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【編集部記事】※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。
hon.jp DayWatchでは毎週末、あまり語られることがなかった「商品管理」という観点で、電子書籍の本質に迫っていきます。そして、すでに複数出版社で使われている「hon.jpターミナル」という電子書籍書誌管理システムを使いながら、その業務対策について考えていきます。出版社勤務の方は、ぜひ研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部
前回、「hon.jpターミナル」では商品をnamespaceで管理しているため、下図のような組織内のちょっとした階層の上下関係の入れ替えにもすぐに対応できることを説明しました。
hon.jpターミナルでは、単純に作品・フォルダをマウスでドラッグ&ドロップするだけで、階層の上下関係が入れ替わります。この結果、namespaceそのものも下記のように変化することになります(下例)。
旧:jp.co.digipub.koino-yokan.pdf
新:jp.co.digipub.pdf.koino-yokan
さて、ここでちょっと面白いシチュエーションが発生します。電子書籍担当者的には、後者は単に商品の管理フォルダを少し移動したものであり、商品そのものにはまったく変化はないと考えるのが普通でしょう。しかし、システム的には、namespaceが変わったため、後者はまったく別のデジタルオブジェクトであると見なします。
人間は同じ商品とみなすが、システム側は別オブジェクトとしてみなす。さて、どちらが正しいのでしょうか? 答えは「どちらも正しい」です。namespaceはあくまでもhon.jpターミナル側が使っているデジタルオブジェクト管理コードなので、電子書籍担当者が個々の商品に割り当てる「商品コード」とはまったく別次元の話なのです。
実用上まったく影響ありませんが、namespaceと商品コードを混同する人がたまにいるので、できるだけその違いを理解するようにしましょう。
では、このシチュエーションの一体どこがおもしろいのでしょうか? 実は、この現象をみて気づくのは、電子書籍はあくまでも電子パターンでしか存在しない仮想商品であるため、結果的にそれが「今までと同じ商品」なのか「新しい商品」なのかは、電子書籍担当者のニーズ次第で決めることができるということです。
本連載とは直接関係ないので詳しくは話しませんが、電子書籍担当者には、外部取引先との駆け引きにおいてこの選択権を意識的に握ることはとても強いカードとなります。namespaceが持つ、隠れた効用の1つといえるでしょう。
※次回、第24回「namespaceっていったい何?(6)」はこちらからどうぞ。【hon.jp】
問合せ先:hon.jpターミナルの製品概要ページ( http://hon.jp/doc/honjpterminal.html )