ペンギン・ランダムハウス大型合併から5年

《この記事を読むのに必要な時間は約 2 分です》

 この7月1日付で英語圏最大の出版社、ペンギン・グループとランダムハウスが統合から5年経つのを機に、業界誌パブリッシャーズ・ウィークリーが米出版業界に与えた影響を振り返っている。

 統合は2012年の10月に発表され、ランダムハウスCEOのマーカス・ドールがCEOに、ペンギンのジョン・マキンソン会長が合併後の会長を務めた。当初は大規模なリストラや本の出荷の際の混乱などが懸念され、さらに多くのエージェントや著者は、ベストセラー作家を争ってきた2社が合併することによってアドバンス(印税の前払い金)額が減ることなどを危惧していた。

 リストラによる人員削減はあったものの、編集やマーケティングといった出版活動に社員が専念できるように、合併は両社の経営陣によって速やかに行われたとドールCEOは振り返る。両社の社風の違いや、経理システム以降の際のITトラブルも問題とならず、現在は年間総売上額34億ドル(2017年)、世界に275のインプリントを持ち、年間1万4000タイトルの新刊を出し、7億冊を売り上げ、約1万人の従業員を抱える出版社となっている。

参考リンク

パブリッシャーズ・ウィークリーの記事
https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/publisher-news/article/77617-at-prh-producing-a-publishing-powerhouse.html

HON.jp News Blogは広告費のほか、みなさまからの寄付金会費などによって運営されています。

スポンサードリンク

About 大原ケイ 148 Articles
NPO法人HON.jp 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。

関連記事

米オーディブルが和解に応じて期限切れのキャンセル分を返却  アマゾン傘下のオーディオブックサービス、オーディブルが2件の集団訴訟で和解した。  この訴訟は Audible.com のアカウントをキャンセルした時や、ギフト会員期間が過ぎるとオーディオブックと交換できるクレジットが失われることを、ユーザーに伝えてなかったという内容だった。米連邦の商業法で...
クラウドレストラン評の先駆け、ザガット・ガイドが紙版で復刻  えんじ色の縦長の冊子で毎年エリア別のレストランがランク付けされる「ザガット・ガイド」がこの秋、復活するとニューヨーク・タイムズが伝えている。  2016年で冊子型のガイドを作るのを止め、オンラインに移行していたザガットだが、今秋発表される2020年度のサーベイ結果は、まずはニューヨーク版をプ...
マイクロソフトがEブックを終了、購入分は払い戻しへ  2017年4月にスタートしたマイクロソフト・ストアのEブック(当時の記事)は、4月2日付で閉店した。7月以降は既に購入した本も読めなくなることとなり、ユーザーがこれまでに購入した全てのEブック分は払い戻しされる。  新たにEブックを購入することはできないが、払い戻しが処理される7月まで購入分...
フェイスブックがコンテンツ代を払うという発言に沸き立つ出版業界  フェイスブックなどのSNSが無料でニュース記事が読めるプラットフォームとして定着し、窮地に追いやられていた米マスコミ業界だが、マーク・ザッカーバーグCEOの「これからはニュースコンテンツに金を出す」という発言を注意深く見守っている、とビジネスニュースサイトの「ビジネス・インサイダー」が伝えている。...
Eブックよりも紙の本の方が子どもとの絆が深まるという研究結果  小さい子どもにはタブレットより紙で本を読む方が親との触れ合いが高まるという研究結果が出たと、ニューヨーク・タイムズ紙が伝えている。  早い時期での読み聞かせによる神経発達、教育成果、社会性向上の利益は既に指摘されているが、最新の研究結果では、紙の本の方が親子の絆を深めるのにより良いとする結果...
セミナー「アメリカに日本のマンガを輸出する」4月22日東京で開催(松井剛/日本電子出版協会)...  一般社団法人日本電子出版協会は4月22日、セミナー「アメリカに日本のマンガを輸出する」を東京で開催する。登壇者は同名著作を3月14日に有斐閣から刊行した、一橋大学大学院経営管理研究科教授 松井剛氏。 イベント概要 日時 2019年4月22日(月)15時から17時30分(14時30分受付開...
アップルの米定額読み放題サービスに参加した雑誌出版社、拒否した新聞社  3月25日にアップルが発表した「アップル・ニュース・プラス」という定額読み放題(毎月10ドル)サービスには300誌ほどの雑誌が参加したが、新聞は3紙(ロサンゼルス・タイムズ、トロント・スター、ウォール・ストリート・ジャーナル)しかない。新聞業界ではここ10年ほど、リストラや、広告費の減少や、部数の...
いちから始めるアメコミ出版社に勝算はあるか?  アメリカン・コミックといえば、バットマンのDCコミックスと、スパイダーマンのマーベル・コミックス2社の複占市場に近い。そこに新しいプレーヤーが入っていけるだろうか?とニューヨーク・タイムズがコミック出版社を紹介している。  2大コミック社以外では、ロバート・カークマンが描く『The Walk...
米ヴィズ・メディアが現地のマンガ系グラフィック・ノベルの新インプリント設立  小学館と集英社がアメリカのサンフランシスコで立ち上げたマンガ出版社ヴィズ・メディア(Viz Media)が、日本のマンガやアニメに影響を受けたアーティストらによるオリジナルのグラフィック・ノベルを刊行するインプリント「ヴィズ・オリジナル(Viz Originals)」を創設すると業界誌パブリッシャ...
米アマゾンが自閉症のニセ科学本を削除  アマゾンが第三業者による「マーケットプレイス」から、自閉症治癒として非科学的な療法を掲げた本を削除したと、NBCなどの米マスコミが伝えている。  二酸化塩素の効果で191人の子どもが治ったなどとする「Healing the Symptoms Known as Autism(自閉症の症状を治す...