【週末集中ゼミ】「hon.jpターミナル」で学ぶ電子書籍の商品管理 第17回「書誌レコードを毎晩TSVで自動出力(2)」

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【編集部記事】※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。

 hon.jp DayWatchでは毎週末、あまり語られることがなかった「商品管理」という観点で、電子書籍の本質に迫っていきます。そして、すでに複数出版社で使われている「hon.jpターミナル」という電子書籍書誌管理システムを使いながら、その業務対策について考えていきます。出版社勤務の方は、ぜひ研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部

 前回は、「hon.jpターミナル」はユーザーが日々入力した書誌レコードを、テキストファイル形式で秘密Webディレクトリに毎晩自動出力していることを説明しました。その機能を実際に活用している例として、株式会社新潮社(本社:東京都新宿区)のケースを紹介しましょう。

 新潮社では今年、電子書籍のマルチプラットフォーム提供を積極化することになり、その戦略に沿うかたちで夏前に2つの大きなWebサイト工事を行ないました。

 まず第一が、新潮社の電子書籍ポータルサイト「Shincho Live!」の開設です。このサイトでは、新潮社が発行する電子書籍作品すべて検索でき、プラットフォーム別に販売サイトへ飛べるようになっています(下がShinco Live!サイトのトップ。画像をクリックすると実際のサイトへジャンプします)。
 

新潮社Shincho Live!ポータルサイト

 第二が、新潮社のメインサイトで、電子書籍も検索しやすいように検索機能を強化したということです(下が新潮社メインサイトの書籍検索画面。画像をクリックすると実際のサイトへジャンプします)。

新潮社メインサイトの書籍検索画面

 実は、この2つのサイト、それぞれまったく別のシステム会社によってデザイン・運用されています。法人のシステム現場では、よくある話です。

 通常の出版社だとこの場合、さしづめ「これを機会に2社のシステムを統合して…」と一度は考えますが、異なる設計のシステム同士を1つに統合するのはかなり難解で、たいていの場合は悲惨な結果に陥ることになります。

 しかし、新潮社では「hon.jpターミナル」を電子書籍の書誌管理システムとして使っていたので、システム統合の心配は不要でした。「○○○○という保護されたWebディレクトリに最新の書誌データ一式が毎晩出力されているので、そこからHTTPで自動GETしてください」と2社に指示するだけでした。

 新潮社でのデータの流れの基本的イメージは、下記の図のとおりです。

hon.jpターミナルでのテキストファイル出力

 前回解説したとおり、「hon.jpターミナル」では、電子書籍担当者が日々入力した書誌データを深夜、関係者専用の保護Webディレクトリに全件出力しています。2サイトのシステム会社はそれぞれ、そのデータを取りにいくロボットスクリプトを書き、自動的に担当サイト上に掲載しています。

 「hon.jpターミナル」ユーザーもシステム会社も、このような使い方をしても追加料金は発生しません(カスタム開発が発生した場合は別)。「hon.jpターミナル」の基本機能の1つだからです。

 次回は「hon.jpターミナル」のもっとも人気の高い“おまけ機能”である、ニュース投稿機能について説明します。

※次回、第18回「自分のPCからニュース記事をhon.jp DayWatchに投稿しよう」はこちらからどうぞ。【hon.jp】

問合せ先:hon.jpターミナルの製品概要ページ( http://hon.jp/doc/honjpterminal.html

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