バーンズ&ノーブルを買収しようとしたのはイギリスのWHスミスか?

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 前CEOが解雇を不服としてバーンズ&ノーブルを訴えた際に提出された訴状から、今春に話がまとまりつつあった身売り先はイギリスの書籍チェーン店、WHスミスだったことが判明したとウォール・ストリート・ジャーナルが伝えている。

 メディアからの問い合わせにバーンズ&ノーブルもWHスミスもノーコメントを通しているが、前CEOのデモス・パーネロが今夏にクビになった際、6月ごろに、とあるbook retailer(書店を指す)の買収話があったが、経営状態の数字などを考慮した結果、その話は流れたとしている。バーンズ&ノーブル側はパーネロ氏解雇の理由の一つとして、「勝手に会社のことを一方的に貶める発言をして」買収話を決裂させた、と不当解雇を訴える訴状に反論した。

 電子書籍関連のニュースサイト、The Digital Readerは、同じ時期にWHスミスが43空港に114書店を展開するInMotionを1億4800万ドルで買収したことからも、バーンズ&ノーブル買収を諦めたからと考えればつじつまが合うと主張している。またWHスミスは年商16億ドルほどあり、経営状態が悪く、何倍もの規模があるバーンズ&ノーブルを買収するメリットは認められなかっただろうとしている。

参考リンク

ウォール・ストリートジャーナルの記事(有料)
https://www.wsj.com/articles/barnes-nobles-mystery-suitor-was-u-k-retailer-wh-smith-1541505600
The Digital Readerの記事

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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