【EPUB有料連載リンク】第25回 発表!2010年の蘭花賞と玉ネギ賞 — ジェリー・パーネル/訳・林田陽子「新・混沌の館にて」

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※いつもhon.jp DayWatchをご覧いただきましてまことにありがとうございます。

 いつもご覧いただいております読者の皆さまへの御礼も兼ねまして、昨年9月から週1回程度、IT書籍の翻訳家として有名な林田陽子氏が個人で権利取得・有料配信スタートしました米国ITコラムニスト・ジェリー・パーネル氏の「新・混沌の館にて」を冒頭部分のみ抜粋して掲載しております。

 業界関係者の方は、EPUBを使った個人による新しい電子出版モデルの一例として、研究の参考にしてみてください。—hon.jpシステム部

2月コラムから

発表!2010年の蘭花賞と玉ネギ賞

私がこれを書いている間も、日本は地震と津波の大災害から回復し始めている。私はすべての日本の読者にお見舞いを伝えるとともに、原子力発電所の作業員を含む救援チームの勇敢な働きを賞賛したいと思う。日本の原子炉事故の状況に関する多くの事実と、私の見解はwww.jerrypournelle.comに掲載されている。

1月コラムは、これまで毎年、前年の総括と混沌の館のユーザーズ・チョイス賞と蘭花賞と玉ネギ賞を列挙することにしてきた。今年の1月コラムでそこまで書ききれなかったので、今回掲載する。ユーザーズ・チョイス賞は私個人の経験に基づいて決めている。蘭花賞と玉ネギ賞は私が選ぶが、候補の多くは読者が選ぶ。

2010年の製品とトレンド

 混沌の館の2010年ユーザーズ・チョイス賞は、AppleのiPadが受賞する。もちろん、まったく驚くことではない。iPadは数百万台も売れていて、出張に行く時にiPadだけ持って行くビジネスマンもいるぐらいだ。私は今のところ、そうするつもりはない。私は、旅行の時はiPadを上回る機能が必要だ。そうは言っても、私はブリーフケースか、もっと大きいキャリー・バッグを持って行く所へは、どこでもiPadを持って行く。

 2010年のもっともすぐれた技術の進歩は、出版業界の変革が続いたことだ。Amazonでは、2010年12月に電子書籍の販売数がハードカバーとペーパーバックの両方の販売数を上回った。さらに、電子書籍販売全体が増加するというトレンドが加速している。iPadはこのトレンドに大きく貢献した。しかし、AmazonとBarnes and Nobleの電子書籍リーダーの値下げ競争も多くのユーザーを引き寄せた。もちろん、電子書籍を読むデバイスがもっと増えれば、電子書籍ももっと売れるようになるだろう。多くのiPadとKindleがクリスマス・プレゼントとして贈られて、そのほとんどが数冊の電子書籍販売に結び付いた。今、誰もが電子書籍ビジネスに殺到している。そして、電子書籍ビジネスは劇的に変化している。昨年の秋の状況を総括して、かなりうまくまとめた記事もあるが出版界は急速に変化しているので、すぐに時代遅れになるだろう。

 電子書籍リーダーは飛ぶように売れていて、価格は下がり続けている。iPad 2が発売されて、iPadの販売数は増え続けている。

【つづきは「新・混沌の館にて」サイトで http://www.sciencereadings.com/

SFファンの祭典

 4月の9日(土)と10日(日)の2日間、川崎市・国際交流センターでHAL-CON(はるこん)2011というSFファンの交流イベントが開催されます。「新・混沌の館にて」を販売している当Science Book Clubも参加します。

 昨年の秋に電子書籍関係のイベントや、同人誌販売のフリーマーケットに参加して、電子書籍の対面販売を行いました。その時に、パーネル氏はもともとSF作家なので、「はるこん」に出展してはどうかと何人かの方にアドバイスされました。

 「はるこん」はSFファンの祭典で、2日間にわたって、海外のSF作家の講演やJAXAの講演など、さまざまな催しが開催されます。

 SFは米国では非常に人気のあるジャンルです。先日、米国の26歳の女性アマチュア作家が自己電子書籍出版した本がベストセラーになり、ついに一流出版社のMacMillan社と推定200万ドル(約1.6億円)で紙書籍版の出版契約を結んだというニュースが話題になりました。この作家が書いているのが今SFの中でも人気が急上昇しているパラノーマルというジャンルの小説です。パラノーマルものとは、超能力者、バンパイアなど人間とは違う能力を持つ種族と人間のかかわりを描く小説で、「はるこん」でも「パラノーマル・ロマンスの部屋」という企画が開催されます。このアマチュア作家の本がベストセラーになったのは、非常に人気のあるジャンルの小説だったことが一因のようです。

 今年の「はるこん」には電子書籍関係の企画もいくつかあって、2日目の「電子書籍の部屋2011」に私も参加して、「新・混沌の館にて」のEPUB個人販売を始めたいきさつや現状を少しお話することになっています。

 ディーラーズ・ルームというSF関連の書籍やグッズの販売や、アートショーを行う企画にも出展して、「新・混沌の館にて」のEPUBサンプル版を無料配布する予定です。ディーラーズ・ルームは入場無料です。

 私自身が実は昔SFに熱中していたことがあるので、大変楽しみにしています。より多くの人にこのコラムを知ってもらい、購読者を増やせればと願っています。

 個人にできることは限られていますが、少しずつでもできることに取り組んでいきたいと考えています。

 ご興味ありましたら、ぜひ、足をお運びください。お待ちしています。
 
「はるこん」公式サイト http://www.hal-con.net/?id=home&lang=ja

問合せ先:「新・混沌の館にて」サイト http://www.sciencereadings.com/

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