《この記事は約 2 分で読めます(1分で600字計算)》
今年度のノーベル文学賞がセクハラ問題に端を発し選考委員が次々と辞職、来年に2人に授与となったことで、有志によるニュー・アカデミー賞が急きょ組織されたが、受賞者は西カリブ海フランス領のグアドループ出身のマリーズ・コンデと発表された。
ストックホルムでの授賞式に寄せられたビデオメッセージでコンデは「グアドループは地震やハリケーンの被害があったようなときにしか話題に上らない小国ですが、家族や友人とともに国民にもこの受賞を喜んでもらえるでしょう」と話した。
Desirada、Segu、Crossing the Mangroveなど20作ほどの小説(日本語に翻訳されている作品は『嵐の巻く丘』、『わたしはティチューバ』など)で、審査員長のアン・ポールソンは「植民地主義の猛威やその後の時代の荒廃を鋭い言葉で紡ぎ出した」とたたえている。
今年限りの文学賞だが、密室で決められるノーベル文学賞と違い、途中経過などの透明性を高め、授賞式も華やかなスウェーデン・アカデミーではなく、ストックホルム図書館で行われた。日本の村上春樹も最終ノミネートの4人に入っていたが、辞退したため、3人の候補から選ばれた。
関連リンク
英ガーディアンの記事
https://www.theguardian.com/books/2018/oct/12/alternative-nobel-literature-prize-maryse-conde-new-academy-prize
米ニューヨーク・タイムズの記事