「Yahoo!ショッピング版ebookjapan開始」「LINEノベルiPhoneアプリ提供開始」など、出版業界気になるニュースまとめ #385(2019年8月5日~11日)

週刊ニュースまとめ&コラム

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 2019年8月5日~11日は「Yahoo!ショッピング版ebookjapan開始」「LINEノベルiPhoneアプリ提供開始」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

国内

「LINEノベル」iPhoneアプリが提供開始 ~ 読めば読むほど無料チケットが貰えるシステムで読書を習慣化〈HON.jp News Blog(2019年8月5日)〉

 LINE株式会社は8月5日、同社が展開する小説プラットフォーム「LINEノベル」の公式アプリをリリースした。iPhone版(iOS 11以上)が先行配信で、Android版は9月配信予定で事前登録を受け付けている。 LINEノベルアプリを開くと、まず「あなたの好みはどちらですか?」と尋ねられる。「文芸」と「ライトノベル」のどちらかを選択すると、「レーベル」のトップページが変わるという仕掛けになっている。この設定は「マイページ...

 Android版は9月配信予定で、事前登録受付中です。リリース直前に取材させてもらったので、少し詳しめに書いてありますが、読めば読むほど無料チケットが貰えるとか、文芸/ラノベを任意で切り替えられる(これはBOOK☆WALKERと類似)といった仕組みが面白い。少し早くリリースされた「まいどく」と同様、横書き・縦スクロールなのはやはり、いま本を読んでいない層へリーチするためでしょう。すでに本が好きな人は、ふつうに本(紙でも電子でも)を買えばいいと思うのです。

「著作権を主催者に変更」戸惑う参加者 撮りフェス室蘭…問題急上昇

 コンテストに応募すると著作権が移転してしまうという、アグレッシブな規約。東京オリンピックのチケット保有者が写真や動画を撮影したらその著作権がIOCに移転され、著作者人格権を行使しないことにも同意することになってしまう条項(↓解説)と類似している、と思いました。

2020年東京オリンピックのチケット購入・利用規約において、チケット購入者は会場内で撮影した写真や動画の著作権を無償でIOCに譲渡することに同意する旨の規定があります。この既定について検討します。

海賊版サイト対策、警告方式困難 「通信の秘密」抵触懸念

 総務省有識者会議の報告書はこちら(↓)。アクセス警告方式は海賊版対策として一定の効果が見込めるものの、包括的な約款同意で有効とみなすのは難しいため、ネットワーク側ではなく、すでに実施されている端末側での実装を促進していくべきだ、という結論になっています。

 総務省では、海賊版サイトへのアクセスを効果的に抑制するための方策の実施における前提となる法的整理等について検討するため、「インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止方策に関する検討会」を、平成31年4月19日から令和元年8月5日までの間、開催してきました。  今般、同検討会において「インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止方策に関する検討会 報告書」が取りまとめられましたので、これを公表しま...

Yahoo!ショッピング版「ebookjapan」開始、紙書籍と電子書籍のハイブリッド型に〈HON.jp News Blog(2019年8月9日)〉

 ヤフー株式会社と協力して電子書店「ebookjapan」を運営する株式会社イーブックイニシアティブジャパンは7月31日、オンラインモール「Yahoo!ショッピング」にて電子書籍の販売を開始、紙書籍と合わせハイブリッド型のオンライン書店を運営する形となった。 Yahoo!ショッピング版ebookjapanでは従来のebookjapanと同様、試し読みや期間限定の無料マンガが閲覧できる。電子書籍はYahoo!ショッピングのキャンペーン対象となるほ...

 Yahooドメイン入りしたメリットを最大限に活かすには、やはりこういう方向になりますよね。もちろん、同じYahoo!JAPAN IDを使えば、従来のebookjapanとも同じ本棚で管理できます。Yahoo!ショッピングには古書店も出店しているので、Yahoo!ショッピング全体で考えると、Amazonと同様、紙の新刊/古本と電子のハイブリッド型になった、とも言えるでしょう。新刊も古本も電子も買えるのはアマゾンだけだった(はず)なので、国内勢もようやくここまで来たか感。あとはセルフパブリッシングを受け付ければ……。

「漫画村」運営疑いで男逮捕 人気作品無断公開、福岡空港で

 続報。出頭してきたのに、認否留保ってどういうこと?

海外

米ノーベル文学作家トニ・モリソン逝去〈HON.jp News Blog(2019年8月7日)〉

 黒人女性作家として初めて1993年にノーベル文学賞に輝いたトニ・モリソンが亡くなったと版元のクノップフから発表された。 晩年はニューヨーク郊外のグランドヴューオンハドソンに住んでいたが、現地時間の月曜日に市内の病院で亡くなり、原因は肺炎による感染症と伝えられた。 代表作には1977年に全米書評家協会賞をとった『ソロモンの歌』(早川書房)、1988年にピューリッツァー賞に選ばれ、オプラ・ウィンフリー主演で...

 一貫してアメリカに生きる黒人女性の声を綴ってきた作家です。R.I.P.

米地方紙大手2社が合併、250紙以上を抱える大所帯に〈HON.jp News Blog(2019年8月8日)〉

 アメリカの38州で約150紙のローカル紙を抱えるゲートハウス・メディア社(親会社はニュー・メディア投資グループ)は、同じく全米で100紙以上のローカル紙や「USAトゥデイ」紙を傘下に持つガネット社を統合吸収すると、USAトゥデイ紙など複数メディアが伝えた。 ゲートハウスは本社をニューヨーク州ピッツフォードに置き、一方のガネットはバージニア州マクリーンに本社を置くが、合併後は社名をガネットとし、本社もガネッ...

 ガネット社を買収したゲートハウス・メディア社の親会社はニュー・メディア・インベストメント・グループで、そのまた親会社はフォートレス・インベストメント・グループで、そのまた親会社はソフトバンクグループという玄孫会社関係になっています。わけわからん。

ローカル紙合併にみるアメリカ新聞産業の苦境〈HON.jp News Blog(2019年8月11日)〉

 新聞社2社が併せ持つローカル紙(community paper)が250紙以上という状況は、日本の新聞読者にはわかりづらいかもしれない(8月8日の記事「米地方紙大手2社が合併、250紙以上を抱える大所帯に」を参照)。実際には、さらにその6倍もの数のローカル紙が全米に散在している。なぜ、そういう構造になっているのか、今回の合併でどういうことが起こるのか、アメリカの新聞産業の状況はどうなのかが、少しでも理解できるように説...

 ガネット社買収のニュース、数百という地方紙が1つのグループって、どういう構造になってるのか想像もつかない……なんて言ってたら、大原ケイさんが解説コラムを書いてくれました。なるほどインキュベーター(孵化器)。

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CC BY-NC-SA 4.0
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※本稿はクリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際(CC BY-NC-SA 4.0)ライセンスのもとに提供されています。

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著者について

About 鷹野凌 674 Articles
HON.jp News Blog 編集長 / NPO法人HON.jp 理事長 / 明星大学でデジタル編集論・二松學舍大学でエディティング・リテラシー演習担当の非常勤講師 / 日本出版学会員 / デジタルアーカイブ学会員 / 主な著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)
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