米連邦裁判所、ウィキリークスで公開された違法に盗まれた情報でも報道の自由ありと判断

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 2016年のアメリカ大統領選挙を目前に民主党全国委員会(Democratic National Committee:DNC)のEメールがハッキングされ、その内容がウィキリークスで公開された事件を受け、ジュリアン・アサンジやドナルド・トランプの選挙対策委員会幹部らを相手取った訴訟がニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所のジョン・コールトル判事により却下された。

 原告であるDNCは、献金者や選挙活動の内容など秘匿の企業秘密に当たる情報が盗まれ、ウィキリークスはそれが違法に入手されたものだと承知して公開したとして告訴していた。ジョン・コールトル判事は、Eメールが公開された時点で企業秘密は無効であり、その情報の公共性が企業秘密の重要性を上回るとした。

 DNCは上訴する可能性もある一方で、他のメディアでは中央情報局(Central Intelligence Agency:CIA)の Vault 7 と呼ばれる諜報作戦内容を漏らした罪に関しても、ジュリアン・アサンジが米当局に起訴される可能性はないと伝えている。オーストラリアの市民権を持つアサンジは、現在もロンドン郊外のベルマーシ刑務所に拘留されている。

 選挙運動中はいくどとなくウィキリークスを讃える発言をしていたトランプ大統領だが、今はアサンジの引き渡しを要求している。ジュリアン・アサンジは17件のスパイ行為など、アメリカの法廷で有罪になれば最長で175年の刑期となる可能性がある。

参考リンク

豪ABCニュースの記事
https://www.abc.net.au/news/2019-07-29/trump-administration-after-assange-and-it-serves-as-a-warning/11350854
インターネット上の表現の自由支援団体 Reclaim the Net の記事
https://reclaimthenet.org/dnc-lawsuit-against-wikileaks-dismissed/

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About 大原ケイ 209 Articles
NPO法人HON.jp 理事。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。

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