表現の自由を脅かしたとしてPENが米大統領を訴える

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 PENアメリカが、ドナルド・トランプ大統領を「自らと意見を異にする特定のメディアに対し恫喝し、制裁措置をとろうと試みた」としてニューヨーク州の地方裁判所に提訴した。

 訴状には「もちろんトランプ大統領にも個人として憲法修正第1条にのっとり、好きなだけマスコミを批判する権利はあるが、連邦政府の力を使って制裁を加えたり弾圧したりすることは許されない」とある。レポーターを名指しでdisgusting(おぞましい)と言ったり、自分に都合の悪い報道を「フェイクニュース」と評し、ジャーナリストを「人民の敵」呼ばわりするのは、スターリンのような独裁政権がすることで、アメリカの法律に反する行為、とある。

 この訴訟はPENアメリカからの依頼により、非営利団体のProtect Democracyやイェール大学法律学科のMedia Freedom and Information Access Clinicが請け負っており、以下の4点が違法だと主張している。

  1. 批判的な報道をしたとして、TV局CNNの親会社であるタイム・ワーナーと通信会社のAT&Tの合併に米司法省を通し、圧力をかけようとしたこと。
  2. 批判的な記事を書くワシントン・ポスト紙のオーナーであるジェフ・ベゾスに対し、アマゾンの配送費を値上げできないか、米連邦郵便局に打診したこと。
  3. TVネットワークでの批判的な報道に対し、放映権を剥奪させると脅したこと。
  4. 特定のレポーターをホワイトハウス担当から外させようとしたり、報道の妨害をしたこと。

 PENアメリカはこの訴訟によって、トランプ大統領が「米政府の組織やスタッフに命令して、彼が気に入らない言論を行った人物や組織に対し、あらゆる措置を実際にとる」ことを禁じる裁判命令を求めている。

関連リンク

米パブリッシャーズ・ウィークー紙の記事
https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/publisher-news/article/78341-pen-america-is-suing-donald-trump.html
PENアメリカの声明
https://pen.org/pen-america-v-trump/
ニューヨーク南地区に申請された起訴状
https://pen.org/wp-content/uploads/2018/10/PEN-America-v-Trump-Complaint.pdf

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About 大原ケイ 135 Articles
NPO法人日本独立作家同盟 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。

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