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※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。
いつもご覧いただいております読者の皆さまへの御礼も兼ねまして、今年9月から週1回程度、IT書籍の翻訳家として有名な林田陽子氏が個人で権利取得・有料配信スタートしました米国ITコラムニスト・ジェリー・パーネル氏の「新・混沌の館にて」を冒頭部分のみ抜粋して掲載しております。
業界関係者の方は、EPUBを使った個人による新しい電子出版モデルの一例として、研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部
10月メールバッグより
コラムの読者からの投書にパーネル氏がコメントするコーナーです。
●Barnes and NobleがPubItを開始!
Pournelle博士、Barnes and NobleがPubItを引っ提げて、混迷する自己電子書籍出版サービスに参入しましたよ!
サービスの概要
html、rtf、txt、doc、docxのファイルをアップロードすることができて、PubItサービスがそれをepubフォーマットに変換してくれます。
2.99ドルから9.99ドルの間の本の場合、著作者は表示価格の60%を印税として受け取れます。それ以外の価格の本は、著作者は表示価格の40%を得ます。
Jay Smith
パーネル氏のコメント
これ以外にもすぐに出てくるようだ。出版は常に変化していくだろう。もちろん、これらの新しい方式のどれも、著作者に新刊本の前金を出さない。自分で書いて、編集して、ポストするところまですべて自分でやらなければならない。生計を立てながら・・・
●Appleの現状についてのJobsの発言。
Roland Dobbins
パーネル氏のコメント
見逃した人は、読んでみる価値がある。感謝する。GatesがMicrosoftを去り、今度はRay Ozzieも続いてMicrosoftを去った。ビジョンなどほとんど残っていない。一方、Jobsは明らかにコンピューティングの未来のビジョンを持ち続けている。
「すべての家庭と、すべての机の上と、すべての教室にコンピューターを」というGatesの夢は、彼が最初にそれを言った時は、狂人のたわごとのように聞こえた。それは今ほぼ実現した。私は、今それに匹敵するものを何も見ていない。我々は、未来予想図を持っている。その多くはVernor Vingeが描いた通りだ(「True Names」など)しかし、それらは正確にはビジョンではない。Nivenと私は、ずっと以前に「神の目の小さな塵」でポケット・コンピューター社会の「ビジョン」を示した。それが、我々の目の前で実現しつつある。
【つづきは「新・混沌の館にて」サイトで http://www.sciencereadings.com/ 】
100分の1という数字
このコラムが掲載されていた雑誌は、4年前の休刊時に数万部刊行されていました。その後無料で閲覧できるWebサイトに移り、2009年の秋にWindows 7のトピックが出たとき、初めてアクセスランク1位になりました。その後、ほぼ毎週公開日にはアクセスランクのベストテン入りしていました。アクセスランク1位だと、ほぼ数万アクセスとのことでした。
この計画を考え始めたとき、個人でやることなので、数千件、数万件売ることはできないにしても、せめて少しずつでも、購読者を数百人規模に持っていかれないかと考えていました。今までの雑誌の購読者やサイトの閲覧者の1%以下です。
大変ありがたいことに、サイトの編集者の方が、私が最初に相談に伺ったとき、もし実現したら、最終回の案内を載せるとき、これ以後は、私の個人サイトで継続するというお知らせと、誘導リンクを張ってくださると申し出てくださいました。インターネットでの販促などどうやったらいいかも分からないまま、とにかくやってみようと考えました。
いずれにしてもパーネル氏にとっては、収入は今までとは比べものにならないほど減ってしまいます。個人サイトでの有料制が難しいことは承知しておられたと思います。
出版社のサイトに5月末に掲載された「Windows 7」のトピックと、最後の掲載月となる6月の第1週に掲載されたパーネル氏の初めての「iPad」のレビューが、ともにアクセスランク1位になりました。
私はパーネル氏にメールを出して、このことを知らせました。
「何万人もの日本の読者が、あなたのコラムを読んでいます・・・」
パーネル氏が励みに思ってくださることを祈らずにはいられませんでした。n
問合せ先:新・混沌の館にて」サイト( http://www.sciencereadings.com/ )