation Conference 2026」の14時20分からのセッション「『本を読めなくなった人たち』を読んで考える出版とマーケティング」に、著者の稲田豊史氏、本の中に登場する菊地悟氏(KADOKAWA)とともに、編集長・鷹野が登壇します。参加費無料(事前登録制)でオンライン配信もあります。ぜひご覧ください。
政治
文化庁長官に伊藤学司氏 都倉俊一氏は3月末で退任〈朝日新聞(2026年3月10日)〉
作曲家でJASRACの元会長である都倉俊一氏が文化庁長官を退任。レコード演奏・伝達権を導入する法改正案は今国会に提出される予定だったはずですが、成立を見届けずに退任ということになりそうです。おつかれさまでした。後任の伊藤学司氏を知らなかったため調べてみたら、2022年に文科省で高額な飲食接待を受けて減給の懲戒処分という事件があり、その中の一人が同姓同名でした。同一人物なのでしょうか?
「破格の安さで著作権を譲渡」 知財巡る不当取引、公取委が実態調査〈朝日新聞(2026年3月11日)〉
実態調査報告書はこちら。内容をチラ見しましたが、著作権の無償譲渡要請や著作者人格権の不行使条項設定要請など、よく見聞きする話が取り上げられていました。そういえば以前、某新聞へ寄稿する際に著作権譲渡もしくは独占的利用の許諾が必須だと言われたのを思い出しました。まあ、新聞ってそういうものだよねという認識だったので許容しましたけど。
社会
なぜ「文章より動画」なのか?長文読めぬ若者を取り巻く世界/『本を読めなくなった人たち』著者・稲田豊史氏に聞く | 話題の本 著者に聞く〈東洋経済オンライン(2026年3月8日)〉
本書の中でも触れられている「書籍からの抜粋記事」について、こちらのインタビュー後半でも話題になっています。東洋経済オンライン自身もよくやってる手法ですよね。本の中でも転載料が発生しないことに苦言を呈していることもあってか、この本の関連記事はインタビュー形式ばかりになっています。
ちなみに、もともとこの手法はcakes(現note)が流行らせたという認識です。2015年のJEPAセミナーに加藤貞顕氏が登壇したとき、成功事例をいくつか紹介していました。ただし、cakesは有料ウェブマガジンだったこともあり、当初は「連載」形式が中心だったと記憶しています。つまり、PVに応じた分配ではあるにせよ、原稿料は支払っていたはず。
結局その後、そういう書籍プロモーションの手法を提案されていた側の出版社が、自分たちのメディアでやるようになっていった、ということだと思うのですよね。その過程で「書籍からの転載はプロモーションだから原稿料なしね」に変わっていったんだろうなあ。cakesは消えてしまったから、歴史を辿りづらいのが難。
出版界、アマの現場でプロ躍動 芥川賞作家が公募賞に・自ら軽出版…〈日本経済新聞(2026年3月9日)〉
おお、ついに「軽出版」が日本経済新聞の見出しに。もちろん提唱者の仲俣暁生氏がコメントしています。個人的に、100~1000部くらいの限られた読者にだけ読まれる本というポジションは、電子出版が担えたはずなのに……という思いがあります。まだ諦めてはいませんが、もうちょいなんとかならんもんか。おっと、つい愚痴が。
小学館「マンガワン」問題、被害女性が声明「加害教員を本当に許せない」…漫画家らには「巻き込んでしまい申し訳ない気持ち」〈読売新聞(2026年3月9日)〉
被害者自身による文章はこちら。加害者含め全方位に配慮されたすごい文章です。必読。「許せない」と言ってる加害者に対してさえ「そういう人に発表の場を与えることも、一概に悪い事だとは考えていません」と、間接的に、マツキタツヤ氏(八ツ波樹氏)のことも救っています。
週刊文春に対してさえ「やるせない」と言ったのを記者が「ゆるせない」と聞き間違えたと捉えられる逃げ道を用意しています。すごい。ただ、被害者の方がわざわざこういう文章を出さずにはいられない状況をつくってしまったことが申し訳ないと思うのですよね。正義感の暴走は怖い。
韓国国立中央図書館(NLK)、ウェブトゥーンやウェブ小説などの不法流通を防止するため、韓国著作権委員会及び韓国著作権保護院と協力体制を構築〈カレントアウェアネス・ポータル(2026年3月10日)〉
この記事単独だと少しわかりづらいのですが、電子納本システムと連携する話のようですね。ウェブコンテンツの納本時に付与されているUCI(Universal Content Identifier)という識別子を活用して、コンテンツの流通履歴を追跡・管理するシステムを構築するみたい。日本で電子納本を促進するためには、こういう制度があればいいのかも?
経済
Amazonでもスマホでも「読書離れ」でもない…直木賞作家が断言する「町の書店」をどんどん潰している真犯人〈PRESIDENT Online(2026年3月10日)〉
真犯人は「時代の流れを読めなかった出版人」だ、と。今村翔吾氏の「他責思考に陥らない」つまり要因を外部環境ばかりに求めない、という考え方には同意します。ただ、著者と出版社と取次と書店とでは、見えている景色も状況もやってることもそれぞれ異なります。「出版人」とまとめて語るのは、ちょっと雑なのでは。
同じ出版社でも、コミックを出しているか否かで大きく状況が異なります。電子コミック市場の急成長に伴い、講談社・集英社・小学館・KADOKAWAはとくにコロナ禍のころめちゃくちゃ儲かってました。今村氏の言葉を借りれば、この4社はさながら「時代の流れを読めた出版人」でしょうか。同じ出版人でも明暗が分かれてますよね。
とはいえ、これは『書店を守れ!』(祥伝社新書)の一部を再編集した記事(つまり稲田豊史氏が苦言を呈している「書籍からの抜粋記事」そのもの)ですから、頭から全部読んだら印象は変わるかも。抜粋記事が何本も流れてきていたので、とうとう買いました。つまり抜粋記事は、私には効く。まだ読めてませんが。読まねば。
日本経済新聞社、増収増益に 25年12月期の連結決算〈日本経済新聞(2026年3月10日)〉
強い。増収増益は大手紙で唯一でしょう。「一人勝ち」と言われるだけのことはある。デジタルでしっかりした収入基盤が築けるとこうなるという好例です。PV至上主義の呪縛から逃れて「うまくいけば」こうなるはずなんですよね。
編集者は黒子であるべきか? 世界のメディアで「社員のインフルエンサー化」が進む現状から見えてくること(飯田 一史)〈現代ビジネス | 講談社(2026年3月13日)〉
「毎月課金してくれるファンが1000人いればフリーランスとしてやっていける」とアメリカでも語られている。
ケヴィン・ケリーの“1,000 True Fans(千人の忠実なファン)”ですね。
技術
AI検索でアクセス減「AI最適化」に注目 読みやすさ・結論明記が重要〈日本経済新聞(2026年3月9日)〉
GEOだのAEOだのと言われてますが、ふつうのSEOだけで充分……とずっと思っていました。ところが、数年前に1位表示を狙って書いた「デジタル出版のメリットとデメリット」がGoogle検索でいまどんな状況かを確認してみて驚きました。私の記事が検索結果一覧の1位に出てくるにも関わらず、「AIによる概要」ではその他大勢の中に紛れ込んでしまい、「AIモード」では引用元に表示されない状態になっていました。なぜ。
「AIによる概要」や「AIモード」で筆頭に出てくる引用元は、専門メディアじゃないし権威性はほとんどないと言っていいと思うんだけどなあ。まあ、Googleのアルゴリズムはちょいちょい変わりますし、ちょっとした変化にいちいち一喜一憂するつもりはないのですが。PV至上主義じゃないし。でも、こういうことも起こるのだなあ、と。
ちなみに1位表示を狙ったのは、大学の授業でレポート課題を出したら、ろくでもない記事を出典にしてくる学生が多かったから。こりゃアカン、まともなソースを一般公開しておかないと、と思ったのです。読みやすいように「メリット」と「デメリット」で記事を分けたんだけど、まとめておいたほうがよかったのかもなあ。
AIエージェントが広告交渉を自動化する時代へ──PubX CEOが語るパブリッシャー収益革命〈Media Innovation(2026年3月11日)〉
うーん……先日、MetaがAIで勝手に広告素材を改変するってニュースがありましたが、なんでも自動化すればいいってものでもないと思うのですよね。
電子マンガを「B4雑誌サイズ」の迫力へ。2台のタブレット(スマホ)を同期し、圧倒的没入感を生むリーダーアプリ『MIHIRAKI』リリース〈.VASTのプレスリリース(2026年3月12日)〉
昔、iPad2台を連携させて見開きにする「富豪ブック」というアプリがありましたね。というか、App Storeを確認したらまだありました。でもAndroid版はなかった。この「MIHIRAKI」は、iOSとAndroidどちらでもいけるようです。ただ、現時点で対応しているのは「Kindle」と「少年ジャンプ+」だけ。「対応サービスは順次拡大予定」とのことです。
Google検索×Geminiで「無関係な広告は40%減」――グーグル幹部が語るAIと広告事業の現在地〈ケータイ Watch(2026年3月13日)〉
自社で開発したAIを使い、自社サービスの改善を行う。理想的ではあります。ただ、これは素朴な疑問なのですが、なにをもって「ユーザーと無関係」と判定するんでしょう? その基準次第で、この数字ってけっこう変わると思うのですが。
お知らせ
新刊について
新刊『ぽっとら Podcast Transcription vol.1 ~ 詐欺広告や不快広告・金融検閲・生成AIと著作権・巨大IT依存問題など、激変する出版界の広範な論点を深掘りしてみた。』を刊行しました。ポッドキャストファーストという試みです。今後も続けたい。
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日刊出版ニュースまとめ
伝統的な取次&書店流通の商業出版からインターネットを活用したデジタルパブリッシングまで、広い意味での出版に関連する最新ニュースをメディアを問わずキュレーション。FacebookページやX(旧Twitter)などでは随時配信、このコーナーでは1日1回ヘッドラインをお届けします。
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雑記
積み上がっていたNPO法人の事務処理にようやく目鼻がつきました。週明けには個人の確定申告を終わらせます。締切に追われてやってるようじゃダメだよなあ……(鷹野)
























