テクノロジー企業の大富豪がTIME誌買収

 ソフトウェアのSalesforce(セールスフォース)創設者夫婦がメレディス社から1億9000万ドルでTIME誌を買うことに同意した、と複数の米マスコミが伝えている。

 アマゾンのジェフ・ベゾスがワシントン・ポストを2013年に、アップル創設者スティーブ・ジョブスの妻ローリーン・パウエル・ジョブスが持ち会社Emerson Collectiveを通してアトランティック誌の最大出資者となるなど、テクノロジー系企業出身者が老舗のメディアを買いとったのに続き、セールスフォース社のマーク・ベニオフとリン・ベニオフの夫婦がTIMEという20世紀アメリカを代表する雑誌の新しいオーナーとなる。

 セールスフォース社と合意に至った理由として、メレディス社のアラン・マレー氏は「何十社を相手に検討してきたが、プライベート・エクイティのように厳しく黒字を要求するでもなく、雑誌のデジタル化には積極的だが、編集方針にはノータッチの方針だったから」としている。

 これまでの買収先には、ドナルド・トランプ大統領と近しい間柄のデイビッド・ペッカー氏率いるアメリカン・メディア社からのオファーもあった。フォーブス誌によると個人資産が60億ドルを超えるベニオフ夫妻は、セールスフォース社としてTIMEを買収するのではなく、個人としてタイムのオーナーとなる。

参考リンク

メレディス社のプレスリリース
http://meredith.mediaroom.com/2018-09-16-Meredith-Corporation-To-Sell-TIME-Media-Brand-To-Marc-And-Lynne-Benioff
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事(有料)
https://www.wsj.com/articles/time-magazine-sold-to-salesforce-founder-marc-benioff-for-190-million-1537137165

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About 大原ケイ 64 Articles
NPO法人日本独立作家同盟 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。