米上訴審で使用済み音楽ファイル転売は著作権法違反の判決、出版業界も安堵

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 ReDigi社が2011年に初めて試みた著作権付き「使用済み」音楽ファイルの市場(具体的にはユーザーが既に購入したiTunesの曲を売り買いするプラットフォーム)を作るのは、著作権法に抵触するという合衆国控訴裁判所の判決がようやく下ったと、業界誌パブリッシャーズ・ウィークリーをはじめとする複数のメディアが伝えている。

 この訴訟は、音楽・音声ファイルに限らず、Eブック、ビデオ、ゲーム、ソフトウェアに波及すると考えられていたため、米出版業界も注目していた。

 2013年の初審において、元のユーザーが所有するガジェットから完全に音楽ファイルを削除し、新しいユーザーがダウンロードできるようにするのは、アナログで中古レコードを売るのと同じだと主張していたReDigi側の言い分を、上訴審ではことごとく却下。「“使用済み”の電子化ファイルを転売する過程は、ReDigiのサーバーにおいて再生することを内包しており、著作権の侵害にあたる」との判断がなされた。

 また、「フェアユース」の4条件にも該当しないとされた。「ReDigiの試みはデジタル音声ファイルの再販売というが、販売対象となるものは元の著作権保持者が有するファイルと寸分変わらない」という判断だ。

 今回の訴訟は、ReDigiのビジネスが合法となれば、電子書籍にも拡大される可能性があったことから、全米出版社協会のマリア・パランテ会長は早速声明を発表し、この司法判断を支持した。

参考リンク

パブリッシャーズ・ウィークリーの記事
https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/digital/copyright/article/78807-appeals-court-shoots-down-digital-resale-in-redigi-case.html
全米出版社協会のコメント
http://newsroom.publishers.org/publishers-welcome-the-second-circuits-ruling-in-capitol-records-v-redigi/

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About 大原ケイ 110 Articles
NPO法人日本独立作家同盟 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。