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2019年5月27日~6月2日は「アクセシブルな読書環境という理想と現実」「本にウソが見つかった時、米出版社はどう対処するのか」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。
【目次】
国内
マンガ・ノベルサービス「comico」のアプリが世界累計3000万ダウンロード突破 ~ サービス開始から5年7ヶ月で達成〈HON.jp News Blog(2019年5月27日)〉
世界累計3000万ダウンロード! うち日本は1700万ダウンロードです。凄まじい
「Renta!」のパピレスと「めちゃコミック」のアムタスが海外取次事業で共同出資会社を設立〈HON.jp News Blog(2019年5月29日)〉
記者発表会の現地から速報配信。1番早かったみたいです。便利な正規版は、海賊版を駆逐します。頑張って欲しいですね。
誌面PDFをAIで自動変換、マイクロコンテンツ・リフロー化 ~ Kono Japanが「Smarticle」のパイロットプログラムを6月から展開開始〈HON.jp News Blog(2019年5月30日)〉
リリースを一読し、雑誌記事データをAIでマイクロコンテンツへ自動変換という仕組みにすごーく既視感があったのでメール取材。Kono Digital inc.は「マガポート記事サービス」(↓)に技術供与を行っている企業でした。なるほど、そういうことか。
オーディオブックが高速バスの旅のお供に ~ オトバンクとWILLER EXPRESSのコラボ正式スタート〈HON.jp News Blog(2019年5月31日)〉
長距離移動の電車・バス・飛行機などは、オーディオブックと相性が良さそうです。良いコラボ。
誰もが読書できるアクセシブルな環境という理想と、データ流出への根強い懸念という現実〈HON.jp News Blog(2019年5月31日)〉
月末コラム。日本出版学会の春季研究発表会に参加して感じたことを綴ってみました。恐らく、誰に尋ねても「アクセシビリティは大事」と答えるでしょうけど、それがビジネスになるかどうかは別問題、という。補助金・助成金をうまく活用すれば……とも思うのですが、申請が面倒なのと、申請が通るかどうかわからないのと、キャッシュが入るまでに時間がかかるなどの難題をクリアする必要もあり。悩ましい。
海外
ラジオ番組で新刊の間違いを指摘されたフェミニスト作家の対応〈HON.jp News Blog(2019年5月29日)〉
https://hon.jp/news/1.0/0/24932
誤読を認め、指摘者に感謝するツイートをしたそうです。いっぽう日本では……?
歴史を扱う本にウソが見つかった時、アメリカの出版社ではどう対処しているのか?〈HON.jp News Blog(2019年5月30日)〉
上記の記事をうけ、アメリカでの著者や版元の責任範囲について、大原ケイさんに解説コラムを書いていただきました。
日本でもいちおう、書協の契約書ひな型(↓)には「第15条(内容についての保証)」というのがありますが、厳密には「いかなる権利をも侵害しない」であって、内容に虚偽や誤りがあった場合の定めではない感じです。「など」に含まれると、解釈できなくはないけど。
そういえばつい先日、東洋英和女学院の元院長・深井智朗氏の著書『ヴァイマールの聖なる政治的精神』(2012年)に捏造と盗用があるとして、岩波書店が絶版・回収するというお知らせを出していました(↓)。さすがにこういう事例だと「甲(著者)は、その責任と費用負担においてこれを処理する」のかな……?
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