「TSUTAYA、買切方式導入へ」「『ViVi』と自民党のコラボが炎上した背景は」など、出版業界気になるニュースまとめ #377(2019年6月10日~16日)

出版業界気になるニュースまとめ

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 2019年6月10日~16日は「TSUTAYA、買切方式導入へ」「『ViVi』と自民党のコラボが炎上した背景は」などが話題に。編集長 鷹野が気になった出版業界のニュースをまとめ、独自の視点でコメントしてあります。

国内

TSUTAYA、出版社から書籍を購入し販売する「買い切り」方式導入へ 出版流通の変化加速〈毎日新聞(2019年6月11日)〉

 大手書店のTSUTAYA(東京都渋谷区)が、出版社から書籍を購入し販売する「買い切り」方式を始めることを明らかにした。書籍の返品率を下げるのが目的で、出版社と合意次第、始めたい考えだ。ネット通販大手の「アマゾンジャパン」(目黒区)が2月、「買い切り」方式を年内に試験的に開始すると発表しており、これ

 20%だけ返品対象にする、値下げはしないなどの条件があるようです。正味はどれくらいなんだろう? この記事内では他の事例としてアマゾンしか触れていませんが、買切・直仕入は紀伊國屋書店のほうが先行していますね。2015年9月に村上春樹氏の『職業としての小説家』(スイッチ・パブリッシング)を、初版の9割を紀伊國屋書店が買切で仕入れたのは大きな話題になりました。

「絵本ナビ」プレミアムに児童書の読み放題コーナーが追加〈HON.jp News Blog(2019年6月12日)〉

 株式会社絵本ナビは6月10日、同社の運営する絵本の情報・通販サイト「絵本ナビ」のプレミアムサービスと、株式会社NTTドコモが運営する「スゴ得コンテンツ」へ提供している「絵本ナビプレミアム forスゴ得」で、小学生以上を対象とした児童書の読み放題コーナーを追加したことを発表した。 絵本ナビプレミアムサービスは、デジタル絵本約300冊の読み放題、絵本ムービー見放題、広告非表示などの特典を、月額360円(税別)で...

 デジタル絵本約300冊が読み放題などの特典があるプレミアムサービスに、児童書(読みもの)が追加。どんどん充実。

雑誌は政治的発言をして良いはず 『ViVi』と自民党のコラボが炎上した背景とは(植村八潮)〈Yahoo!ニュース個人(2019年6月12日)〉

講談社の女性ファッション誌『ViVi』オンライン版と自民党のコラボが話題である。メディアでの批判に、講談社は政治的意図はないとするが、批判のポイントはそこではない。

 ファッション雑誌が政治的な記事を載せたから炎上したのではなく、広告企画だから「表現メディアが主体性を失って、政治に利用された」ことに対し批判されているのだ、という指摘。どういう広告を載せるか/載せないかという判断も「媒体方針」なので、私は好きにすればいいと思うのですが、植村氏がおっしゃるように、この「媒体方針」を『ViVi』読者がどう捉えたのか? は気になります。

 なお、参議院選挙へ向けてこれから政治的な広告が増えてくることが予想されますが、HON.jp News BlogはGoogle AdSenseの設定で、以前から「政治」を含む「デリケートなカテゴリ」はすべてブロックしてあります。一般カテゴリでも、私が不快と感じる広告が多いものはブロックしてますし、ときどき広告レビューセンターをチェックして個別にブロック、というメンテナンスもしています。Google AdSenseの収益性は確実に下がりますが、それが媒体方針なので。

小説投稿サービス「ノベルバ」で「待つと無料」の商業作品を配信開始〈HON.jp News Blog(2019年6月13日)〉

 電子書店「まんが王国」などを運営する株式会社ビーグリーの子会社で小説投稿サービス「ノベルバ」を運営する株式会社ノベルバは6月10日、「待つと無料」方式を採用した商業作品の配信を開始した。 商業作品は「ラノベ」コーナーにて、5分程度で読める「エピソード」単位に分割され、横書き縦スクロール形式で提供される。「待つと無料」は、前エピソード閲覧後24時間が経過すると、次エピソードを無料で読める方式。投稿作...

 小説投稿サービスに商業作品も配信されるのは、カクヨムなど他でもあるので珍しくはありませんが、「待つと無料」方式でマネタイズも図ろうとしている点は興味深い。ただ、ラインアップはいまのところ双葉社だけのようです。

海外

ヘッジファンドによるバーンズ&ノーブル買収話に”待った”〈HON.jp News Blog(2019年6月11日)〉

 6月7日にニューヨーク・タイムズなど一部マスコミで「最終合意に至った」とされた米最大手書籍チェーン店のバーンズ&ノーブル(Barnes & Noble、以下B&N)の身売り話だが、ウォール・ストリート・ジャーナルなどは、今回話をとりまとめたエリオット・マネージメントより先に買収交渉をしていたリーダーリンク(ReaderLink)社も、エリオットの買収額を上回るオファーを出してくるだろうと報じている。 リーダーリン...

 「最終合意に至った」と報じられた後に、カウンター情報が出てきている模様。ただ、その後、締め切りまでに新しい入札は受領されなかった(↓)ようです。

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CC BY-NC-SA 4.0
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著者について

About 鷹野凌 602 Articles
HON.jp News Blog 編集長 / NPO法人HON.jp 理事長 / 明星大学でデジタル編集論・二松學舍大学でエディティング・リテラシー演習担当の非常勤講師 / 日本出版学会員 / デジタルアーカイブ学会員 / 主な著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(2015年・インプレス)/ プロフィール画像は©鈴木みそ氏
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