【更新】英ウォーターストーンズが書店員のベア6.2%へ

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 イギリス最大手の書籍チェーン店、ウォーターストーンズは、国が定める生活賃金(living wage)の引き上げ(時給8.21ポンドから8.71ポンド)に伴い、4月1日から6.2%の賃上げを行うと発表した。[編注:生活賃金とは、最低限必要な生活費から算定した賃金のことで、最低賃金とは異なる]

 イギリス内外に約280店舗あるウォーターストーンズは、2018年にヘッジファンドであるエリオット・アドバイザーズに買収され、ジェームズ・ドーントがCEOとなった。2019年のウォーターストーンズは前年比39%増の売上2270万ポンドを記録しており、2019年春には賃上げを求めて書店員らが署名運動を起こしたが、この際ドーントに署名を渡した5人の書店員は低賃金で意欲をもって働けないと既に全員退職している(記事)。

 目下、米最大手書籍チェーン店であるバーンズ&ノーブルのCEOも兼任するドーントだが、[以下更新]英ガーディアン紙の取材に対し「店長やバイヤーなどのプロ職には充分な報酬を支払っており、それを犠牲にしてまで一律にロンドンの生活賃金は出せない」とコメントしている。[更新ここまで]

 アメリカでもカリフォルニア州やニューヨーク州で最低賃金値上げの動きが高まっており、アメリカでも同様の改革が行われるか注目されている。

参考リンク

ガーディアン紙の記事
https://www.theguardian.com/books/2020/feb/27/waterstones-defends-minimum-wage-in-year-of-record-profits
ザ・ブックセラーの記事
https://www.thebookseller.com/news/waterstones-booksellers-awarded-62-pay-rise-1193218
Books+Publishingの記事
https://www.booksandpublishing.com.au/articles/2020/02/27/146573/waterstones-staff-to-receive-6-2-pay-rise/
リテール・ガゼットの記事 

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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