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LINE株式会社は8月5日、同社が展開する小説プラットフォーム「LINEノベル」の公式アプリをリリースした。iPhone版(iOS 11以上)が先行配信で、Android版は9月配信予定で事前登録を受け付けている。
LINEノベルアプリを開くと、まず「あなたの好みはどちらですか?」と尋ねられる。「文芸」と「ライトノベル」のどちらかを選択すると、「レーベル」のトップページが変わるという仕掛けになっている。この設定は「マイページ」からいつでも変更できる。
LINEノベルで配信されるのは、出版社からの「レーベル」作品と、一般ユーザーからの「投稿作品」の2系統にわかれる。有料作品は約200点で、基本は3話まで無料、続きは1話20コイン(20円)もしくは無料チケット(1作品1日3枚まで)で読むことができる。無料チケットは、読書時間に応じて1週間ごとに配布される「読めば読むほど、無料」というシステムになっている。
コインの購入やチケットの獲得はアプリへログインする必要があるが、LINEアカウントによるログインと、同社のサービスには珍しくメールアドレスによるログイン機能も用意されている。作品は1話2000字から3000字程度が、横書き・縦スクロールで提供される。話の区切りは、ちゃんとストーリー展開の切れ目になるよう人の手で調整しているとのこと。
「レーベル」作品は、新創刊の文芸レーベル「LINE文庫」とライトノベルレーベル「LINE文庫エッジ」から毎月最大10点が紙と電子で書籍として出版されるのと同時に、LINEノベルアプリでも配信される。統括編集長は株式会社ストレートエッジの三木一馬氏。
創刊ラインアップは『魔導ハッカー〉〉暴け、魔法の脆弱性を』(著者:鎌池和馬/イラストレーター:HIMA)、『ウィッチクラフトアカデミア ~ティノと箒と魔女たちの学院~』(著者:逢空万太/イラストレーター:bun150)など。
また、宮部みゆき「小暮写眞館」(新潮文庫nex)や、川原礫『ソードアート・オンライン』(電撃文庫)など、他社の既存人気作品も配信されている。なお、巻売りへの誘導はいまのところ存在しないが、LINEの担当者によると視野には入れているそうだ。
「投稿作品」は、7月23日時点で約6500作品が配信されている。「令和小説大賞」に応募された約2400作品も読むことができる。投稿者は、応募作品に対する読者の反応を見たうえで、締め切りの9月30日までであればブラッシュアップも可能だ。
LINEの担当者によると、まずとにかく「読む人」と「書く人」をたくさん集め、裾野を広げていきたいとのこと。どちらかというと、いままで「読書」の習慣がなかった人をメインターゲットとし、スキマ時間で少しずつでも「読む」習慣を身につけてもらうことが狙いと言っていいだろう。
参考リンク
LINEノベル公式サイト