【週末集中ゼミ】「hon.jpターミナル」で学ぶ電子書籍の商品管理 第19回「namespaceっていったい何?(1)」

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【編集部記事】※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。

 hon.jp DayWatchでは毎週末、あまり語られることがなかった「商品管理」という観点で、電子書籍の本質に迫っていきます。そして、すでに複数出版社で使われている「hon.jpターミナル」という電子書籍書誌管理システムを使いながら、その業務対策について考えていきます。出版社勤務の方は、ぜひ研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部

 本連載の第2回で、「hon.jpターミナル」では無限大の数の電子書籍データが登録できると説明しました。

 動作ハードウェアの機能向上と種類増加、自動出版システムや個人作家の台頭などにより、今後、電子書籍商品数が乗倍に増えていくことは、もう誰にも止められないといわれています。

「hon.jpターミナル」は、そのような苛烈な環境下でも、出版社の電子書籍担当者を業務ストレスから守るために最初から無限大(∞)の商品レコードをシームレスに運用・管理できるよう理論設計されています。その象徴が、「namespace」と呼ばれる作品管理コードです。

「hon.jpターミナル」で書誌レコードやフォルダを作成すると、必ず下図のようにそれに対するnamespaceが表示されます。

hon.jpターミナルのnamespace機能

 ぱっと見ると「何かWebアドレスみたいだな」と思った方も多いと思いますが、それは間違いではありません。Webアドレスの遠い親戚のようなものと考えてもらってかまわないでしょう。
 
 「hon.jpターミナル」の作品識別システムには、設計調査の時点からもともと、次の5つのミッションが課せられていました:

ミッション1:表現の自由が阻害されないよう、検閲不可能な仕組みにしておくこと
ミッション2:中央機関をたよらず、誰でもコード発行者になれること
ミッション3:無限大の作品増殖に耐えられること
ミッション4:誰も知的所有権を主張できない、オープン規格であること
ミッション5:プログラマやシステム開発者にやさしいこと

 すべてクリアし、すでに実績のあるものを見つけてくるのはそれなりに大変ですが、とくに重要視したのが「ミッション1」「ミッション5」でした。

 結果、インターネットの原型となった米空軍ARPANETの設計調査時(1960年代のRAND研究所もしくはMITという説あり)に概念化され、50年以上経った現在も米国西海岸のC++/Javaプログラマ達が俗に「namespace」の愛称で呼んでいるドット記法のパッケージ名管理の仕組みをそのまま、電子書籍管理に採用しました。

 次回は、「hon.jpターミナル」上で、自分だけのnamespaceをどのようにして割り当てるのか、その手順を解説します。

※次回、第20回「namespaceっていったい何?(2)」はこちらからどうぞ。【hon.jp】

問合せ先:hon.jpターミナルの製品概要ページ( http://hon.jp/doc/honjpterminal.html

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