個人が調停を求めるための米著作権改正法が上院採決へ一歩近づく

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 著作権侵害の申し立てを少額裁判所で扱えるようにする著作権改正法(Copyright Alternative in Small-Claims Enforcement Act、以下CASE法)がアメリカの上院司法委員会で可決され、上院での採択に向かう。

 現行法では著作権の侵害があった場合、被害者は連邦政府に訴えるしか方法がなく、複雑で高額な手続きとなっている。CASE法が採択されれば米著作権局内に採決機関が設けられ、著作権を守ることが容易になる。この法廷はアメリカ議会図書館の司書が任命する3人の専門家で構成され、上限1作品1万5000ドル、全部で3万ドルの罰金を課すことができるようになる。

 非営利団体のコピーライト・アライアンスは「この法案は全米の写真家、イラストレーター、グラフィックアーティスト、作曲家、著者らに光明をもたらし、次世代のブロガーやユーチューバーといったクリエイターを育ててくれるでしょう」とコメントを発表している。

 だが、別の非営利公益団体であるパブリック・ナレッジのメレディス・ローズ弁護士のように、この法廷の監督責任がないことが不安だという意見もある。「オプトイン方式をとらずに、上訴の余地なく、3万ドルもの金額を一般市民に課すからには、その決断が正しいものかを監督する存在が必要」「多くの人が著作権法を詳しく知らないし、『自分のアイディアを盗んだ』と言いがかりをつける人が現れないとも限らない」という。

 なお、CASE法は上院の司法委員会を通過したとはいえ、これから上・下両院で検証され、大統領が承認しなければ成立しない。

参考リンク

弁護士による The Passive Voice のブログ
https://www.thepassivevoice.com/major-case-act-copyright-legislation-passed-by-senate-judiciary-committee/
上院のCASE法法案文書

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著者について

About 大原ケイ 289 Articles
NPO法人HON.jpファウンダー。日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わる。2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。
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